映画『マーベルズ』公開
MCU映画最新作『マーベルズ』が2023年11月10日(金) より全国の劇場で公開された。『マーベルズ』は、2019年に公開された映画『キャプテン・マーベル』の続編にあたり、ドラマ『ワンダヴィジョン』(2020)、『ミズ・マーベル』(2022)、『シークレット・インベージョン』(2023) からも繋がる内容となっている。
映画『マーベルズ』で特に注目を集めているのは、『ミズ・マーベル』からオーディションで勝ち取ったカマラ・カーン役を演じているイマン・ヴェラーニだ。演じるカマラと同じパキスタン系であるイマン・ヴェラーニは大のMCUファンでもあり、演じるカマラとそっくりなバッググラウンドを持つ人物だ。
『マーベルズ』では、ミズ・マーベルことカマラ・カーンが絡む驚きのラストが待っていたが、演じたイマン・ヴェラーニがその舞台裏と今後について語っている。以下の内容は、ドラマ『ミズ・マーベル』と映画『マーベルズ』の結末に関する重大なネタバレを含むので、必ず両作を最後まで鑑賞してから読んでいただきたい。
以下の内容は、映画『マーベルズ』とドラマ『ミズ・マーベル』の結末に関するネタバレを含みます。
『マーベルズ』驚きのラスト
映画『マーベルズ』の最後に待っていたサプライズは、カマラ・カーンがドラマ『ホークアイ』(2021) で新たなホークアイを襲名したケイト・ビショップの元に現れるというものだった。カマラはケイトを新たなチームに勧誘するのだが、そのセリフはMCU映画第1弾の『アイアンマン』(2008) のポストクレジットでのニック・フューリーのセリフを踏襲したものになっている。
原作コミックでは、ケイト・ビショップはウェストコースト・アベンジャーズやヤング・アベンジャーズといった若手ヒーローチームの主要メンバーであり、ファンならこの流れにピンと来たことだろう。カマラはアントマンの娘のキャシーの勧誘も視野に入れていることを示唆している。
米The Hollywood Reporterでインタビューに答えたイマン・ヴェラーニは、このシーンがヤング・アベンジャーズ結成に向けた展開であることを認めている。曰く、ヤング・アベンジャーズ結成に向けた動きが始動するこのシーンは元々の脚本には含まれていたものの、当初撮影は行われず、追加で撮影されたものだという。
古い台本には別のバージョンの内容が書かれていましたが、撮影はしませんでした。それから、私たちには追加の撮影があるという噂を聞いたんです。でも、それは(ケイトとは)違う“ヤング・アベンジャー”との撮影でした。なので、追加撮影の直前までこの(公開されたバージョンの)台本を見ることはなくて、だから大喜びしましたよ。
すぐに『アイアンマン』を見直して、ニア(・ダコスタ監督)に全部大文字でメールしました。「今自分が得ている栄誉が信じられない。クレジーだ!」って。映画(『アイアンマン』)を全部見返す必要はなかったんですが、苦ではありませんでした。ずっと有頂天で、みんな興奮していました。あのシーンが最後に撮影したシーンだったんですが、映画の最後のシーンにもなりました。
カメオ出演はスケジュール調整が困難なため、別々に撮影されることもあるが、このラストシーンの撮影に際してはケイト役のヘイリー・スタインフェルドがロンドン入りして共に撮影を行ったのだという。ヤング・アベンジャーズ結成の第一歩であり、それほどこの場面は重要だったということだろう。
このラストシーンについて、イマン・ヴェラーニは「何か大きなものの一部になったようでした」と話している。これは「君はより大きなユニバースの一部になった」という『アイアンマン』でのニック・フューリーのセリフを引用したカマラのセリフを思わせる発言だ。カマラはケイトをヤング・アベンジャーズに招待したが、他でもないカマラとイマン・ヴェラーニ自身が大きなユニバースの一部になった瞬間でもあったのだ。
『ミズ・マーベル』シーズン2はある?
そうなると気になるのはドラマ『ミズ・マーベル』のシーズン2について。『ミズ・マーベル』のラストは、カマラがミュータントであることが明かされて幕を閉じた。ところが、『マーベルズ』のミッドクレジットシーンでは、モニカ・ランボーがX-MENのいる世界へと飛んで幕を閉じている。
ヤング・アベンジャーズ結成は喜ばしいことではあるのだが、カマラ・カーン自身の物語が続いていくのかどうかも気になる点だ。『マーベルズ』では“魔法のバングル”の正体が“量子バングル”であることも明かされた。
『ミズ・マーベル』では、カマラの曾祖母のアイシャがバングルを二つ揃えて故郷に戻ろうとしていた。『マーベルズ』では、このバングルを二つ使ったダー・ベンがX-MENのいるユニバースへの扉を開いたことから、カマラの曾祖母であるアイシャがミュータントであり、カマラはそのDNAを継いでいると考えられる。このストーリーラインは今後回収されるのだろうか。
前述のインタビューで、カマラを演じたイマン・ヴェラーニは『ミズ・マーベル』シーズン2についても言及している。「『ミズ・マーベル』シーズン2については楽観的ですか?」と問われ、こう答えている。
私は辛抱強いですし、正直に言うとこの映画でカマラが受けている全ての愛がシーズン2を望む声をあげることにつながるのを願っています。私はこの(カマラの)物語を絶対に続けたいですし、カマラと彼女のコミュニティーには語るべき物語がたくさん残されています。ブルーノにもまた会いたいですね。ナキアにも会いたいですし、私自身(カマラ)にも。ですから、シーズン2があったら本当に素晴らしいですし、色々な方向性が考えられます。
『マーベルズ』ではカマラ・カーンを支持する声が多くあがっているが、その声が直接『ミズ・マーベル』シーズン2を望む声へとつながることを願っているという。イマン・ヴェラーニが言うように、『ミズ・マーベル』にはナキアやブルーノ、それにレッド・ダガーにカムランら、個性的で魅力的なキャラクターが揃っている。『ミズ・マーベル』独特の演出や音楽も好評を博した。
ファンからシーズン2を望む声があがれば、『ミズ・マーベル』の新たな物語に出会うことができそうだ。ヤング・アベンジャーズの発展と共に、ミズ・マーベル=カマラ・カーン自身の物語が続いていくことを願おう。
映画『マーベルズ』は2023年11月10日(金)より全国の劇場で公開。
Source
The Hollywood Reporter
『マーベルズ』オリジナル・サウンドトラックは配信中。
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