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地下空洞に広がる新たな勢力との戦い
ようこそ、70周年目の新しい世界へ
「ゴジラ」70周年を飾る記念作品である2024年4月26日(金)に全国劇場公開されるアダム・ウィンガード監督作『ゴジラxコング 新たなる帝国(原題:Godzilla x Kong: The New Empire)』。その予告編第1弾が2023年12月4日(月)に公開された。そこからわかる情報を考察していこう。
予告編の冒頭は、レベッカ・ホール演じるモナークの人類言語学者アイリーン・アンドリューズらしき人物の独白からはじまっている。その内容は『ゴジラVSコング』で重要なキーワードとなった地球空洞説にまつわるものだ。モンスター・ヴァースでは怪獣の起源は地球の地下空洞にあり、それが地上に噴出したのが髑髏島となっている。
人類の文明の大半において、生命は地球の表面にしか存在しないと信じられてきた。私たちは他に何を勘違いしていたのだろう。この世界には私たちの想像を超える秘密がある。(For most of human civilization we believed that life could only exist on the surface of our planet. What else were we wrong about. This world has more secrets that we could possibly imagine.)
そして、地球の地下空洞からの新たな勢力の到来を告げるように、ジム・リーヴスの「Welcome To My World」が流れる。「Welcome To My World」は「奇跡はいつでも起こる(Miracles I guess Still happen now and then)」と歌うとともに、「叩いてごらん、扉は開く(Knock and the door will open)」など『ゴジラVSコング』での描写を思わせる歌詞のある楽曲だ。
『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』ともつながる?怪獣と人類の共同戦線?
『ゴジラxコング 新たなる帝国』ではコングがギザの大ピラミッドの横から穴をあけ、青白い光と共に地底から現れる場面があるが、この場面はApple TV+で配信されている『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』でも見れられた描写だ。この光は『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』ではゴジラクラスの怪獣出現の前兆と解説されている。
また、ここで登場するコングの左腕には重機のような装甲か、拘束具が取り付けられている。これが装甲だった場合、青い目の新怪獣(タイタン)「スカーキング」が人類存亡の危機をもたらす存在として危険視され、コングと共同戦線を張るために取り付けられたものだと考察できる。
しかし、これが拘束具だった場合、コングとスカーキングは近縁種であることからコングも人類存亡の危機をもたらす存在と危険視されてしまっている可能性が高いと考察できる。更に地底空洞の王になったはずのコングが地上に出現していることから、スカーキングが地底をすでに制圧しており、次に地上を制圧しに来る展開も考察できる。
スカーキングはコングがゴジラ族の背びれからつくった斧を装備しているように、巨大な背骨を肩にかけている。これがゴジラ族のものだとすれば、スカーキングもこれまでの作品で描かれてきたゴジラ族と地球の覇権を争ってきた種族ということになる。だが、背骨にはゴジラ族の特徴的な背びれが見当たらないため、コング族を殺害した際のトロフィーの可能性も考察できる。
コングはもう一人じゃない
地下空洞の更に地下世界でコング族と因縁を持つスカーキングと対峙することになったコング。その戦闘力の差は「コングだけでは止められない(Kong can’t stop this on his own.)」と言われるほど大きく開いている。そのとき、「コングはもう一人ではない (He won’t be alone)」という言葉と共に氷山が割れ、赤白い光を目と背びれから発してゴジラが現れるのは憎い演出だ。
『ゴジラVSコング』のリメイク元となった映画『キングコング対ゴジラ』(1962)では、前作『ゴジラの逆襲』(1955)で神子島で雪崩で生き埋めにされたゴジラが、北極海の氷山の中から光を放ちながら目覚めるという演出がなされている。「ゴジラ」シリーズで過去歴代1位の観客動員数の1120万人を誇る『キングコング対ゴジラ』の演出を、2体の対決ではなく助っ人としてオマージュするのは巧みな演出としか言いようがない。
何故、ゴジラの目と背びれが赤白く光っているかなど興味は尽きないが、ゴジラとコングのコンビネーションが見られただけでも大満足の予告編となった。『ゴジラxコング:ザ・ニューエンパイア』の監督であるアダム・ウィンガード監督は、ゴジラとコングのコンビネーションについて米IGNでこのように語っている。
