「折りたたみ北京」の郝景芳、中国で『ブラックミラー』形式のドラマシリーズ製作へ

ライター

「折りたたみ北京」郝景芳が映像の世界へ

郝景芳のスタジオにエンジェル投資

「折りたたみ北京」の作者として知られる中国人SF作家の郝景芳 (ハオ・ジンファン) が、いよいよ映像の世界に挑戦する。郝景芳自身が立ち上げたスタジオ、郝景芳影视工作室 (Hao Jingfang Film & TV Studio) が、ベンチャーキャピタルの新进创投から300万元 (約5,000万円) のエンジェル投資を受けたことが分かった。36Krを始め、複数の中国メディアが報じている。

『ブラックミラー』形式のドラマシリーズ

郝景芳影视工作室では現在、郝景芳が原作を手がけるSFドラマシリーズ、『未来之尘』の制作に取り組んでいる。同作は、NetflixのSFドラマアンソロジー『ブラックミラー』のように、毎回異なる監督と脚本家が制作を手掛け、一話完結のウェブシリーズとして公開される予定だ。また、『未来之尘』で原作を手がけるのは郝景芳だけではない。SF小説家の張冉 (Zhang Wei)、宝树 (Baoshu) らが、作品の原作者として加わるという。宝树は、2019年2月にアメリカで発売されたケン・リュウ編訳の中国SFアンソロジー『Broken Stars』(2019) にも作品を提供している。

プロジェクトは2016年に始動

郝景芳影视工作室は、2016年に立ち上げられたスタジオ。中国の投資情報サイト「投资界」によると、同スタジオは2016年11月にもベンチャーキャピタルの合一科文から出資を受けている (投資額は非公開)。2018年8月には大手映像制作会社の華策影视 (HUACE FILM&TV) との提携を発表。今回、新たに新进创投からの出資が明らかになったことで、プロジェクトは着実に進行していると考えられる。

 

『三体』に続く中国からのヒューゴー賞受賞

郝景芳の代表作「折りたたみ北京」は、2016年に翻訳を手がけたケン・リュウと共にSF最高賞ヒューゴー賞の中編小説部門を受賞。2015年に『三体』でアジア初のヒューゴー賞長編小説部門を受賞したリュウ・ジキン (劉慈欣) に続く栄誉となった。日本でも、2019年3月20日に白水社から『郝景芳短篇集』(及川茜 訳) が発売されたばかり。今最も注目を集めるSF作家の一人だ。

躍動する中国系SF作家たち

なお、郝景芳は教育プロジェクトの“童行学院”を立ち上げ、2019年2月にアメリカのセコイア・キャピタルから数千万元の投資を獲得している。ビジネスでも才覚を発揮しているのだ。
リュウ・ジキンは短編小説「さまよえる地球」の映画化作品『流転の地球』が大ヒットを記録し、Netflixでの全世界配信が決定した。5月には米ブランダイス大学から名誉博士号が授与される。翻訳家としてリュウ・ジキンと郝景芳の二人をヒューゴー賞受賞に導いたケン・リュウは、中国SFを翻訳し世界に発信し続けている。最近では、自身の短編作品「良い狩りを」が、Netflixの『ラブ、デス&ロボット』でアニメ化されている。
そして郝景芳は、自らが主導して映像作品のプラットフォームを作り上げ、中国の若手SF作家にも活躍の場を提供しようとしている。『未来之尘』の成功を願うばかりだ。

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via: Screenshot on Youtube
– Source –
36Kr / 投资界

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