『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』40周年
1980年に公開された映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』。第一デス・スターが破壊された後の銀河帝国軍による反撃、ランド・カルリジアンの登場、ソロとレイアのロマンス、スカイウォーカー家の真実など、様々な要素が詰め込まれた作品で、「スター・ウォーズ」シリーズの中でも人気の高い作品だ。
その『帝国の逆襲』が2020年で公開40周年を迎え、その記念として豪華SF作家が参加した小説アンソロジーがアメリカで発売される。その名も『From a Certain Point of View: The Empire Strikes Back』。2017年にも『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977)公開の40周年記念のアンソロジー『Star Wars: From A Certain Point of View』が発売されており、このタイトルを踏襲した形だ。
このシリーズには「ある視点から」という意味のタイトルが付けられており、前回に引き続き、今回も『紙の動物園』(2015)の著書で『三体』(2008)の英語翻訳者として知られるケン・リュウが参加する。
『From a Certain Point of View: The Empire Strikes Back』に作品を寄せる作家の数は43名、40周年にちなんで40作品が収録される。アメリカでの発売日は2020年11月10日(火)で、ルーカスフィルムから出版される予定だという。なお、本作の収益は子ども達への本の寄付活動を行うNPOのFirst Bookに寄付される。また、本の収益とは別で、ディズニーとルーカスフィルムは10万冊の児童書向けの本を寄付する。
ケン・リュウらが綴る新たな物語
ケン・リュウの他、『From a Certain Point of View: The Empire Strikes Back』に参加する作家には、『Binti』(2015)でヒューゴー賞とネビュラ賞のダブルクラウンを達成したンネディ・オコラファーも含まれる。ンネディ・オコラファーはコミック『Black Panther: Long Live the King』(2018)や『Shuri: The Search for Black Panther』(2018)といった「ブラックパンサー」作品の原作も手がけている。
ンネディ・オコラファーが手掛けるのは、第一デス・スターのゴミ処理区画に棲むモンスター、ダイアノーガの物語。ニンテンドー64用ソフト『スターウォーズ 帝国の影』(1996)にも登場したファンにはおなじみのキャラクターだ。「プリンセス・ダイアリー」シリーズで知られるメグ・キャボットは、ルークの育ての親である“ベルーおばさん”ことベルー・ホワイトサンの物語を描く。
ルーカスフィルムでストーリー部門に携わるパブロ・ヒダルゴは、初代デス・スターの司令官であるグランド・モフ・ウィルハフ・ターキンの物語を描く。グランド・モフ・ウィルハフ・ターキンは、『エピソード3』(2005)『ローグ・ワン』(2016)『エピソード4』(1977)と3作品の映画に登場したキャラクターだ。また、反乱軍のパイロットであるウェッジ・アンティリーズの物語を通して、『ローグ・ワン』と『エピソード4』の間のストーリーも描かれるという。
正史との矛盾も織り込み済み
なお、Comic Yearsが報じたところによると、これらの物語にはスター・ウォーズ正史との矛盾も存在するという。『From a Certain Point of View: The Empire Strikes Back』はそのタイトル通り、それぞれの語り手が各々の視点でストーリーを語るものであり、ルーカスフィルムはこれらの矛盾も同プロジェクトの特徴であるとしている。
2020年1月14日には、ケン・リュウの著書『ルーク・スカイウォーカーの都市伝説』(2017)がコミックになって発売された。この作品も、“輸送船のクルーによる証言”という形をとり、“信頼できない語り手”によってルーク・スカイウォーカーの伝説が語られている。
「スター・ウォーズ」ユニバースのキャラクター達に声を授けていく『From a Certain Point of View: The Empire Strikes Back』は、2020年11月10日(火)に米発売。
ケン・リュウ編の最新中国SFアンソロジー 『月の光』は、早川書房より発売中。
Source
StarWars.com / Comic Years