『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』キャラクター&キャスト紹介 | VG+ (バゴプラ)

『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』キャラクター&キャスト紹介

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チョコレートとキャンディーのように彩豊かなキャストたち

ロアルド・ダール原作の児童小説『チョコレート工場の秘密』(1964)で夢のようなチョコレート工場を経営する若き日のウィリー・ウォンカを豪華なキャストでミュージカルとして描く、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』が2023年12月8日に本国アメリカに先駆けて日本で公開されることが決定した。

『チョコレート工場の秘密』は何度か映像化されている。近年で有名なのはティム・バートン監督作『チャーリーとチョコレート工場』(2005)だが、ウンパルンパがオレンジ色の肌に緑色の髪であることから『夢のチョコレート工場』(1971)の前日譚であることが考察できる。

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事実、原作『チョコレート工場の秘密』でウンパルンパは初版がアフリカのピグミー族で、それ以降は人種問題からルンパランドに住む色白の小人に変更されており、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』とは異なる。映画『チャーリーとチョコレート工場』でもインド系アメリカ人のディープ・ロイが165人のウンパルンパを演じているため、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』と異なっている。

このように何度も映像化されるほど夢に満ちた魅力あふれる『チョコレート工場の秘密』を原作にした『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』。『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』では若き日のウィリー・ウォンカを描くということでオリジナルキャラクターが多く登場している。本記事ではそのような彩豊かなキャラクターと彼らに命を吹き込むキャストを解説していこう。

ウォンカとチョコレートに夢を見るキャラクター

ウィリー・ウォンカ 演:ティモシー・シャラメ(青年期)/コリン・オブライエン(幼少期) 吹替:花村想太(青年期)/Lynn(幼少期)

後にチョコレート工場を立ち上げ、チョコレートからャンディなど数多くの芸術的なお菓子をつくるようになる夢想家の青年。しかし、ウィリー・ウォンカが亡き母と約束したチョコレート工場を立ち上げようとした町は「夢見ることを禁じられた町」だった。

ウィリー・ウォンカは青年時代からお菓子作りの才能には溢れていた。夢見ることを禁じられた町でも食べると空を飛べるホバーチョコ、食べると髪の毛が生えてくるヘア・エクレア、食べると背の高い気持ちになれるキリンのミルクのマカロン、ブロードウェイ・ショー、ピュア・イマジネーション、ひとすじの光といった魔法のような効果をもたらすお菓子を作っていく。

若き日のウィリー・ウォンカを演じるのは『君の名前で僕を呼んで』(2017)で第90回アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされたティモシー・シャラメ、幼少期のウィリー・ウォンカを演じるのはスティーブン・キング原作『ハリガン氏の電話』に出演したコリン・オブライエンだ。

ティモシー・シャラメは「DUNE/デューン 砂の惑星」シリーズなどの出演からもその演技力には間違いない。しかし、パレスチナがイスラエルから侵攻を受けて多くの人々の命が奪われている中で、ハマスをジョークにした『サタデー・ナイト・ライブ』(1975-)のコントに出演し、強い批判を浴びるなど映画外からのノイズを抱えている。

青年期の日本語吹替声優を務めるのは5人組アーティスト「Da-iCE」のメンバーで、2022年第77回文化庁芸術祭新人賞を受賞した花村想太。幼少期の日本語吹替声優を務めるのは『君の膵臓をたべたい』(2018)で山内桜良を演じたLynn。日本語吹替予告編からもわかる通り、非常に歌唱力の高い吹替声優がキャスティングされている。

ヌードル 演:ケイラ・レーン 吹替:セントチヒロ・チッチ

ウィリー・ウォンカが泊まることになるがめつい主人が経営する宿屋で働いている少女。夢を見ることが禁じられた町で暮らす中で抑圧され続けていたが、夢想家のウィリー・ウォンカとの出会いを通して自由な世界を目指すようになる。

