『シン・仮面ライダー』キャスト&キャラクターまとめ 注目ポイントは? | VG+ (バゴプラ)

『シン・仮面ライダー』キャスト&キャラクターまとめ 注目ポイントは?

©石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会

『シン・仮面ライダー』で発表されたキャストとキャラクターをチェック

いよいよ全国公開が目の前に迫ってきた2023年3月17日最速公開のシン・ジャパン・ヒーロー・ユニバース最新作『シン・仮面ライダー』(2023)。『風都探偵』(2017-)のアニメ化や『仮面ライダーBLACK SUN』(2022)に続く「仮面ライダー」の新展開として話題となっている。

なおかつ庵野秀明監督のシン・ジャパンヒーロー・ユニバース(SJHU)第一作目『シン・ゴジラ』(2016)以来7年ぶりの実写監督作品でもある。そこにPG12指定作品という要素も加わって期待と注目が更に高まっている。その『シン・仮面ライダー』の現在発表されているキャストをチェックしてみよう。

なお、以下の内容は公式から発表されている範囲のキャラクターの設定に関する情報を含むので、情報を入れずに鑑賞したいと思われている方は注意していただきたい。

3月23日(木)に発表されたシークレットキャストとそのキャラについての解説はこちらの記事で。

仮面ライダーと緑川ルリ子たち

本郷猛/仮面ライダー役 池松壮亮

主人公の本郷猛を演じるのは池松壮亮氏だ。本郷猛は、バイクをこよなく愛していた青年だったが身体をショッカーによってオーグメンテーション(改造手術)を施されてしまい、バッタオーグになり、緑川ルリ子に救出されて仮面ライダーとなる。

池松壮亮氏は福岡県福岡市出身で、俳優デビューは10歳のときに演じた劇団四季『ライオン・キング』のヤング・シンバ。その後、トム・クルーズ主演『ラスト・サムライ』(2003)で主人公のネイサン・オールグレンと心を通わせる少年の飛源を演じ、子役時代に第30回サターン賞で若手俳優賞にノミネートされるなど邦画界期待のホープだ。

今回の仮面ライダーのデザインでは、デザイナーの出渕裕氏曰く「変身場面で仮面を被る場面があるように、トレンチコートの下に強化服を着ている。同じ石ノ森章太郎作品『ロボット刑事K』(1973)と似たイメージ」とのこと。池松壮亮氏が悲哀に満ちた本郷猛/仮面ライダー、そしてバッタオーグを演じるのかに期待が高まる。

 

一文字隼人/仮面ライダー第2号役 柄本佑

もう一人の仮面ライダーである一文字隼人を演じるのは柄本佑氏だ。一文字隼人は正義感溢れるジャーナリストだったが、本郷猛と同じくショッカーによってオーグメンテーション(改造手術)を受けてバッタオーグになるも、強靭な精神力でショッカーの支配を振り切り、仮面ライダー第2号と名乗って戦うことになる。

柄本佑氏は、父親は柄本明氏、母親は角替和枝氏、弟は柄本時生氏に加えて妻は安藤サクラ氏という名優揃いの演劇一家の生まれの俳優だ。本人は高校在学中にデビューし、以降は小劇場などで演技経験を重ねながら第77回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞受賞、第13回日本映画批評家大賞新人賞受賞など着実に実績を重ねてきた名優だ。

『シン・仮面ライダー』のポスター上では、「継承」という言葉と共に緑川ルリ子から一文字隼人が赤いマフラーを譲り受ける場面が描かれた。漫画版『仮面ライダー』(1971)での本郷猛の肉体の死亡と共に仮面ライダーの名を受け継ぐ場面を連想させる不穏な姿が映されており、それを柄本佑氏がどのように演じるのか注目したい。

緑川ルリ子役 浜辺美波

浜辺美波氏は仮面ライダーではないが、本郷猛と並ぶもう一人の主人公の緑川ルリ子を演じる。緑川ルリ子は本郷猛にオーグメンテーション(改造手術)を施した緑川弘博士の娘であり、父親と同じくショッカーに所属し、仮面ライダー誕生に関わった人物として描かれる。

浜辺美波氏は第7回東宝シンデレラオーディションのニュージェネレーション賞(2011年)でデビューしている。起用理由の一つには東宝の企業カレンダーで浜辺美波氏が庵野秀明監督の目にとまりオファーされたこと、そして東宝ニューフェイスがTOHO NEW FACEとして復活したことが挙げられる。

『シン・仮面ライダー』の撮影にあたり、庵野秀明監督は『仮面ライダー』(1971-1973)第一話と全く同じダムなど撮影場所や撮影方法を選び、セットの自動車として実相寺昭雄監督の愛車を利用するなど、最新技術とノスタルジーの融合を意識している。ほかにも仮面ライダーチップスの付録カード用に、放送当時のショッカー怪人と電話できるサービスを模した電話写真を撮影するなどの凝りっぷりだ。

