第54回ネビュラ賞発表! 長編小説部門はメアリ・ロビネット・コワル、新設のゲーム部門に『ブラック・ミラー』 (受賞リスト掲載) | VG+ (バゴプラ)

第54回ネビュラ賞発表! 長編小説部門はメアリ・ロビネット・コワル、新設のゲーム部門に『ブラック・ミラー』 (受賞リスト掲載)

via: SFWA

第54回ネビュラ賞受賞作品が発表

2019年のネビュラ賞は誰の手に…?

アメリカSFファンタジー作家協会、SFWAが主催するSFファンタジー界の最高賞ネビュラ賞の授賞式が開催され、各部門の受賞作品が発表された。

長編小説部門にメアリ・ロビネット・コワル

2019年のネビュラ賞長編小説部門を受賞したのは、メアリ・ロビネット・コワルの『The Calculating Stars』。メアリ・ロビネット・コワルは、ヒューゴー賞で2011年に短編小説部門を、2014年に中編小説部門を受賞していたが、ネビュラ賞および長編小説部門での受賞はこれが初。2019年3月には、「女性を主人公にする場合、男性読者に対してどれほど配慮しますか?」という質問に対するツイートが話題となっていた。

日本では、『ミス・エルズワースと不機嫌な隣人』(2014)が早川書房から出版されている。

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中長編、中編、短編は……

ネビュラ賞中長編小説部門は、アリエッテ・デ・ボダードの「The Tea Master and the Detective」に。アリエッテ・デ・ボダードは2012年、2013年の受賞に続き、通算三度目のネビュラ賞受賞となった。2019年のネビュラ賞中編小説部門に選ばれたのは、ブルック・ボランダーの「The Only Harmless Great Thing」。ブルック・ボランダーは2015年ごろからSF賞候補の常連だったが、今回が念願の初受賞。短編小説部門には黒人作家 P・ジェリ・クラーク「The Secret Lives of the Nine Negro Teeth of George Washington」が選ばれた。

新設のゲームライティング部門は……

上記の四つの小説部門に加え、2019年からはネビュラ賞にゲームライティング部門が新設されている。歴史あるネビュラ賞にゲームを対象とした部門が加わったことは、“ゲーム”を文学と同列に扱った歴史的な展開として注目を集めていた。

そのゲームライティング部門の栄えある初代受賞作品に選ばれたのは、『ブラック・ミラー: バンダースナッチ』。『ブラック・ミラー: バンダースナッチ』は、Netflixが配信するインタラクティブコンテンツだ。視聴者が登場人物の行動を選ぶことができ、選択肢によって物語の展開が変わるシステムで話題を呼んだ。

ネビュラ賞はSFWAに所属している会員の投票で受賞作品が決定される。SFファンの投票で選ばれるヒューゴー賞と並び、SF最高賞の一つとして知られる。
また、同時に発表となった映像作品を対象としたブラッドベリ賞にはアニメ映画『スパイダーマン : スパイダーバース』が、ヤングアダルト作品を対象としたアンドレ・ノートン賞にはトミ・アデイェミの『Children of Blood and Bone』が選ばれている。

2019年のネビュラ賞受賞作品および受賞者は以下の通り。

長編小説部門

『The Calculating Stars』by メアリ・ロビネット・コワル

中長編小説部門

「The Tea Master and the Detective」by アリエッテ・デ・ボダード

中編小説部門

「The Only Harmless Great Thing」by ブルック・ボランダー

短編小説部門

「The Secret Lives of the Nine Negro Teeth of George Washington」by P・ジェリ・クラーク

ゲームライティング部門

『ブラック・ミラー: バンダースナッチ』by チャーリー・ブルッカー

ブラッドベリ賞 (映像作品)

『スパイダーマン: スパイダーバース』by フィル・ロード&ロドニー・ロスマン

アンドレ・ノートン賞 (ヤングアダルト作品)

『Children of Blood and Bone』by トミ・アデイェミ

Source
SFWA

VG+編集部

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