2018年 SF映画興行収入ランキング【1位〜5位】 | VG+ (バゴプラ)

2018年 SF映画興行収入ランキング【1位〜5位】

2018年もSF映画がスゴかった。大作SFが続々と公開され、興行収入ランキングを大いに賑わせた。今回は、2018年に公開されたSF映画の興行収入ランキングをご紹介する。前回は第10位から第6位までをご紹介したが、アメリカではR指定で中国未公開の『デッドプール2』が第6位という大健闘を見せた。トップ5にはどのような波乱が待っているのか、早速結果を見てみよう。

2018年 SF映画 興行収入ランキング (数字は2018年12月20日時点)

第5位 『ヴェノム』

興行収入 8億5,520万ドル(約940億7,200万円)
監督:ルーベン・フレイシャー
配給:ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント
公開日:2018年10月3日(ドイツほか)

下半期公開作品からトップ5に食い込んで来たのは、やはり『ヴェノム』!なんと、「スパイダーマン」関連作品では『スパイダーマン3』(2007)の8億9,100万ドル、『スパイダーマン: ホームカミング』(2017)の8億8,000万ドルに次ぐ歴代3位の数字を残している。更に、製作費はシリーズ最安の1億ドルとなっており、利益率では『スパイダーマン』(2002)の591%を大幅に塗り替える855%という数字を叩き出した。ルーベン・フライシャー監督が指揮を執った同作は、トム・ハーディが一人二役で演じたエディ・ブロックとヴェノムによる“バディもの”として日本でも大人気に。米国以外での興行収入が75%超と、年間トップ5の作品の中ではダントツの海外人気を誇っている。

なお、VG+の年間アクセスランキングでは、ヴィランのドレイク/ライオットを演じたリズ・アーメッドの過去に迫った記事が第6位にランクイン。下半期の話題をかっさらった『ヴェノム』が、興行収入でも堂々の年間トップ5入りとなった。

第4位 『インクレディブル・ファミリー』

興行収入 12億4,250万ドル(約1,366億7,500万円)
監督:ブラッド・バード
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開日:2018年6月14日(世界同時公開)

上半期、たった二週間で6億5,600万ドルを記録し第5位にランクインしていた『インクレディブル・ファミリー』が、夏休みシーズンを経て約二倍となる12億ドル台まで数字を伸ばした。ファミリー層を味方につけ、興行収入は米国内49%、国外51%と、バランスの取れた結果に。前作『Mr.インクレディブル』(2004) 以来、14年ぶりの続編作品だったがブランクを感じさせず、アニメーション作品としては米国内で歴代最大のヒット作となった。監督は前作から引き続き、『アイアン・ジャイアント』(1999)、『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011)、『トゥモローランド』(2015)のブラッド・バード監督。

第3位 『ジュラシック・ワールド/炎の王国』

興行収入 13億490万ドル(約1,435億3,900万円)
監督:J・A・パヨナ
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ
公開日:2018年6月6日(ドイツ他)

上半期からトップ3の座を守り抜いたのは、「ジュラシック・パーク」シリーズ最新作のこの作品。製作総指揮は、自身が監督を務めた新作映画『レディ・プレイヤー1』が第8位にランクインしたスティーヴン・スピルバーグ。監督はスペイン人のJ・A・パヨナが新たなに抜擢された。恐竜映画としては、前作『ジュラシック・ワールド』(2015)に次ぐ歴代2位の興行収入を記録した。上半期では米国外での収益が大きく、遅れてリリースとなった米国内での公開からわずか一週間でトップ3入りを果たしていたが、最終的には海外31.9%、国内68.1%という結果に。第2位の作品まで後一歩というところまで迫ったが、逆転はならなかった。

第2位 『ブラックパンサー』

興行収入 13億4,690万ドル(約1,481億5,900万円)
監督:ライアン・クーグラー
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開日:2018年2月13日(香港他)

2018年、SF映画興行収入ランキング第2位に輝いたのは、MCU初の黒人ヒーロー単独作品として社会現象を巻き起こしたライアン・クーグラー監督の『ブラックパンサー』!全世界での興行収入の内、米国内での収入が52%を占めており、アメリカ社会に与えた衝撃の大きさがうかがえる。もちろん興行記録も立派だが、移民排斥、自国優先主義政策が拡大していく世界へ向けられたメッセージは、とりわけアメリカの人々の胸に突き刺さったようだ。アメリカでの収益は7億ドルを超え、世界第1位の作品を抑え、2018年の国内最高記録となっている。また、単独ヒーロー映画史上最高収益、黒人監督による映画作品としても史上最高額を達成するなど、数々の記録を打ち立てた。

そして、2018年SF映画の王者に輝いたのは、もちろんアノ作品だ……

第1位 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』

興行収入 20億4,870万ドル(約2,253億7,000万円)
監督:ジョー・ルッソ、アンソニー・ルッソ
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開日:2018年4月25日(世界同時公開)

2018年の王者は、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』!歴代映画の中でも興行収入第4位となる記録を打ち立てた。全世界の興行収入が20億ドルを超えた作品は史上4作目で、2015年の『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』以来。2018年は、第2位の『ブラックパンサー』と共にMCUがワンツーフィニッシュを決めた他、トップ10には、『アントマン&ワスプ』、『デッドプール2』、『ヴェノム』と、マーベル原作映画だけで半数を占める結果に。2019年には『キャプテン・マーベル』、『スパイダーマン: ファー・フロム・ホーム』と共に、『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開される。一つの時代の終焉と、新たな時代の幕開けを同時に迎える2019年は、再びMCUの年となるのだろうか。

なお、SFに限らない全映画の興行収入ランキングでも、トップ5の陣容は変わらない。SF映画が圧倒的な強さを見せている。2018年は、SF作家のリンカーン・ミシェルが「オタク文化は帝国側」と発言したことも話題となったが、このランキングの結果がSF映画の現在地を示していると言えるだろう。

『ブレードランナー 2049』、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』、『スパイダーマン ホームカミング』、『猿の惑星:聖戦記』など、老舗タイトルの続編が好成績を収めた2017年に対し、 2018年は『ブラックパンサー』、『ヴェノム』、『ランペイジ 巨獣大乱闘』、『MEG ザ・モンスター』など、長らく実写化が待たれていた作品の活躍も目立った。2019年は、どんなSF映画が世界をかき回してくれるのか、今から楽しみだ。

2018年のSF映画興行収入ランキング
第1位 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
第2位 『ブラックパンサー』
第3位 『ジュラシック・ワールド/炎の王国』
第4位 『インクレディブル・ファミリー』
第5位 『ヴェノム』
第6位 『デッドプール2』
第7位 『アントマン&ワスプ』
第8位 『レディ・プレイヤー1』
第9位 『MEG ザ・モンスター』
第10位 『ランペイジ 巨獣大乱闘』

2018年SF映画興行収入ランキング6〜10位はこちらから

2019年公開予定の注目SF映画はこちらから

Source
Mojo

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