ウォーク・カルチャー担う変革者たち——“Woke 100”発表 SF作家N・K・ジェミシンが選出

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“Woke 100”にN・K・ジェミシン

米時間の2019年10月28日(月)、アメリカの黒人女性向けマガジン・Essenceが2019年の“Woke100”を発表した。SFファンタジー作家で、SF最高賞のヒューゴー賞で3連覇を達成したN・K・ジェミシンがこのリストに選出されている。Essence誌の“Woke100”に選出されるのは、黒人女性たちが生き生きと暮らせる世界を築き上げるために闘う女性たちだ。政治、エンターメント、アカデミックな世界から映画界にいたるまで、幅広い分野から、アートや文学、あるいは“場”を創出している人々が対象となる。

N・K・ジェミシンの“Woke”

N・K・ジェミシン本人は今回の選出に、驚きと喜びの声をツイートしている。

N・K・ジェミシンは、自然災害が増加・激化した地球を舞台にした「The Broken Earth」トリロジーで2016年から2018年のヒューゴー賞長編小説部門を3年連続で受賞した。「The Broken Earth」トリロジーでは、災害を治める力を持つ人々は世間から迫害を受けており、“世界の終わり”という大きな物語と“一人の女性の痛み”という小さな物語が同時に描き出されている。

2018年11月には最新作のファンタジー小説『How Long ’til Black Future Month?』を発表しており、こちらも魔法やドラゴンといったアイテムを日常に取り込み、現代社会を鋭く描き出す内容となっている。

ウォーク・カルチャーの台頭

今回N・K・ジェミシンが選出された“Woke 100”の発表をEssence誌が始めたのは2017年。2019年で3度目となる。近年、社会的公正を重んじ、差別の撤廃を掲げる“ウォーク・カルチャー”が台頭し、様々な分野に浸透している。ウォーク・カルチャーの語源は黒人英語の“stay woke”という表現にあり、自身の周囲にある問題や社会的不正義に対する意識や配慮を持ち続けることを意味する。ウォーク・カルチャーは2013年頃からアメリカで盛り上がりを見せたブラック・ライヴズ・マター (警察による黒人への暴力に抗議する運動) で広く認知されるようになり、現在はセクシャルマイノリティやフェミニズムのムーブメントにも根付いている。

ミシェル・オバマ、ドリーム・ハンプトンらも選出

なお、2019年の“Woke 100”には、精力的に活動を続けるミシェル・オバマや、政治家のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス、映像作家のドリーム・ハンプトンらが選出されている。ドリーム・ハンプトンはシンガーのR・ケリーによる性暴力を告発するドキュメンタリー「サバイビング・R・ケリー」の制作者として知られる。同番組は、N・K・ジェミシンらがコメントを出すなど、SF界でも大きな反響を生んでいた。

2019年の“Woke 100”は、ロケット技師やプログラマーなど、科学技術の分野からの選出も目立つ結果となっている。“Woke 100”に選ばれた全員が掲載されたリストは、Essenceのウェブサイトで閲覧できる。

2019 Woke 100 (Essence)

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