ネタバレ解説『マッドマックス:フュリオサ』ラストの意味は? 『怒りのデス・ロード』につながる? 考察&感想 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説『マッドマックス:フュリオサ』ラストの意味は? 『怒りのデス・ロード』につながる? 考察&感想

©️Warner Bros. Feature Productions Pty Limited, Village Roadshow Films North America Inc., and Ratpac-Dune Entertainment LLC

『マッドマックス:フュリオサ』で描かれる怒りの原点

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)から9年後の2024年、人気キャラクターの警備大隊長フュリオサの前日譚である『マッドマックス:フュリオサ』が公開された。改造車によるカーアクションと派手なスタントの映画と侮ることなかれ。『マッドマックス:フュリオサ』は奇才ジョージ・ミラー監督がフェミニズムをベースに、神話的な物語を描いた作品となっている。

ジョージ・ミラー監督は奇才というだけあって『マッドマックス:フュリオサ』は演出方法も独特で、フュリオサの台詞を30個に絞るなど、目線や行動でフュリオサの人物像を描いてみせている。本記事では奇才が描く物語とラストをネタバレありで解説と考察、感想を述べていこう。なお、本記事は『マッドマックス:フュリオサ』のネタバレを含むため、必ず劇場で本編を視聴してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『マッドマックス:フュリオサ』の内容に関するネタバレを含みます。

『マッドマックス:フュリオサ』の物語は?

「緑の地」

「緑の地」の端で果実を摘んでいたフュリオサは、森の中で奇妙なバイクの男たちと遭遇する。ここで一緒にいるバルキリーという少女は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で鉄馬の女たち〈ババリーニ〉のメンバーとして登場している。その男たちは馬を殺し、その肉を持ち帰ろうとしていた。フュリオサはその男の1人に捕まってしまう。

鉄馬の女たち〈ババリーニ〉のリーダーであり、フュリオサの母親であるマリーが危機を察知する。逃げる男たちを銃撃し、1人、また1人と撃ち殺していくマリーだったが、1人の女性を同じ母親という理由で見逃したことで、バイカー・ホードの支配者であるディメンタスに捕まり、磔にされてしまう。フュリオサが果実を持っていたことで「緑の地」の存在を確信するディメンタスはフュリオサに母親の死を見せつけ、フュリオサはこの日を境に話さなくなった。

この「緑の地」で果実を摘んでいる場面や、楽園から引き離される、磔の拷問はキリスト教を想起させる。「緑の地」で果物を摘むのは、危険だとされていることからアダムとイブの知恵の実を摘む場面をモチーフとしていることが考察できる。ディメンタスは古代ローマの人物がモデルとなっているとのことで、古代ローマ帝国によるキリスト教の迫害をモチーフにしていると考察できる。他にもディメンタスのバイカー・ホードのイメージの源泉にはイナゴの大群があるとジョージ・ミラー監督は語っている。このように『マッドマックス:フュリオサ』にはキリスト教をモチーフにしていると思われる描写が複数見られるので、覚えておくと作品をより一層楽しめると思われる。

支配力が増すディメンタス

フュリオサをリトルDという養子として迎え入れたディメンタスのバイクはRotecの7気筒航空用の119馬力で毎分6500回転エンジンのモンスターバイクから、そのバイクを2台の79馬力で毎分6500回転エンジンを搭載したBMW R18で挟み、手綱で操作する「チャリオット」へと変化する。ディメンタスは前述の通りモチーフに歴史上のローマの人物があり、服装も古代ローマのトガをイメージしたものとなっている。そして「チャリオット」の形をした戦車は古代ローマの印象的な武装であり、キリスト教を迫害していた古代ローマを想起させる。

また、バイクや車の変化は登場人物の精神状況などを表しており、ディメンタスの場合は支配力の増大を示している。一方で時間がいくら流れようとも母親との約束である「必ず故郷の『緑の地』に帰る」を守るため、フュリオサは賢者〈ヒストリーマン〉が自分に彫るために用意していた刺青用の筆を利用して「緑の地」に帰るための星図を左腕に彫る。