緑川ルリ子の服装のデザインは『仮面ライダー』のノスタルジーを意識した真っ赤な革のコートに白いブーツなど、様々なデザインの変遷を経て今のデザインに落ち着いている。冷静沈着で、口癖は「私は常に用意周到なの」というスパイのような緑川ルリ子を浜辺美波氏はどのように演じ切るのだろうか。

SHOCKER

ショッカーと言えば世界征服をたくらむ悪の秘密結社として有名だ。テレビシリーズでのナチスの残党組織という設定を受けて、以前のリメイク作品『仮面ライダー THE FIRST』(2005)と続編の『仮面ライダー THE NEXT』(2007)では「Sacred Hegemony Of Cycle Kindred Evolutional Realm」(直訳: 同種の血統による全体の、神聖なる支配権)の略称としていた。しかし『シン・仮面ライダー』では「Sustainable Hapiness Organization with Computational Knowledge Embedded Remodeling(持続可能な幸福を目指す愛の秘密結社)」の略称となっている。

緑川弘博士役 塚本晋也

映画監督としても有名な塚本晋也監督は、本郷猛にオーグメンテーションを施したショッカーの科学者の緑川ルリ子の父親の緑川弘博士を演じる。塚本晋也監督はシン・ジャパン・ヒーロー・ユニバース(SJHU)第一作目『シン・ゴジラ』でも学界の異端児である間邦夫を演じ、竹野内豊氏が『シン・ゴジラ』と『シン・ウルトラマン』(2022)で同一人物らしき赤坂秀樹/政府の男を演じたのと同じく二作目の出演となる。

テレビシリーズでは本郷猛の恩師であり、彼をショッカーの秘密基地から逃がした結果、命を落とした人物だったが、『シン・仮面ライダー』のスピンオフ漫画『真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-』(2022-)ではショッカーの思想に賛同する人物として描かれている。そういった意味では人間にオーグメンテーション(改造手術)することで社会が幸福になると考えるマッドサイエンティストだ。

塚本晋也監督は幼少期に見た『ウルトラQ』(1966)などの怪獣映画に感銘を受けて熱中し、『鉄男』(1989)や『ヒルコ/妖怪ハンター』(1991)など特殊メイクや特撮を多用した作品で名を上げ、『シン・ゴジラ』で庵野秀明監督作品に出演するなど、二人の監督の化学反応に注目したい。またマーティン・スコセッシ監督作品『沈黙-サイレンス-』に出演するなどの高い演技力にも期待できる。

ハチオーグ役 西野七瀬

乃木坂46の元メンバーの西野七瀬氏は、ショッカーによるオーグメンテーション(改造手術)によって生み出された人間とハチの合成オーグメントであるSHOCKERの上級構成員のハチオーグを演じる。西野七瀬氏は『シン・仮面ライダー』でアクションにも挑戦しており、仮面ライダーたちとの戦いにも期待したい。

ハチオーグのデザインでは仮面ライダーとの差別化を図るために目元の覗き穴はスリット状になっているが、「仮面ライダー」シリーズにおける怪人にあたる合成オーグメントの上級構成員は仮面ライダー同様、髪の毛がヘルメットから出るようになっており、アクションを映えさせるために庵野秀明監督は西野七瀬氏の髪型をツインテールにするように要望し、出渕裕氏はそれを反映させたデザインを行っている。

服装のデザインに関しても、当初は後述のクモオーグなどと同じようにライダースジャケットなどのテレビシリーズに寄せたぴっちりとした衣装デザインを考えていたが、庵野秀明監督は和服を採用したとのことだ。その設定が反映されてか、新宿バルト9で公開されたハチオーグの部屋を模した装飾は畳が敷かれているなど和風になっている。仮面ライダーチップスでは西野七瀬氏が日本刀を持つ姿が登場するなど、和風なキャラクター造詣にも期待だ。

【ネタバレ注意】ハチオーグの思想についての解説&考察はこちらの記事で。

コウモリオーグ

手塚とおる氏は人間とコウモリの合成オーグメントであるSHOCKERの上級構成員のコウモリオーグを演じる。蜷川幸雄の演出の『黒いチューリップ』でデビューした手塚とおる氏のコウモリオーグは、他の上級構成員と異なり異形の容姿をしている。写真などではハットを被るなど、紳士的な立ち振る舞いを行っている。

コウモリオーグは怪人の蝙蝠男がテレビシリーズでウィルスを用いた作戦を展開していた影響か、科学者のような立ち振る舞いをしており、塚本晋也監督の演じる緑川弘博士との関係性が気になるところだ。また、手塚とおる氏は塚本晋也監督と同じく『シン・ゴジラ』に関口悟郎文部科学大臣として出演しており、シン・ジャパン・ヒーロー・ユニバース(SHJU)には二作目の出演となる。

手塚とおる氏は庵野秀明監督にとって初めての本格的な実写映画だった村上龍氏原作の『ラブ&ポップ』(1998)や『キューティーハニー』(2004)、小松左京氏原作の樋口真嗣監督作品『日本沈没』(2006)にも出演しており、庵野秀明監督らスタジオカラー作品との親和性も期待ができる。他にも『ガメラ3 邪神覚醒』(1999)や『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』(2009)など特撮作品にも出演しており、そこにも期待が高まる。