演じるのは『THIS IS US/ディス・イズ・アス』(2016-2022)で幼少期のローレル・デュボアを演じた新進気鋭の若手俳優のケイラ・レーン。日本語吹替声優を務めるのはBiSHの元メンバーのセントチヒロ・チッチとこちらも高い歌唱力による演技が期待できる。

ウンパルンパ 演:ヒュー・グラント 吹替:松平健

ルンパランドからウィリー・ウォンカのチョコレートを盗みに来たウンパルンパの一人。身長が低く、オレンジ色の肌に緑色の髪が特徴的でダンスや歌などの豊かな音楽文化を持つ。カカオが好物で、『チョコレート工場の秘密』ではカカオと引き換えにチョコレート工場で働く。

演じるのはロマンスの帝王と呼ばれたヒュー・グラントだが、これまでウンパルンパの役は小人症の俳優が演じてきたため、180㎝のヒュー・グラントが起用されたことに『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』に小人症の当事者であるジョージ・コッペンが苦言を呈したことを英BBCが報じている。

小人症の俳優はテレビドラマなどでも他の俳優に比べ起用される機会が少なく、ヒュー・グラントの起用には業界からの閉め出しを覚えるとジョージ・コッペンはコメントした。ウンパルンパのキャスティングも『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』における映画外からのノイズの一つとなっている。

ウンパルンパのロフティの日本語吹替声優を務めるのは「マツケンサンバ」シリーズでもお馴染みの松平健。松平健をキャスティングしていることからも、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の日本語吹替版のミュージカルに日本語吹替制作側がどれくらい力を入れているのかがうかがい知れる。

夢を見ることを禁止するチョコレート組合

アーサー・スラグワース 演:パターソン・ジョセフ 吹替:岸裕二

チョコレート組合のリーダーであり、夢想家のウィリー・ウォンカの目の前に立ちふさがる人物の一人。町を「夢見ることを禁じられた町」へと変えた張本人の一人でもある。演じるのは『ザ・ビーチ』(2000)でキーティなどを演じたパターソン・ジョセフ

日本語吹替声優を務める岸裕二は『激走戦隊カーレンジャー』(1996-1997)で俳優でデビューし、ミュージカル『レ・ミゼラブル』などにも出演経験を持つ俳優である。『メリー・ポピンズ リターンズ』(2018)でガス灯の点灯夫のジャックの吹替を演じるなど、ミュージカル映画の吹替も多く演じている。

プロドノーズ 演:マット・ルーカス 吹替:関智一

チョコレート組合のメンバーであり、アーサー・スラグワースのもとで働き、ウィリー・ウォンカの夢を阻む人物の一人。演じるのはティム・バートン監督作『アリス・イン・ワンダーランド』(2010)でトウィードルダムとトウィードルディーを演じたマット・ルーカス

日本語吹替声優を務めるのは「ドラえもん」シリーズで肝付兼太の後を継いでスネ夫役を演じ、劇団ヘロヘロQカムパニーを主催した一人でもある関智一。関智一は自身が演じたキャラクターのキャラクターソングだけではなく、2006年には「関智一の勝手に祝うライダー35周年!」というアルバムを出すなど、積極的に音楽活動も行っている。

フィクルグルーバー 演:マシュー・ベイントン 吹替:武内駿輔

チョコレート組合のメンバーであり、アーサー・スラグワースやプロドノーズと共にウィリー・ウォンカのチョコレート工場の夢を阻もうとする人物の一人。演じるのはイギリスで大ヒットしたシチュエーションコメディ『ゴースト~ボタン・ハウスの幽霊たち』(2019-)でトーマス・ソーンを演じたマシュー・ベイントン。

日本語吹替声優を務めるのは2016年第10回声優アワードで新人男優賞を受賞した武内駿輔。「アナと雪の女王」シリーズでオラフ役としていくつか劇中歌を歌っているだけではなく、ヒップホップ・ミュージシャンのLotus Juiceと音楽ユニット「AMADEUS」を結成し、Jack Westwood名義で活動するなど演技力だけではなく歌唱力の評価も高い。

