第7話ネタバレ感想&解説!!『機動戦士ガンダム 水星の魔女』~新会社「ガンダム」設立!~ | VG+ (バゴプラ)

第7話ネタバレ感想&解説!!『機動戦士ガンダム 水星の魔女』~新会社「ガンダム」設立!~

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『機動戦士ガンダム 水星の魔女』放送中

2022年10月2日(日)より放送を開始した『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。第7話「シャル・ウィ・ガンダム?」では、事前にアナウンスされていた通りの新展開となった。新会社「ガンダム」の設立によって、”戦場”は生徒同士の「学園」から大人と対等に渡り合う「ビジネス」のシーンへと移っていくのだろうか。それでは、ネタバレありで早速第7話を振り返っていこう。

第7話 シャル・ウィ・ガンダム?

YOASOBIデミトレーナー登場

「インキュベーション」と呼ばれる新規事業の資金集めパーティに参加したミオリネとスレッタ。そこに展示されていた数々のモビルスーツの中に、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』OP曲を歌うYOASOBIとコラボしたデミトレーナーの姿が。これはOP曲『祝福』の完全生産限定盤CDの付録としてデザインされたものだが、ガンプラのみならず本編への登場を果たしたことで多くのファンが沸いたことだろう。

ミオリネとプロスペラの邂逅

インキュベーション会場を歩くスレッタとミオリネの前にプロスペラが現れる。これまでも電話越しに話すシーンはあったが、仮面を着けたプロスペラとスレッタが直接対面するシーンは意外にもこれが初ではないだろうか。だが、ミオリネとプロスペラは第2話の時点で対面している。「クソ親父」と啖呵を切ったミオリネを褒める素振りで、その言葉の端々は何やら刺々しい。ミオリネも明確にプロスペラの悪意は感じ取っており、「花婿」の親に対してどう接して良いか困惑していた。

確かにいくら啖呵を切ろうとも、プロスペラの言うように今のミオリネの地位や他者から向けられる敬意は「クソ親父」たるデリングによって与えられたものであることは事実だ。自らその地位を手放す覚悟を決めない限り、所詮は子供らしい「反抗期」として大人には軽くあしらわれてしまうだろう。

しかし、同じくデリングを「敵」と見做すならば、プロスペラはミオリネを懐柔して利用することも出来た筈だ。それを初対面に近い状態であからさまに敵意を見せ付けるということは、プロスペラにとってミオリネは利用価値すら認められない単なる子供だということだろうか。あるいは、そのようにしてミオリネを煽ることで自らの「復讐」に利用しようとしているのだろうか。

エアリアルは「ガンダム」

ペイル社の4人のCEOとグラスレー社CEOサリウスの共謀により、ホルダーとして舞台に立たされたスレッタはエアリアルが「ガンダム」であるとの誘導尋問を受けてしまう。ガンドフォーマットを搭載した「ガンダム」であるファラクトと”共振”したということはエアリアルもガンダムだということになる。

ペイル社としてはファラクトを廃棄処分にして開発部門を解体することと引き替えにエアリアルも同様に廃棄させようとした。そこで、ミオリネはエアリアルとスレッタを守るべく突如壇上に上がり、シン・セーとペイル社の開発部門を買い取り新会社「ガンダム」を設立するとブチ上げる。その為の資金援助を呼び掛けるが、しかし現実はそう甘くない。デリングからも「どんな大言壮語を吐こうとも、それを裏付ける信用がお前にはない」と切り捨てられる。

だが、そこでおめおめと逃げ帰りはしないのがミオリネだ。プロスペラの言葉が脳裏を過ぎる中、ミオリネは自分の意地を捨ててデリングに頭を下げて援助を頼み込む。「逃げるなよ」と言ってデリングが援助した3%の資金を皮切りに場の空気が変わっていき、結果75%の最低ラインをクリアし新会社「ガンダム」設立の見通しが立った。場外に漏れ伝わったミオリネの言葉からは「ガンダム」の会社形態はどうやら株式会社となるようだ。ひとまずは一件落着。しかし、これまでエアリアルをガンダムではないと聞かされてきたスレッタの問いに、プラスペラは「エアリアルは、ガンダムなの」とこともなげに答える。