イモータン・ジョー、登場

取り残されたウォー・ボーイズから、水と緑に満ちたウェイストランドの大地に聳える3峰並んだ岩山の砦〈シタデル〉の存在を知ったディメンタスは砦〈シタデル〉に攻撃を仕掛ける。しかし、目配せするだけで自ら命を投げ打つ972人のウォー・ボーイズの前にバイカー・ホードは敗戦。何とかトロイの木馬作戦でガスタウンを占拠することに成功したディメンタスは、イモータン・ジョーと同盟を結ぶのだった。

取引としてイモータン・ジョーの子産み女たちが閉じ込められている金庫に送られるフュリオサ。そこで健康体の男児を出産できなければ、ミルキング・マザーとして母乳を搾取されるだけの存在になることを知ったフュリオサは、脱走する計画を立てる。その計画とは髪をすべて剃り、口のきけない十代の少年のふりをすることだった。

ここで子産み女にされることと生き残るために声を奪われるというのは、現代の女性の置かれている状況を描いていると考察できる。イモータン・ジョーとは究極の家父長制の体現者であり、男根主義の象徴だ。そこで生き残り、そして『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でイモータン・ジョーの妻たちであるワイブズを逃がす警備大隊長フュリオサに成長するまでの物語が『マッドマックス:フュリオサ』であり、そこにフェミニズムがベースとして組み込まれている。

警備隊長フュリオサ

作業の腕が認められたフュリオサはガスタウンや弾薬畑〈バレットファーム〉と物資を運搬する最強のトラック「ウォー・タンク」の製造に携わることになる。そこで警備隊長のジャックの指揮下で物資運搬に参加するフュリオサは、ディメンタスから離反した襲撃者によって襲われる。ここでディメンタスが支配力とカリスマ性を失いつつあることが考察できる。そこで生き残ったジャックとフュリオサだったが、ジャックに女性であることが知られてしまう。しかし、ジャックはフュリオサを認めており、彼女を副官に起用した後、共に警備隊長となるほど信頼し合う。

警備隊長はプラエトリアニとも呼ばれており、ローマ帝国において皇帝を守るために組織された直属の精鋭部隊を意味する。そのため、フュリオサたちを迫害する古代ローマ帝国という構図が、フュリオサとイモータン・ジョーの間にも存在していることが考察できる。

ディメンタスの支配力はじわじわと低下していき、ガスタウンは崩壊してしまう。それを危惧したイモータン・ジョーはガスタウンの攻撃を命令し、弾薬畑〈バレットファーム〉から弾薬をかき集めるように命令する。この時点でジャックはフュリオサの脱出を計画しており、改造車「バリアント」にバイクと食糧、水を積み、「ウォー・タンク」の操縦からフュリオサを外していた。

『マッドマックス:フュリオサ』のラストは?

ディメンタスとの戦い

しかし、辿り着いた弾薬畑〈バレットファーム〉には誰もいない。野良犬が人間の脚を咥えているのを見て、ジャックはすべてを察して弾薬畑〈バレットファーム〉からの脱出を試みるがもう遅かった。弾薬畑〈バレットファーム〉はすでにディメンタスの手中に落ちており、弾薬を回収しにくる「ウォー・タンク」を襲撃しようとしていたのだ。何とかジャックとフュリオサは脱出することに成功するが、ディメンタスは弾薬畑〈バレットファーム〉が破壊されたことに怒り狂いモンスタートラック「シックス・フット」で追いかけて来る。

「シックス・フット」からの逃亡劇で腕をタイヤの間に挟まれてしまい、千切れかけてしまうフュリオサ。「シックス・フット」の追跡からは逃れられず、ジャックはバイクで引き回しの末に犬に食い殺され、フュリオサは千切れかけた腕で吊るされる。時間をかけて拷問の末にジャックを殺害するディメンタスだったが、その隙にフュリオサは腕を引き千切って脱出していた。このとき星図を記した左腕を千切ってしまったため、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で「緑の地」の場所を誤認した可能性が考察できる。