チョコレート大好きな邪魔者たち

警察署長 演:キーガン=マイケル・キー 吹替:長田庄平

チョコレートが大好きだが、チョコレート組合に雇われてウィリー・ウォンカの夢を潰そうとする悪徳警官。演じるのはコメディアンで『スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(2023)でキノピオを演じたキーガン=マイケル・キー

日本語吹替声優を務めるのも同じくコメディアンであるチョコレートプラネットの長田庄平で、コンビでの出演となる。歌唱力が高く、それを活かしたコントやものまねを多く行うだけではなく、『バッドガイズ』(2022)でシャーク役を演じるなど、吹替声優の経験もある。不思議なことに『トイストーリー4』でもダッキー&ダックというコンビの吹替声優を務めたが、その際キーガン=マイケル・キーが演じたダッキーの声優は相方の松尾駿が務めた。

ジュリアス神父 演:ローワン・アトキンソン 吹替:松尾駿

「夢見ることを禁じられた町」の教会の謎に満ちた神父で、チョコレート中毒者でもある。演じるのは世界的なコメディアンで「Mr.ビーン」シリーズでお馴染みのローワン・アトキンソン

日本語吹替声優を務めるのは同じくコメディアンであるチョコレートプラネットの松尾駿で、コンビでの出演となる。相方の長田庄平同様に歌唱力を活かしたコントやものまねを多く行い、吹替声優経験も多く持っている。

アファブル巡査 演: コブナ・ホルドブルック=スミス 吹替:森久保祥太郎

「夢見ることを禁じられた町」で働く警察官で、キーガン=マイケル・キー演じる警察署長の部下。演じるのは『メリーポピンズ リターンズ』でバンクス家の屋敷の差し押さえを通告に訪れる弁護士フライを演じるなどミュージカル出演経験も持つコブナ・ホルドブルック=スミス

日本語吹替声優を務めるのは「NARUTO -ナルトー」シリーズの奈良シカマル、「メジャー」シリーズの茂野吾郎を演じた森久保祥太郎。森久保祥太郎も関智一や武内駿輔と同じく、声優業以外にも音楽活動を行っており、多くのオリジナルアルバムを出している。

ミセス・スクラビット 演:オリヴィア・コールマン

「夢見ることを禁じられた町」の意地悪でがめつい宿屋の主人。ヌードルの雇い主で彼女を抑圧する人物の一人。町の住人に金を貸すこともあり、ミセス・クラビット相手に借金を抱える人物も多い。演じるのは『女王陛下のお気に入り』(2018)に主演し、ヴェネツィア国際映画祭 女優賞[8]、ロサンゼルス映画批評家協会賞 主演女優賞、アカデミー主演女優賞を受賞したオリヴィア・コールマン。

ポール・キング監督が英Empire「まさにダール風のグロテスクなキャラクター」と語るミセス・クラビットの日本語吹替声優を務めるのは、アニメ「ポケットモンスター」シリーズの主人公サトシで有名な松本梨香。松本梨香は「ポケットモンスター」シリーズのオープニングテーマなど音楽活動を積極的に行っており、歌唱力は折り紙付きだ。

ブリーチャー 演:トム・デイヴィス 吹替:石井康嗣

ミセス・クラビットと共に商売をする人物で、宿屋とクリーニング店を営んでいる人物。ミセス・クラビットと同じくヌードルの雇い主でもあり、ヌードルを抑圧してきた人物でもある。演じるのは『サクセスビルの殺人事件(原題:Murder in Successville)』(2015-2017)で主演を務めて人気を博したトム・デイヴィス

日本語吹替声優を務めるのは『ヒットマンズ・ボディガード』(2017)などでサミュエル・L・ジャクソンの担当声優を務め、アニメ『ONE PIECE』(1999-)でフィッシャー・タイガーを演じた石井康嗣。

