陳楸帆最新作は共著『AI 2041』
2020年1月に『荒潮』(中原尚哉 訳, 早川書房) が刊行されたSF作家・陳楸帆の最新作が2021年9月に登場する。そのタイトルは『AI 2041 Ten Visions for Our Future』。台湾生まれの実業家で、日本でも2020年4月に『AI世界秩序 米中が支配する「雇用なき未来」』(上野元美 訳, 日本経済新聞出版) が訳出された李開復との共著になる。
『AI 2041』では、AIが20年後の世界をどのように変えるのかをテーマに、2041年までにAIが生活のあらゆる場面に浸透していく様子が語られる。また、10のショートストーリーと、それに対する鋭い分析でAIの課題と可能性を探り出していくという。陳楸帆は『AI 2041』について、「AI技術がどのように社会を変え、人々に力を与えるのか、また、どのような課題や不確実性をもたらすのか」をテーマにした内容になると、バゴプラに語っている。
陳楸帆は1981年生まれ、Googleや百度 (バイドゥ) での勤務歴を持つ異色のSF作家。『荒潮』では中国南東部を舞台に、中国社会の利権構造と経済格差、グローバル企業の策略と環境問題といった現代中国が直面する現実を、SFを用いて描き出した。
李開復は、2005年までマイクロソフトに勤務した後、2005年から2009年までGoogle中国支社の社長を務めた。ベンチャーキャピタルのシノベーション・ベンチャーズ創業者としても知られる。カーネギーメロン大学でコンピュータサイエンスの博士号を取得したAIの専門家でもある。
SF作家として未来を描いてきた陳楸帆と、IT界で実業家として活躍する李開復は、転換期を迎え実装の時代に突入していくAIの未来をどのように予測するのだろうか。
陳楸帆と李開復の共著『AI 2041 Ten Visions for Our Future』は、2021年9月14日(火) に英語版がCurrencyより発売。AmazonではKindle版の予約受付も開始している。
陳楸帆『荒潮』(中原尚哉 訳) は早川書房より発売中。
なお、陳楸帆は2021年2月にフジテレビ『第3回世界SF作家会議』にも出演。2121年の世界について、新井素子、冲方丁、樋口恭介らと語っている。
バゴプラではSFGとの合同企画として、陳楸帆のインタビューを2021年3月20日(土)に公開する。こちらもお楽しみに!