ネタバレ解説!「新スースク」ポストクレジットの意味は? 続編はある? 『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説!「新スースク」ポストクレジットの意味は? 続編はある? 『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』

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「新スースク」公開

DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)最新作の「新スースク」こと『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』が2021年8月13日(金) より劇場公開された。『ザ・スーサイド・スクワッド』は、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズで知られるジェームズ・ガン監督による最新作。ガン監督にとって、小児性愛や性暴力、差別を絡めたジョークをツイートしていたことが明らかになり、マーベルとの契約を解除(後に復帰)されてから初の監督作品になった。

「新スースク」では、ジェームズ・ガン監督は自身が抱える問題も絡めつつ、マーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインをはじめ、多くのDCヴィランたちを生まれ変わらせた。登場人物たちは生まれるのと同じくらいバッタバッタと倒れていくが、最後に待っていたのは意外なエンディングだった。今回は、映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』のポストクレジットシーンの意味を解説していく。なお、以下の内容は物語の結末に関わる内容が含まれているため、必ず「新スースク」を観た後に読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』の内容に関するネタバレを含みます。

「新スースク」のポストクレジットは?

南米の島国コルト・マルテーゼを救ったスーサイド・スクワッドの生き残りは、アメリカ政府が関与していたスターフィッシュ計画の情報を手に入れ、それを交渉材料とすることで自由の身になる。ブラッドスポートことロバートは、政府がスーサイド・スクワッドに埋め込まれたインプラント爆弾を発動させればクラウド上に保存された映像データが流出するように仕組んだのだ。

これで物語はめでたしめでたし……かと思いきや、ポストクレジットシーンに映し出されたのは、病院のベットに横たわるピースメーカーことクリストファー・スミスだった。「新スースク」の物語の途中で、ピースメーカーは政府のアマンダ・ウォラーと繋がっていたことが判明した。情報を公表しようとするリック・フラッグ大佐を殺し、ラットキャッチャー2ことクレオ・カゾを殺そうとしたピースメーカーは、ブラッドスポートとの一騎打ちに敗れて銃弾が喉に命中していたが、一命を取り留めていたようだ。

ポストクレジットシーンでは、ピースメーカーは瓦礫の下で死にかけていたところを助けられたことが明かされている。奇跡的な生命力で生き延びたらしく、「手術は必要だけど元に戻る」と医者から太鼓判を押されている。そして復活するピースメーカーの担当に回されたのは、アマンダ・ウォラーの下で働いていた政府職員のジョン・エコノモスとエミリア・ハーコートだ。

ジョンはこの人事を、裏切られたウォラーによる復讐だと考えているようだ。島を救ったとコルト・マルテーゼをヒーロー扱いする医者に、「でっち上げだ」と指摘すると、医者はならばと「なぜこの人が必要なんですか?」と問いかける。するとエミリアは「腐った世界を救うため」と答えるのだった。

続編へ繋がる?

本作のヴィラン中のヴィランだったピースメーカーが生き延びるというこのエンディングは、「スーサイド・スクワッド」の続編製作を意味しているのだろうか。「新スースク」公開時点でジェームズ・ガン監督が次回作を撮影する予定はない。ガン監督はこれからMCUに戻り、2023年公開予定の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(原題)』の製作に取り掛かる。では、ピースメーカーの復活の舞台はどこになるのか。

それはズバリ『ピースメーカー』だ。DCEU初のドラマ作品として制作が進められている『ピースメーカー』は、今回の「新スースク」で登場を果たしたピースメーカーことクリストファー・スミスを主人公に据えたスピンオフドラマ。「新スースク」で同役を演じたジョン・シナが主演を務める。2021年7月13日にはジェームズ・ガン監督が撮影終了の報告をツイートした。

ドラマ『ピースメーカー』はどうなる?

ドラマ『ピースメーカー』には、ジョン・エコノモス役でスティーヴ・エイジーが、エミリア・ハーコート役でジェニファー・ホランドの出演も決定しており、「新スースク」のポストクレジットシーンからドラマ版に繋がる展開が考えられそうだ。つまり、この後ピースメーカーは二人のお目付役の下で、政府のためにヒーロー活動を行うのだ。

「平和のためなら老若男女、いくらでも殺す」という矛盾したスタンスを取るピースメーカーは、まさにアンチヒーロー。「新スースク」では、自分自身の正義というよりも、自分が盲信するより大きな正義に服従するタイプに見えたが、ドラマ版でその背景が深掘りされることはあるのだろうか。また、「新スースク」ではポストクレジットシーンでピースメーカーの必要性をエミリアは「腐った世界を救うため」と表現したが、復活したピースメーカーにはどのような任務が割り当てられることになるのだろうか。

DCEUを大きくリードするマーベルのMCUは、2021年からDisney+で配信を開始した『ワンダヴィジョン』『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』『ロキ』でドラマ路線を開拓。映画公開がなかった時期に大きな注目を集めた。『ピースメーカー』はDCEU初のドラマ作品で、2022年1月に米HBO Maxで配信を開始する予定だ。HBO作品は日本ではU-NENXTで配信されているので、日本でも視聴できることを期待しよう。

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9月に公開された『ピースメーカー』の劇中映像の解説はこちらから。

他のキャラクターのその後は?

なお、「新スースク」で他に生き延びたのは、ハーレイ・クインブラッドスポートラットキャッチャー2の三人。それにイタチ(?)のウィーゼルだ。スーパーマンに怪我を負わせた人物でありリーダーシップのあるブラッドスポート、貧困と移民というバックグラウンドを持つ心優しいラットキャッチャー2、そして謎の生き物ウィーゼル……多くのDCヴィランを殺して完成した「新スースク」を生き延びたからには、これらのキャラクターには単独作品の主役を務めてもらいたい。

既に『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』(2020) で単独主役デビューを果たしたマーゴット・ロビーのハーレイ・クインは、今後のジェームズ・ガン監督作品に登場する可能性がある。ガン監督が2021年2月にInstagramで、ハーレイ・クインの今後についてマーゴット・ロビーと「話をした」「どうなるか見ていてください!」と投稿したのだ。ガン監督は、当面はMCUに注力すると思われるが、「新スースク」のヒットによってDCEUにもカムバックを果たすかもしれない。

また、マーゴット・ロビーと映画『ハーレイ・クイン』を手がけたキャシー・ヤン監督は、共にハーレイ・クインと原作コミックでも人気のカップルであるハーレイ・クインとポイズン・アイビーの二人を主演に据えた『ハーレイ・クイン&ポイズン・アイビー』の映画化も希望している。

現時点ではドラマ『ピースメーカー』以外に具体的な続編・スピンオフの話は出ていないが、『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』で語られた物語が次へと繋がっていくことに期待しよう。

映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』は2021年8月13日(金・祝)より全国で公開。

『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』公式サイト

ジェームズ・ガン監督こだわりの「新スースク」の全17曲はこちらの記事で詳しく紹介している。

ジェームズ・ガン監督がネズミに込めた思いはこちらから。

過去作と比較したハーレイ・クインの変化についてのネタバレ解説はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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