ウォンカと共に夢を追う仲間たち

アバカス・クランチ 演:ジム・カーター 吹替:平林剛

チョコレート組合の危険性を最初にウィリー・ウォンカに伝えた人物であり、ミセス・クラビットに借金を背負わされてしまった人物。当初はウィリー・ウォンカの夢に対しても不可能だと考えていたが、ウィリー・ウォンカのつくる魔法のようなチョコレート魅せられて同じ夢を追うようになる。

その一方で、『チョコレート工場の秘密』から『チャーリーとチョコレート工場』に至るまでの共通の設定として「ウィリー・ウォンカはチョコレート工場にスパイが入られたことがあり、それによって従業員を大量に解雇して代わりにウンパルンパを雇った」というものがあるため、その後の動向に注目したい人物だ。日本語吹替声優を務めるのは元劇団四季の団員であり、現在は俳優業だけではなくミュージカル講師も行っている平林剛。

パイパー・ベンツ 演:ナターシャ・ロスウェル 吹替:斉藤貴美子

ウィリー・ウォンカの夢に共感してチョコレート組合打倒を志す人物の一人。演じるのは『サタデー・ナイト・ライブ』の脚本家も務めるコメディアンで、「ソニック・ザ・ムービー」シリーズにレイチェルとして出演しているナターシャ・ロスウェル

日本語吹替声優を務めるのは多くの洋画や海外ドラマの吹替声優を務め、アニメ「DEATH NOTE」シリーズで死神レム役を演じた斉藤貴美子。

ロッティー・ベル 演:ラキー・ザクラル 吹替:早見沙織

ウィリー・ウォンカの夢に共感した人物の一人で、「夢見ることを禁じられた町」で働く電話交換手。演じるのはNetflix制作『セックス・エデュケーション』(2019-)でサンズ先生を演じているラキー・ザクラル

日本語吹替声優を務めるのは『SPY×FAMILY』(2022-)でヨル・フォージャー、『ダンジョン飯』でファリンを演じた早見沙織。早見沙織は音楽活動にも積極的で、多くのアルバムやシングルをリリースしている。

ラリー・チャクルズワース 演:リッチ・フルチャー 吹替:山本高広

ウィリー・ウォンカの夢に共感した人物の一人で、「夢見ることを禁じられた町」でコメディアンとして活動している人物。演じるのはイギリスを中心に活動しているコメディアンであるリッチ・フルチャー。

日本語吹替声優を務めるのは山本高広。お笑い芸人、ものまね芸人のイメージの強い山本高広だが、声優を志して24歳の頃に代々木アニメーション学院の原宿校に入学しており、その後海外ドラマや洋画の吹替に芸の人枠ではなく、声優として参加している。

他にも豪華なキャストが

長々とキャラクターたちを紹介してきたが、豪華なキャストはこれだけではない。今は亡きウィリー・ウォンカの母親役には映画「パディントン」シリーズでポール・キング監督と共演しているサリー・ホーキンスが起用されている。その声優は「バイオハザード」シリーズのアリスや、『トランスフォーマー/ビースト覚醒』でエアレイザーを演じた本田貴子が起用されている。

更には恋人へのプロポーズに失敗してしまうコリンの日本語吹替声優を務めるのは、男女7人組のダンス&ボーカルグループ・GENICのメンバーで、『機界戦隊ゼンカイジャー』(2021-2022)でゾックス・ゴールドツイカー役を演じた増子敦貴が起用されるなど、脇に至るまで高い歌唱力を持つキャストで固められている。今後の更なる情報解禁に期待したい。

『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』は2023年12月8日に全国公開。

『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』公式サイト

Source
BBC/Empire

ウィリー・ウォンカ役のティモシー・シャラメが主演を務める「デューン」シリーズの記事はこちらから。

近年のワーナー・ブラザーズの動向に関する記事はこちらから。

ナターシャ・ロスウェルがレイチェルとして出演している「ソニック・ザ・ムービー」シリーズの最新作に関する記事はこちらから。

本田貴子が出演している『トランスフォーマー/ビースト覚醒』のキャストに関する記事はこちらから。

早見沙織が出演している『ダンジョン飯』のキャストに関する記事はこちらから。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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