砦〈シタデル〉に帰るフュリオサを見つめる男が描写され、その横に改造車のV8インターセプターが駐車されている。V8インターセプターを愛車にしているこの男は「マッドマックス」シリーズの主人公であるロードウォーリアーことマクシミリアン・ “マックス”・ロカタンスキーだと考察できる。フュリオサが蛆虫の採集場の穴倉まで引きずられていたことから、マックスがフュリオサを助けた可能性が高い。そうだとすれば、マックスは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でフュリオサと出会った際に左腕が義手の戦士の存在を認識していた可能性が考察できる。

荒れたはてた地の40日戦争

フュリオサは這う這うの体で砦〈シタデル〉に戻ると、ディメンタスによって弾薬畑〈バレットファーム〉が占拠されたことをイモータン・ジョーに報告し、ガスタウンが爆発しているように見せかけて防御が手薄になった隙に砦〈シタデル〉を襲撃しにくると進言する。イモータン・ジョーは血気盛んな息子たちや人食い男爵、武器将軍の意見よりもフュリオサの意見を取り、ガスタウンにウォー・ボーイズが向うように見せかけ、ディメンタスとの全面戦争を始める。

これによってディメンタスのバイカー・ホードと、イモータン・ジョーのウォー・ボーイズの荒れはてた地の40日戦争がはじまった。荒野の40日はキリスト教で重要な物語の一つであり、聖書にもイエス・キリストが40日の間、荒野で過ごして悪魔の誘惑に打ち勝ったという「荒野の誘惑」という物語が存在している。

フュリオサは再びすべての髪を刈り上げ、金属製の義手を制作する。そして『マッドマックス 怒りのデス・ロード』での警備大隊長フュリオサの姿に変わると、荒野へと向った。フュリオサが到着した頃にはディメンタスは敗走しており、ウォー・ボーイズたちは改造車「クランキー・ブラック」を仕上げ、追跡しようと躍起になっていた。その「クランキー・ブラック」を奪ったフュリオサはディメンタスを追う。このとき、賢者〈ヒストリーマン〉がフュリオサを暗黒の天使、『ヨハネの黙示録』の第五の騎士と例えていることから『マッドマックス:フュリオサ』の根底にキリスト教があると考察できる(実際の『ヨハネの黙示録』には第四の騎士までしか存在していない)。

ディメンタスは部下と別れて逃げるが、どれが本物かをフュリオサは見破る。その中の1人を殺害したのは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で「緑の地」に繋がる渓谷を縄張りにしていたモトクロス集団のイワオニ族であり、イワオニ族とフュリオサはイモータン・ジョーの妻であり子産み女にされているワイブズを逃がす際に取引をしていたため、ここで関係性を持ったと考察できる。

フュリオサはディメンタスを嬲るように追い詰め、捕獲する。フュリオサはディメンタスに自分のことを覚えているのかと聞き、曖昧な記憶のディメンタスにフュリオサは激怒した。この「自分のことを覚えているのか(Remember me?)」という台詞は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でフュリオサがイモータン・ジョーに尋ねた台詞でもあり、セルフオマージュだと考察できる。

それでもディメンタスは自分を殺しても母親のマリーや悲惨の幼少期は戻らないと嘲笑し、復讐を果たしたら自分と同じになると語る。この死に際でも話し続けるディメンタスと話さないフュリオサの対比は、マンスプレイニング(男性が見下したような、自信過剰や不正確、過度に単純化された方法で女性や子どもに何かについてコメントする、または説明したりすること)を象徴するものだと考察できる。その言葉で涙を流すフュリオサにはまだ甘さがあり、それを断ち切ってディメンタスを砦〈シタデル〉に連れ去る。その後、ディメンタスをどう殺したのかは謎のままだった。それはフュリオサを畏怖の対象にするのには十分で、撃ち殺した以外にも様々な殺害方法を行なったと噂されていたことが賢者〈ヒストリーマン〉の口から明かになっている。

ディメンタスの首を取ったことでフュリオサ荒れはてた地の40日戦争を終わらせた英雄となり、警備大隊長に昇進したのだろう。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でフュリオサが警備大隊長になった経緯がここで明かされることになった。そこから月日は更に流れる。賢者〈ヒストリーマン〉は、本当はディメンタスが生きていることを知っていた。フュリオサはジャックと密会していた場所でディメンタスを生かしたまま、隠し続けていた果実の種の苗床にすることで、復讐を果たしていたのだ。母親のマリーが「守って『緑の地』に帰ってきて」と言って託した種とその果実は次の世代へと受け継がれ、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で砦〈シタデル〉から逃亡する5人のワイブズへと手渡されるのだった。

