マーベル・スタジオが方針変更、『エコー』好調でMCUはストリートレベルのヒーローに注力か | VG+ (バゴプラ)

マーベル・スタジオが方針変更、『エコー』好調でMCUはストリートレベルのヒーローに注力か

© 2024 Marvel

ドラマ『エコー』好調で方針に変化

2024年のMCUの先陣を切ったドラマ『エコー』は1月10日(水) より配信を開始し、好調な数字を記録しているようだ。米Hollywood Reporterの報道によると、ドラマ『エコー』は好調なオープニングを記録し、米国で配信されたディズニープラスとHuluの双方のランキングで1位を獲得したという。

スーパーヒーローものの映像作品は最近では下降トレンドに入っているが、『エコー』はそれに反する結果を残している。この結果を受け、マーベル・スタジオはストリートレベルで戦うヒーローたちに焦点を当てて、この勢いを維持する方針とされている。

ドラマ『エコー』は同作の数字が好調だっただけでなく、他作品の視聴数にも影響を与えた。『エコー』の配信後、ドラマ『ホークアイ』(2021) はもちろん、ABC製作の『デアデビル』(2015-2018)、『パニッシャー』(2017-2019)のシーズン1とシーズン2の視聴数も大幅に増加したという。いずれもストリートレベルで戦うヒーローたちであり、魔法のようなスーパーパワーを扱うスーパーヒーロー作品とは異なる地に足のついた作品だ。

マーベル・スタジオからは、ドラマ『エコー』の配信に伴い、「ディフェンダーズ・サーガ」と呼ばれる『デアデビル』を中心としたABC製作の作品群に関連するニュースが聞こえてきている。『エコー』にも登場したキングピンことウィルソン・フィスクを演じるヴィンセント・ドノフリオが『デアデビル』シーズン1〜3がMCUの正史に加わったと発言したり、2025年春配信の『デアデビル:ボーン・アゲイン』には旧作に登場したフォギー・ネルソン役エルデン・ヘンソンとカレン・ペイジ役デボラ・アン・ウォールが再出演することが報じられたりしている。

以前には『デアデビル:ボーン・アゲイン』でジョン・バーンサルがパニッシャーことフランク・キャッスル役を再演することも報じられており、「ディフェンダーズ・サーガ」で紹介されたストリートのヒーローたちがMCUドラマに続々と集結しようとしている。今回の報道によると、マーベル・スタジオはエコーことマヤ・ロペスの物語を拡張していくことにも関心を持っており、ストリートレベルのヒーローたちの物語を作る出すための新しいアイデアに既に取り掛かっているという。

ドラマ『エコー』では、その最後にキングピンことウィルソン・フィスクの政治家転向が示唆された。マーベルヒーローたちの新たな脅威となる可能性は高く、フェーズ4以降の大ヴィランとされていた征服者カーン役のジョナサン・メジャースが契約解除となった今、MCUは時空を超えた大きな物語から路上を舞台にした小さな物語に焦点を合わせていくことになるかもしれない。

報道によると、2023年のハリウッドでの大規模ストライキ中にマーベル幹部が『デアデビル:ボーン・アゲイン』の映像を見直した結果、クリエティブ面の方針を変更することになったとされている。その話し合いのために、ドラマ『パニッシャー』の脚本家ダリオ・スカルダパンと、ドラマ『ロキ』シーズン2の監督を務めたジャスティン・ベンソンとアーロン・ムーアヘッドが招集されたという。

直近のドラマシリーズで最も高い評価を得た『ロキ』シーズン2は、マルチバース・サーガを代表するような、より大きな物語を包括する作品だった。そのジャスティン・ベンソンとアーロン・ムーアヘッドは、『パニッシャー』の脚本を手がけたダリオ・スカルダパンと共に『デアデビル:ボーン・アゲイン』のショーランナーに起用されている。マーベル・スタジオがストリートレベルの物語を拡大する理由には、VFXを多用しないため制作コストが割安になるという背景もあるという。

マーベル・スタジオは2024年からMCUの立て直しに取り掛かっている。2024年公開予定の映画は『デッドプール3(原題)』のみとなっており、当面はドラマシリーズのテコ入れに力を注ぐ方針と見られる。マルチバースの物語とストリートの物語の間でどのようにバランスを取っていくのか、注目したいところだ。

なお、『デアデビル:ボーン・アゲイン(原題)』は米時間1月22日(月)からストライキで中断されていた撮影が再開される。2025年春配信予定の同作にも期待しよう。

ドラマ『エコー』は全5話がディズニープラスで配信中。

ドラマ『エコー』(Disney+)

Source
Hollywood Reporter

ドラマ『エコー』の製作費が明らかになり、MCUに低予算化の流れが生まれつつある。詳しくはこちらの記事で。

『エコー』のストーリーが今後のMCUに与える影響についての考察はこちらから。

【ネタバレ注意】ドラマ『エコー』最終話第5話のネタバレ解説&考察はこちらから。

【ネタバレ注意】第1話のネタバレ解説&考察はこちらから。

【ネタバレ注意】ドラマ『ホークアイ』最終話のネタバレ解説はこちらの記事で。

 

【ネタバレ注意】ドラマ『ロキ』シーズン2最終話のネタバレ解説はこちらから。

【ネタバレ注意】映画『マーベルズ』のラストからポストクレジットシーンまでの解説&考察はこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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