R・ケリーの性暴力疑惑にSF界も反応——ブラックパンサー作者「女性蔑視は構造的な問題」

R・ケリーの性暴力疑惑に、SF界からも批判

ドキュメンタリーが波紋

R&Bシンガー、R・ケリーの性暴力/性的虐待疑惑に迫るドキュメンタリー「サバイビング・R・ケリー (原題: Surviving R. Kelly)」が2019年1月3日から1月5日にかけて放送され、全米に波紋を広げている。米テーブル局のLife Timeが放送した同番組では、R・ケリーから受けた性暴力・性的虐待について、複数の女性が実名で告発。R・ケリーの家族や音楽関係者を含む計50名以上の証言者が登場し、当時15歳だったアリーヤの年齢を18歳と偽装させて結婚していたこと、プロデューサーとしての地位を利用し、10代の少女達を性的に支配していたことなどが詳細に語られた。

SF界からも批判の声

「サバイビング・R・ケリー」の初日の放送は、190万人もの人々に視聴され、全米で大きな注目を集めた。SF界からも、放送直後から次々とR・ケリーへの批判の声があがっている。SF最高賞の一つであるヒューゴー賞で三連覇を達成した黒人女性作家のN・K・ジェミシンは、「多くの黒人女性がケリーのような男性に食い物にされてきた」と指摘した。

『GOTHAM/ゴッサム』女優は困惑のツイート

一方で、同番組の放送後、音楽ストリーミングサービスのSpotifyでは、R・ケリーの楽曲再生回数が急増する現象が見られた。これに対し、ドラマ『GOTHAM/ゴッサム』(2014-2019)のフィッシュ・ムーニー役、映画「マトリックス」シリーズのナイオビ役で知られる女優のジェイダ・ピンケット=スミスは、1分間の動画を添えて、以下のように投稿した。

「サバイビング・R・ケリー」が放送されて、なぜR・ケリーの曲の売り上げが急上昇するの? 誰か教えて。私、何か見落としてる????

by ジェイダ・ピンケット=スミス

ネディ・オコラフォ「女性蔑視は構造的な問題」

このツイートに反応したのが、「Binti」(2016)でネビュラ賞およびヒューゴー賞の中長編小説部門を受賞し、『ブラックパンサー: ロング・リブ・ザ・キング (原題: Black Panther: Long Live the King)』(2018) では原作を手がけたSF作家のネディ・オコラフォだ。ピンケット=スミスのツイートを引用し、こう投稿したのだ。

女性蔑視は構造的な問題だからです。

by ネディ・オコラフォ

たった一文だが、核心を突く指摘である。同番組が一人の人間を告発して収束するほど、性暴力や性差別はシンプルな問題ではないということだ。特にこの件では、被害者は“黒人”で“少女”であり、社会的に声をあげにくい立場に置かれていたという点もクローズアップされている。

「目を背けることで被害は拡大していく」

かつてR・ケリーと共演したJay-Zやエリカ・バドゥ、レディ・ガガらは、「サバイビング・R・ケリー」への出演を断ったという。同番組のプロデューサーであるドリーム・ハンプトンはShadow and Act 誌の取材に、「多くの人はこの問題に触れたがらない」と説明。一方で、「この問題から目を背けることで被害は拡大していく」と指摘した。黒人女性作家を中心に、SF界からも抗議の声が上がっているということは、見逃すべきではないだろう。

イビング・R・ケリー」で語られた内容を否定し、製作陣を告訴する準備を進めているという。一方で、ジョージア州では同番組の放送を受けて、R・ケリーにかけられた容疑に対する捜査が始まっている。

Source
Jada Pinkett Smith Twitter / Nnedi Okorafor Twitter / N, K. Jemisin Twitter / Shadow and Act / TMZ

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