第4話ネタバレ感想&解説!!『機動戦士ガンダム 水星の魔女』~チュチュパンチ炸裂!~ | VG+ (バゴプラ)

第4話ネタバレ感想&解説!!『機動戦士ガンダム 水星の魔女』~チュチュパンチ炸裂!~

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『機動戦士ガンダム 水星の魔女』放送中

2022年10月2日(日)より放送を開始した『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。第4話「みえない地雷」では、学園を舞台とする作品らしく主人公のスレッタが‟実習”を受ける様子が描かれた。訓練用MS「デミトレーナー」に乗り、カメラの視覚映像と地中レーダーのみを用いて模擬地雷を避けるというものだ。それでは、ネタバレありで早速第4話を振り返っていこう。

チュチュパンチ、炸裂

キャラ設定の公開時からその特徴的な髪型でネットを賑わせてきたチュチュ。3話までは目立った動きはなかったが、今回は大活躍だった。「デミトレーナー チュチュ専用機」に乗り参加した実習を妨害され、チュチュは追試を受ける羽目になる。地球生まれのアーシアンである自分を差別するスペーシアンの生徒によってデミトレーナーのメインカメラに「遅効性遮蔽スプレー」を吹き掛けられ視界を奪われてしまったのだ。

その後、スレッタが同様の嫌がらせをされた様子を見てチュチュの怒りが爆発する。デミトレーナーを降りたチュチュは嫌がらせの犯人である二人の女生徒に近付くと、無言で拳を一発見舞う。チュチュの拳を顔面に受けた女生徒はその場に倒れ込む。この際、一瞬頭が揺り戻される描写がリアルだ。

もう一人の反撃を受けながらも果敢に立ち向かうチュチュ。仲介するスレッタも女生徒の拳を顔面に食らってしまうが、最後は再び女生徒の顔面にチュチュの右ストレートが叩き込まれる。MSの戦闘描写顔負けのアクションシーンだった。

結果的にはスペーシアンとして毛嫌いしていたスレッタとも多少打ち解け、これからの進展に期待できる。公式サイトの紹介ページでは「デミトレーナー チュチュ専用機」には実習には似つかわしくない長大なライフル装備が描かれている。今後、実戦でスレッタと共に戦う際に使うのだろうか。

第3話ラストで決闘の敗北からの衝撃のプロポーズをしたグエルもミオリネに頭を下げることで一本筋の通ったところを見せつつ、スレッタには「クシャクシャ頭の田舎者に俺が惚れると思ったか」と以前の強硬な態度で接していた。ミオリネは言うに及ばず、周りを「素直になれないが自分を放っておけない」ツンデレキャラに囲まれてしまうのはスレッタの天然人たらしのなせる業だろうか。

ところで、ガンダム作品にはこれまでにも印象的な「パンチ」シーンが度々登場した。古くは初代『機動戦士ガンダム』(1979~1980)第9話「翔べ!ガンダム」において出撃を拒むアムロを艦長であるブライトが殴り飛ばすシーンだ。言わずと知れた「殴ったね…!親父にもぶたれたことないのに!!」の名台詞が登場するエピソードだ。

続編である『機動戦士Zガンダム』(1985~1986)の主人公であるカミーユ・ビダンは殴られる方ではなく殴る方だ。勿論殴られることもあるが、第1話でティターンズ軍人であるジェリドに「女の名前なのに、なんだ男か」と嘲られたことにブチ切れていきなり殴り掛かった。これを皮切りに、前作『機動戦士ガンダム』の人気キャラクター「シャア・アズナブル」が身分を偽り「クワトロ・バジーナ」と名乗っていることを卑怯だと感じ「そんな大人、修正してやる!」と上官であるにも拘らず殴り飛ばすなどとにかく手が早い強烈なキャラクターとして印象深い。

他、『新機動戦記ガンダムW EndlessWaltz』で主人公のヒイロが敵に包囲された管制室から脱出する際に仲間のデュオに「俺を殴れ」と殴らせた後でカウンターとして腹に一発お見舞いしたシーンも忘れ難い。

徐々に明るみになる政治状況

「チュチュパンチ」と同様、ガンダム作品と切っても切れない関係にあるのが政治描写だ。これまで『機動戦士ガンダム 水星の魔女』では舞台である学園における決闘、あるいは学園を運営する企業「ベネリットグループ」内の覇権争いなどが「対立」の要素として描かれてきたが、それらが物語の主軸となる対立構造だとするにはやや物足りないようにも思われた。

今回、アーシアンのデモ隊が「我々地球居住民は、宇宙事業の度に一世紀近く税金を、労働を捧げてきた」と語るがジェターク社の実戦用MSである「ディランザ・ソル」を始めとするMS小隊によって鎮圧されてしまう描写がある。ニュースを伝えるアナウンサーによればこれは「企業行政法に基づく不法占拠の執行」とのことだ。「企業行政法」の内実は不明ながら、ここからは企業が極めて強大な権力を握っていることが窺える。

ニュースを見た地球寮に所属するオジェロは「アーシアンの工場をアーシアンが使って何が悪いんだよ」と言う。『機動戦士ガンダム 水星の魔女』では、初代『機動戦士ガンダム』が「宇宙移民による地球政府への独立戦争」を描いたのとは反対に、地球人であるアーシアンの方が相対的な弱者として設定されているようだ。

果たして、劇中には『機動戦士ガンダム』における「地球連邦政府」のような地球側で統一された政府というのは存在するのだろうか。現状では最も「権力」を持っているのはベネリットグループであるように見受けられるが、すべての企業がベネリットグループに参加している訳でもないだろう。あるいはベネリットグループと対立する別の企業体が存在することも考えられる。

アーシアンとスペーシアンとの対立が、企業間の抗争を通じて描かれるのか、それともより大きな政府や軍隊を通して従来のガンダム同様「戦争」規模のものとして描かれていくのかにも注目していきたい。

これまで具体的に言及されてこなかったスレッタの目的も明かされた。それは「水星に学校を作ること」だ。その為にスレッタはアスティカシア高等専門学園へとやって来た。しかし、ガンダムエアリアルの性能は学園規模の決闘に用いるにしては明らかに過剰だ。スレッタ本人の思いとは裏腹に、スレッタを学園へと送り込んだ母プロスペラには夫を始め殺された仲間たちの復讐という思惑もあるようだ。

同じスペーシアンの中でも水星出身ということで「田舎者」扱いされたスレッタは自分にシンパシーを感じてくれたニカらの誘いに乗り地球寮への所属を決める。スペーシアンとアーシアンの対立の中で、いわば両者の狭間の存在として水星出身であることが活きてくるのだろうか。そして、今後予想される戦いの中でスレッタが「魔女」として覚醒する日は来るのか。これからの展開も楽しみにしていきたい。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は、2022年10月2日(日)より、毎週日曜午後5時~MBS/TBS系全国28局ネットにて放送中。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』公式サイト

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第5話のネタバレ解説はこちらから。

第1話のネタバレ感想はこちらから。

第2話のネタバレ感想はこちらから。

第3話のネタバレ感想はこちらから。

腐ってもみかん

普段は自転車で料理を運んで生計を立てる文字通りの自転車操業生活。けれど真の顔は……という冒頭から始まる変身ヒーローになりたい。文学賞獲ったらなれるかな? ラップしたり小説書いたりしてます。文章書くのは得意じゃないけどそれしかできません。明日はどっちだ!
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