第8話ネタバレ感想&解説!!『機動戦士ガンダム 水星の魔女』~ガンダムは地球と宇宙の架け橋になれるのか~ | VG+ (バゴプラ)

第8話ネタバレ感想&解説!!『機動戦士ガンダム 水星の魔女』~ガンダムは地球と宇宙の架け橋になれるのか~

© 創通・サンライズ・MBS

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』放送中

2022年10月2日(日)より放送を開始した『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。第8話「彼らの採択」では、「株式会社ガンダム」の事業方針が示され、これまで個々のキャラクターとして点同士で関わり合っていたスレッタと地球寮の生徒、ミオリネがチームとしてまとまった。それでは、ネタバレありで早速第8話を振り返っていこう。

第8話 機動戦士ガンダム 水星の魔女

未解明なGUNDフォーマット

「株式会社ガンダム」の設立に当たり、ミオリネはスレッタを伴いプロスペラの元を訪れる。プロスペラによればGUNDフォーマットは未解明な技術であり、まずはその解析から始めなくてはならないとのことだ。「PROLOGUE」時点でガンダム・ルブリス及びその量産型試作機が造られており、しかもベギルベウには対ガンダム用と思しき「ガンビット」を無効化する装備まで搭載されていたことを考えれば、それから21年の時を経てなおGUNDフォーマットは「データ蓄積どころか基礎部分すら分かっていない」とのプロスペラの言を素直に受け取っていいものか迷う。

そもそもプロスペラ自身、未だその目的が視聴者には明かされていないのでスレッタやミオリネ、株式会社ガンダムを何らかの形で自らの目的に利用すべく与える情報を取捨選択しているとも考えられる。エアリアルがガンダムではないと説明した真意について問われ、「でも私はあなたたちを守りたかった、忌まわしい呪いの火の粉から」とプロスペラはスレッタに言う。しかし手を広げるプロスペラはブラインド越しの逆光に照らされ、言葉と裏腹に不気味な印象だ。果たしてその目的は何なのだろうか。

地球がまた戦場になる

ニカやチュチュら地球寮の生徒を集め、地球寮を株式会社「ガンダム」の本拠地とすることを宣言するミオリネ。強制的に社員にされてしまった面々は不平を述べるが、チュチュに「じゃ何売んだよ」と言われたミオリネは「普通に考えたら兵器として売るのが妥当かな」と答える。経営者としてのミオリネは、当然人の命を奪う結果に繋がる「兵器を売る」ことについても躊躇わず決定を下す冷徹さを持ち合わせているようだ。

さすがはデリングの娘、といったところか。しかしそんなミオリネの方針に、「地球がまた戦場になる」とアリヤは反対の姿勢を示す。「ま、それが自然だよな」と同調するヌーノは「人殺しの道具で稼ぐ気なんて起きねえよ」と言うオジェロと仲違いしてしまう。これまでも決闘に際して賭けをするなど一見金にがめついオジェロは、ミオリネと対照的に意外にも人道主義的な立場を表明する。そして彼らの言葉からミオリネも態度を変える。GUNDフォーマットについて独自に調査し、その本来の目的である「医療」用の技術として再び「ガンダム」に光を当てようとする。

さて、アリヤの台詞からは地球が既に戦場になったということが窺える。つまり、当然ながら『機動戦士ガンダム 水星の魔女』世界においてもモビルスーツ同士による「戦争」は過去に起きたらしい。それはやはり「アーシアン」と「スペーシアン」同士による戦いだったのだろうか。その結果「国家」や「政府」的な共同体の力が弱まり、軍需産業で肥えた企業群が高度な軍事力と政治力を獲得していったのだとも考えられる。

これまでもガンダム作品はアニメとして「カッコ良く活躍するガンダム」の姿を描かねばならないという制約と、作品の思想的メッセージとしての「反戦」を如何に描くかという板挟みに苦心してきた。『機動戦士ガンダム 水星の魔女』では、まだ戦争が起きていない状況から物語を始めて登場人物に「人殺しは嫌だ」と言わせたことには感動した。

既に戦争という状況に巻き込まれ、殺さなきゃ殺されるという状況で実際に敵を殺しながら反戦を訴えても虚しいし、そこで描かれる劇中の「戦争」状況自体が視聴者にとってはフィクショナルなもので正直あまり響かないだろう。そこで、視聴者と同じく戦争という状況に直接追い詰められていない立場のキャラクターに戦争を「選ばない」という態度を表明させることに作り手の真摯なメッセージを感じた。

ライセンス元のバンダイは「ガンプラ」といういわば‟兵器”を売る立場ながら、ランナーを再成型したエコプラ卵の殻を使ったガンプラを作るなど持続可能な社会に向けた取り組みも行っている。こうした取り組みが単なる言い訳ではないことを証明するかのように、ガンダム作品においても「兵器ではないガンダム」の姿を模索しようという試みには胸を打たれるものがある。果たしてガンダムは、医療を通じて地球に暮らす人々と宇宙に暮らす人々との架け橋となれるのだろうか。

ガンダム、ガンダム、希望の光

ミオリネに命じられ、スレッタらは株式会社ガンダムのPVを製作する。こちらはYouTubeでも公開されているので、是非ともご覧いただきたい。このPVの完成度には舌を巻いた。「ガンダム、ガンダム、希望の光」と調子外れに歌うスレッタらの姿からは、普段のガンダム作品からは取れない栄養が取れる。

ろくな意思統一もされておらず理念も共有していない、場当たり的に集められた面々がともかく体裁を保つ為だけに作ったPVとして完璧な完成度を誇る。こういう細かな‟芝居”の積み重ねが作品全体のクオリティに直結する。単に絵が綺麗ということに留まらない、画面の細部にまで作り手の意思が行き届いた画作りに脱帽だ。

理念も定まり、PVも作り、順調に動き出したかに見える株式会社ガンダム。しかしやはり「ガンダム」は一筋縄では行かないようで、何やらミオリネに拘りのあるらしいシャディクはガンダムもろともミオリネを奪おうと画策しているようだ。そして、公式サイトの説明によれば「GUND技術を軍事転用したシステムは「GUNDフォーマット」と呼ばれ」とあるように、GUNDフォーマット(ガンダム)以前に医療用技術としてGUNDは確立していた筈だ。

それが再び先祖返り的に医療技術として注目されるということは、ヴァナディース事変によるガンダム凍結以降、GUND技術そのものが闇に葬られてしまったということだろうか? 更に「PROLOGUE」でエリクトが慕っていたカルボが誰か分からなかったスレッタの描写からも、スレッタとエリクトは別人であることが確定したと言っていいだろう。今後の展開からもますます目が離せない『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。次回を楽しみに待とう。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は、毎週日曜午後5時~MBS/TBS系全国28局ネットにて放送中。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』公式サイト

Amazonプライムビデオ他でも配信中。

第8話 機動戦士ガンダム 水星の魔女

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第9話のネタバレ感想はこちらから。

第1話のネタバレ感想はこちらから。

第2話のネタバレ感想はこちらから。

第3話のネタバレ感想はこちらから。

第4話のネタバレ感想はこちらから。

第5話のネタバレ感想はこちらから。

第6話のネタバレ感想はこちらから。

第6話までの振り返りと用語解説はこちらから。

第7話のネタバレ感想はこちらから。

腐ってもみかん

普段は自転車で料理を運んで生計を立てる文字通りの自転車操業生活。けれど真の顔は……という冒頭から始まる変身ヒーローになりたい。文学賞獲ったらなれるかな? ラップしたり小説書いたりしてます。文章書くのは得意じゃないけどそれしかできません。明日はどっちだ!
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