『ゴジラVSコング』が公開され、観客が見始めてすぐに、私は「もうこのゴジラとコングを切り離して考えることはできない」と思いました。ゴジラとコングを1本の映画に登場させるのはエキサイティングすぎます。そして今、『ゴジラxコング:新たなる帝国』ではその関係を継続させるものでなければなりません。
ミニコングの登場
これまで「ゴジラ」シリーズではゴジラ族の子供が幾度となく登場してきた。『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』(1967)で初登場したミニラ、『ゴジラvsメカゴジラ』(1993)で初登場したベビーゴジラ、『ゴジラvsスペースゴジラ』(1994)でベビーゴジラが成長した姿として登場したリトルゴジラ、そして『ゴジラvsデストロイア』(1995)で登場する極めてリトルゴジラが極めてゴジラに近づいた姿のゴジラジュニアがその例だ。
『ゴジラxコング 新たなる帝国』では斧を振り上げ警戒するコングの前に茶色い毛をしたミニコングが現れている。コングは『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)でスカル・クローラーによって両親を殺害されていることが明らかになっており、両親を奪われたコングが同じく両親のいないミニコングを育てる展開になることが考察できる。
しかし、その一方でミニコングの毛色がスカーキングのものに近いのが不安要素だ。予告編ではコング族かスカー族らしきゴリラ型の怪獣(タイタン)の群れが地下空洞にいる様子が描かれており、もしかするとミニコングはその群れからはぐれた個体とも考察できる。敵怪獣の子供を目の前にしたとき、コングは髑髏島の王としてどのような対処をするのだろうか。
また、大量の結晶体が存在していることから『ゴジラxコング 新たなる帝国』の敵怪獣がスペースゴジラの可能性も考察できる。スペースゴジラは『ゴジラvsスペースゴジラ』(1994)で初登場した怪獣で、宇宙に散ったゴジラ細胞がブラックホールに飲み込まれて結晶生命体を取り込み、恒星の爆発の超エネルギーを浴びてホワイトホールから放出される過程で異常進化した怪獣だ。
『ゴジラvsスペースゴジラ』ではスペースゴジラによってリトルゴジラが結晶体に幽閉されたことを受けて、ゴジラがリトルゴジラを救出しに来る展開がある。『ゴジラxコング 新たなる帝国』では『ゴジラvsスペースゴジラ』30周年記念としてそれをオマージュし、地下空洞に結晶体をつくりミニコングを捕えたスペースゴジラからコングとゴジラがミニコングを救出する展開も考察できる。
シートピア海底王国も登場か?
嵐によって既に髑髏島の先住民イーウィス族はコングと心を通わすことができる聴覚障害を抱える少女カイリー・ホットル演じるジア以外、滅び去ってしまったというのがモンスター・ヴァース内での歴史だ。それにも関わらず、ジアが多くの先住民イーウィス族のような人々に囲まれて結晶体の階段を上る場面が登場している。
このことからモンスター・ヴァースには地上以外に文明が存在しているのではないかとも考察できる。『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)のエンドロールでも古代人は怪獣と共生していたと書かれている。そうなると真っ先に上がるのがシートピア海底王国だろう。シートピア海底王国は『ゴジラ対メガロ』(1973)で登場した王国で、守護神としてカブトムシに似た怪獣メガロを有している。また、『ゴジラ対メガロ』は2023年で公開50周年を記念してショートムービーも制作されている
そうだとすれば『ゴジラxコング 新たなる帝国』の新しい帝国とはシートピア海底王国を差している可能性も考察できる。前作『ゴジラVSコング』ではシークレットの敵怪獣としてメカゴジラが登場した前例もあり、予告編で甲殻のようなものが地面に突き刺さる描写があることからシークレットの敵怪獣としてモンスター・ヴァース版メガロの可能性もあり得ない話ではない。
また、『ゴジラ対メガロ』はアメリカでは繰り返し放送されていたため、日本よりも熱心なファンが多いという。そのことも踏まえるとシークレット敵怪獣としてのメガロの可能性という考察の余地が広がってくる。
日本公開はいつになる?
現在、2024年4月12日に全米公開が決定している『ゴジラxコング 新たなる帝国』。日本では2週間遅れの2024年4月26日になることが発表されている。「ゴジラ」イヤーとなる2024年に期待していきたい。
『ゴジラxコング 新たなる帝国』は2024年4月26日(金)より全国劇場公開予定。
Source
IGN
『ゴジラxコング:ザ・ニューエンパイア』公式Instagram
アダム・ウィンガード監督が米IGNに『ゴジラxコング 新たなる帝国』ついて語ったインタビュー記事はこちらから。
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『ゴジラxコング 新たなる帝国』予告編第1弾の考察記事はこちらから。
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