これが知恵の実を象徴しているとすれば、砦〈シタデル〉という偽りの楽園から脱出するイブこそ、ワイブズであり、彼女たちに外の世界があるという知恵を授ける存在がフュリオサだと考察できる。そして、ワイブズたちは新しい「ウォー・タンク」に隠れて乗るのだった。

ミッドクレジット&ポストクレジットの意味は?

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』へと繋がる物語に

『マッドマックス:フュリオサ』のミッドクレジットでは、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の名場面が差し込まれ、フュリオサがワイブズを連れて緑の地に帰ることが明かになる。しかし、その未来は明るいものではない。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』では酸性土壌汚染によって「緑の地」は荒廃し、「不気味な地」となってしまっている。

シャーリーズ・セロン演じる慟哭するフュリオサの場面が印象的だ。拷問の末に殺された母親との約束だった「何があっても故郷に帰ること」がこのような形で果たされると考えると、慟哭するのも無理はない。そして、ロードウォーリアーやニュークスの力を借り、フュリオサは砦〈シタデル〉を奪い、新たな「緑の地」を築くのである。

このミッドクレジットは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に繋がることを提示するだけではなく、何故フュリオサが「緑の地」に固執していたのかがよくわかるものとなっていた。フュリオサがワイブズを連れて逃げるまでの前日譚である映画としては完璧なミッドクレジットだったと言える。

ボブルヘッドの意味は?

ポストクレジットでは鳥の頭蓋骨のボブルヘッドが登場して終わる。これは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でニュークスが運転していた車のフロントに飾られていたものだ。そのことから、このボブルヘッドはニュークスとマックスの存在を示唆するものだと考察できる。

マックスは片腕を失ったフュリオサを見つめる後ろ姿という形で、『マッドマックス:フュリオサ』に登場している。それと同じく、このボブルヘッドはマックスの存在を匂わせる程度に描写していると考えられる。

輸血袋になる前のマックスは映像化されておらず、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で何故幻覚や幻聴を見ていたのかは前日譚のコミックを読むしかない。もしかすると、このボブルヘッドはマックスが幻覚や幻聴を見るきっかけとなった事件を映像化するということなのかもしれない。しかし、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が映像化されるまでに前作から30年近くの時間を有し、『マッドマックス:フュリオサ』の映像化も9年の歳月を要した。そのため、すぐにはマックスの過去編は映画化されないかもしれない。

『マッドマックス:フュリオサ』ネタバレ考察&感想

究極の女性ヒーロー“フュリオサ”

『マッドマックス:フュリオサ』は現実社会での女性から声が奪われていることを、女性だと知られると生きてはいけないフュリオサの境遇を通じて描いていると考察できる。ディメンタスは有害な男性性の象徴であり、イモータン・ジョーは究極の家父長制と男根主義の体現者だ。そこでフュリオサが生き残るために声を出さず、髪も刈り上げて隠すなどいわゆる女性的とされる要素をそぎ落としているのが生々しく描かれている。

『マッドマックス:フュリオサ』は物語よりもカーアクション主体のアクション映画という評価を受けていることもあるが、フュリオサが抱える怒りを爆発させるからこそ、『マッドマックス:フュリオサ』にはメッセージが詰まっており、一部で言われているような単なるアクション映画というのは誤りである。フュリオサはディメンタスやイモータン・ジョーと対になる女性のヒーローである。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』以降、「マッドマックス」シリーズには様々なフェミニズムの形を象徴した人物が登場する。その例の一つが子産み女ことイモータン・ジョーの妻であるワイブズの面倒を見ていた老婆のミス・ギディであり、彼女はワイブズを逃がす手助けをした。