これまで以上に「ガンダム」という名前にメタ的な意味が与えられている『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。「ガンダム」というモビルスーツが禁忌とされている為に劇中ではこれまでスレッタらはエアリアルを「ガンダムではない」と主張してこなければならなかったが、ミオリネの新会社「ガンダム」の設立が認められたことで今後は「ガンダム」の名を堂々と名乗れるようになるようだ。

勿論、会社としての「ガンダム」を認めてくれというミオリネの訴えは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』という新たなアプローチを試みる作品を「ガンダム」として認めてくれという製作陣のメッセージでもあるだろう。

第7話感想

それでは、ここからは第7話の感想を述べていきたい。それにしてもデリングは一体何を考えているのだろうか。目的が分からずひたすら強権的に振る舞う父親像ということで言えば『新世紀エヴァンゲリオン』の碇ゲンドウを彷彿させるが、ゲンドウとは違いミオリネの真摯な訴えに多少は耳を貸したところを見るとただ娘を自分の道具として使おうとばかり思っている訳でもなく、成長を促す為に試練を与える「良き父親」としての面も備えているかのように見える。

今回、プロスペラとミオリネの会話により「21年前の事件」というのは「ヴァナディース事変」のことだと明らかになった。ということは、スレッタと「PROLOGUE」に登場したエリクト・サマヤは別人と見て間違いないだろう。当時4歳のエリクトがスレッタの姉なのだとしたら、彼女は今どこで何をしているのだろうか。

そしてヴァナディース事変を武力鎮圧する程に強硬に「ガンダム」を排除しようとしていたデリングが今回何故ミオリネの訴えに耳を貸し「ガンダム」を認めたのかも気になる。彼のかつての主張は「パイロットの命さえ奪うガンダムの兵器としての不純さ」ということであり、純粋に敵を殺すだけの兵器や戦争についてはむしろ肯定する立場だった。

しかも限られた資源を奪い合う戦いを消極的に認めるというより、戦うことそれ自体の価値を思想的に肯定していた。その彼がガンダムを認めるというのは、単純な娘に対する親心以上の思惑がある気がしないでもない。プロスペラに接触しようとするジェターク社は現在ガンダムを保有していないが、接触の目的はガンダム技術の提供なのだろうか。今回は意地を捨てることで新会社「ガンダム」設立という実を取ったミオリネだが、実際には反目する父親に頭を下げることでその父親の威を借りたに過ぎない

彼女自身の能力で支援者を納得させたということではないのだから、状況は何も変わっていないとも言える。ミオリネの正念場は「ガンダム」の経営者となるこれからだ。果たして彼女は父親に、世界に、自分を認めさせることができるだろうか。

そしてスレッタも、エアリアルが「ガンダム」だと母の口から明かされたことでこれまで自分が信じてきた、信じ込まされてきた世界の基盤が揺らぐような衝撃を受けた筈だ。エアリアルがガンダムならば、それを動かしている自分もやがて身体負荷によって死に至るのではないか? プロスペラは母でありながら、娘にそんな危険なことをさせて平気なのか? そんな疑問と葛藤がこれからの物語を動かしていくだろう。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は、毎週日曜午後5時~MBS/TBS系全国28局ネットにて放送中。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』公式サイト

Amazonプライムビデオ他でも配信中。

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第8話のネタバレ感想はこちらから。

第6話までの振り返りと用語解説はこちらから。

第1話のネタバレ感想はこちらから。

第2話のネタバレ感想はこちらから。

第3話のネタバレ感想はこちらから。

第4話のネタバレ感想はこちらから。

第5話のネタバレ感想はこちらから。

第6話のネタバレ感想はこちらから。

腐ってもみかん

普段は自転車で料理を運んで生計を立てる文字通りの自転車操業生活。けれど真の顔は……という冒頭から始まる変身ヒーローになりたい。文学賞獲ったらなれるかな? ラップしたり小説書いたりしてます。文章書くのは得意じゃないけどそれしかできません。明日はどっちだ!
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