【ネタバレ注意】コウモリオーグが語ったことについての解説と考察はこちらの記事で。

緑川イチロー役 森山未來

森山未來氏は、緑川弘博士の息子である緑川イチローを演じる。東京オリンピックのコンテンポラリーダンスでも話題の森山未來氏だが、彼の演じる緑川イチローは新しく公開された予告映像で触手やコードに繋がれて虚ろな目をした姿となっており、謎めいたキャラクターとなっている。森山未來氏は幼少期からジャズダンスなどの多くのダンスを学び、『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)で主人公を演じて一世を風靡した俳優だ。

緑川イチローは『真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-』では主人公を務める人物で、物語の鍵を握る人物だ。現時点では何故このような姿になったのか、緑川イチローと仮面ライダーはどのように関わってくるのかなど不明な点が多いキャラクターであるため、森山未來氏の演技も併せて注目していきたいキャラクターである。

真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-(ヤンジャン!)

またハチオーグもコウモリオーグらショッカーの構成員を演じたキャストたちはノスタルジックな演出の一環として仮面ライダーチップス用に電話をしている写真が撮られており、若いキャストらの多くは「なぜ電話をしている写真を撮るのか」と困惑したとのことだが、出渕裕氏曰く「みんな途中で慣れてきて『今回は電話の写真を撮りますか』と訪ねてくるようになった」とのことだ。

キャスト未発表のキャラクターたち

クモ/クモオーグ

最初に公開された予告映像から出演し続けているキャラクターが、人間とクモの合成オーグメントであるSHOCKERの上級構成員がクモことクモオーグだ。『仮面ライダー』の記念すべき第一話に登場した怪人の蜘蛛男のリメイク・キャラクターであり、仮面のデザインは蜘蛛の巣を模した三つの六角形や釣り竿のリールのような装備、蜘蛛の脚に見立てたドレッドヘアのようなパーツがついている。

SHOCKERの上級構成員に共通している髪が仮面から露出しているという点がクモオーグに無い理由は、『真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-』で顔に大火傷を負ったため髪の毛はおろか爛れた皮膚しか残されていないことが断片的に語られており、素顔を晒せない理由も同様の理由とされている。

予告映像で激しいアクションを展開し、ヒップホップのようなデザインをしたクモオーグだが、『真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-』では紳士的な振る舞いや会話をしているため、声でのサプライズ出演の可能性があり得る。シン・ジャパン・ヒーロー・ユニバース(SJHU)で一作品前に当たる『シン・ウルトラマン』で津田健次郎氏が外星人ザラブを演じたように、有名声優の出演にも期待したい。

クモオーグについてのネタバレ解説&考察はこちらから。

サソリ

こちらはクモオーグと異なり、予告映像で半分仮面をつけた姿が登場するなど、サソリは顔出しでの出演が確定している(キャストは未発表)。『真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-』ではマゾヒズムとサディズムを兼ね備えた女性として描かれ、公式アプリではサソリのシンボルが登場している。

現時点ではサソリという名前しか明かされていないが、テレビシリーズでは女性ではなく蠍男こと早瀬五郎という男性の怪人として登場している。早瀬五郎は本郷猛のライバルのオートバイレーサーが本郷猛への嫉妬心から自ら志願して改造された怪人であるため、『シン・仮面ライダー』でも本郷猛とサソリの関わりに期待したい。

イワン

『真の安らぎはこの世になく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-』に登場した登場人物で、塚本晋也監督演じる緑川弘博士をショッカーに勧誘した人物である。イワンはショッカー内で死神と呼ばれており、ショッカーの理念に反する人物を粛清する存在として描かれている。

キャラクターのもとになったのは、その異名と本名から天本英世氏が演じた死神博士/イカデビルことイワン・タワノビッチだと考えられる。『シン・仮面ライダー』本編に登場するかは不明だが、注目していきたいキャラクターである。

ここで紹介した以外にも現在キャストとしては発表されているものの、配役が未発表となっている松尾スズキ氏などもいる。映画の公開まで残りわずかとなったが今後の発表にも注目していきたい。

【ネタバレ注意!】3月23日(木)に発表されたシークレットキャストとそのキャラについての解説はこちらの記事で。

『シン・ウルトラマン』と『シン・ゴジラ』に緩やかな繋がりがあったように、『シン・仮面ライダー』と他の特撮ヒーローの繋がりに期待が膨らむ。そのような庵野秀明監督によって広がる「シン」化についてはこちらの記事で。

映画『シン・仮面ライダー』は一部劇場で2023年3月17日(金)18時より全国最速公開、3月18日(土)より全国で公開。

『シン・仮面ライダー』公式サイト

『真の安らぎはこの世になく―シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE―』は現在、『となりのヤングジャンプ』にて第一話無料公開中。

『真の安らぎはこの世になく―シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE―』

第1巻は発売中。

『真の安らぎはこの世になく―シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE―』のネタバレありの考察はこちらから。

 

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『シン・ジャパン・ヒーロー・ユニバース』

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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