しかし、『マッドマックス:フュリオサ』は女性すべてがフュリオサのような存在になれと強いる映画ではない。そうではない女性たちの表象としてワイブズが描かれ、フュリオサはワイブズを守る防波堤のような存在なのである。鉄馬の女たち〈ババリーニ〉は、女性たちを支配しようとするイモータン・ジョーなどに対して立ち向かう存在という側面が強く、『マッドマックス:フュリオサ』の観客に立ち上がる勇気をくれる存在である。

ジャパンプレミアでは、『マッドマックス:フュリオサ』は様々な人が抱える怒りを代わりに爆発させてくれる映画となっている旨をフュリオサの吹替声優のファイルーズあいが語った。苦難の中でも立ち上がるフュリオサや鉄馬の女たち〈ババリーニ〉から、ウェイストランドでは強くなければ生き残れなかったことが考察できる。しかし、そうではなくても生き残れるようにフュリオサが追い求めた先が『マッドマックス 怒りのデス・ロード』でのワイブズたちの脱走に繋がるとも考察できる。また、本来の性別をかくして生きていくフュリオサの姿はトランスジェンダーやクィアの人々を表象していると考えることもできる。

神話としての“フュリオサ”

『マッドマックス:フュリオサ』は知恵の果実や楽園、荒野の40日など聖書からインスパイアされたと思われる描写が多い。『マッドマックス:フュリオサ』では、フュリオサは神話的な存在として描かれ、それによって「緑の地」の少女から砦〈シタデル〉の警備大隊長(インペラートル、大将軍などを意味する古代ローマの軍隊指揮者)のフュリオサへと成長する物語が賢者〈ヒストリーマン〉の口から語られる映画となっている。

賢者〈ヒストリーマン〉の口から神話的な英雄としてキャラクターを語る手法は、「マッドマックス」シリーズの中でも名作と名高い『マッドマックス2』(1981)でも取られたものである。『マッドマックス2』はジョゼフ・キャンベルの『千の顔を持つ英雄』(1949)を参考にしており、貴種流離譚(本来は高い身分の者が不幸な境遇に置かれ、そこで冒険などを通して正義を果たすという英雄譚、もしくはヒーローズ・ジャーニーの総称)などといった神話の要素が混ぜこまれている。

『マッドマックス:フュリオサ』は章ごとに分けられており、正しく神話の英雄譚のように描かれている。ただ、『マッドマックス2』と違う点は英雄が完成していないという点である。『マッドマックス2』は貴種流離譚の英雄としてマクシミリアン・ “マックス”・ロカタンスキーがロードウォーリアーとして完成している。

それに対して『マッドマックス:フュリオサ』は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のシャーリーズ・セロンが演じるフュリオサで完成する英雄であり、『マッドマックス:フュリオサ』のラストシーンでこの物語が『マッドマックス 怒りのデス・ロード』に繋がることが提示されて終わる。それを示すように前述の通りエンドクレジットでは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で登場した鳥の頭蓋骨のボブルヘッドが登場しており、『マッドマックス:フュリオサ』と『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が地続きの物語である描写が差し込まれている。

神話的な描写で究極の女性ヒーローを描いて見せた奇才ジョージ・ミラー監督作『マッドマックス:フュリオサ』。この物語は 原題では「マッドマックス・サーガ」と銘打たれており、「マッドマックス」シリーズが更なる広がりを見せる可能性を秘めていることを示唆している。荒廃した世界で人間は如何にして倫理を保ち、正義の心を守れるのか。続編制作にも期待したい。

『マッドマックス:フュリオサ』は2024年5月31日(金)より全国劇場公開。

『マッドマックス:フュリオサ』公式サイト

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『マッドマックス:フュリオサ』の続編についての考察と解説はこちらから。

映画『マッドマックス:フュリオサ』のラストについての解説&考察はこちらの記事で。

『マッドマックス:フュリオサ』でメガホンを取ったジョージ・ミラー監督はMCU映画『ソー5』にも興味を示している。詳しくはこちらから。

『マッドマックス:フュリオサ』にはAIも用いられている。詳しくはこちらから。

エドガー・ライト監督は『マッドマックス:フュリオサ』を絶賛している。詳しくはこちらから。

ジョージ・ミラー監督は『マッドマックス:フュリオサ』には中毒性があると語っている。詳しくはこちらから。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のキャスト・吹き替え声優まとめはこちらから

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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