ケン・リュウによる「スター・ウォーズ」作品
『紙の動物園』の著者であり、劉慈欣『三体』の英語版翻訳者としても知られるケン・リュウが、かつて「スター・ウォーズ」の小説を手がけていたことはご存知だろうか。海外では2017年に発売され、日本では2018年に講談社KK文庫から『STAR WARS ジャーニー・トゥ・最後のジェダイ ルーク・スカイウォーカーの都市伝説』のタイトルで発売されたものだ。
タイトルの通り、2017年に公開された映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』で描かれた“その後のルーク・スカイウォーカー”に繋がる“都市伝説”が収録されている。『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983) の後、ルークの伝説について人々はどのように語っていたのか、レイが『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015) で放った「ルーク・スカイウォーカー? 彼は神話かと思っていた」というセリフの裏側が描き出されている。
『ルーク・スカイウォーカーの都市伝説』が漫画に
“輸送船のクルーによる証言”という形で、ケン・リュウが見事に描き出した『ルーク・スカイウォーカーの都市伝説』。映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が2019年12月20日(金)に公開され、「スカイウォーカー・サーガ」に一旦の終止符が打たれたこのタイミングで、約2年の時を経て漫画化された。それも、日本の漫画家たちによって。
北米で漫画作品の販売を手がけるビズメディアは、『漫画 スター・ウォーズ: レジェンド・オブ・ルーク・スカイウォーカー (原題: Star Wars: The Legends of Luke Skywalker: The Manga)』と題された作品を2020年1月14日に北米で発売。ケン・リュウの『ルーク・スカイウォーカーの都市伝説』を日本の漫画家たちが漫画作品に生まれ変わらせている。
参加した漫画家は、映画『バーフバリ 王の凱旋』や漫画『運び屋ケン』のコミカライズ作品で知られる深谷陽と漫画『ZOMBIEMEN』や『10年メシが食える漫画家入門』などの漫画執筆指南書で知られる樹崎聖、漫画『STAR WARS/レイア-王女の試練-』を手がけた春壱、pixivで公開している漫画が絶大な人気を誇るすばる、長年「ゼルダの伝説」シリーズのコミカライズを手がけてきた漫画家ユニットの姫川明輝の4組。彼女ら/彼らはケン・リュウが綴った物語をどのように生まれ変わらせたのだろうか。
映画だけじゃない「スター・ウォーズ」
スカイウォーカー一家を中心に据える「スカイウォーカー・サーガ」を締めくくった映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、2019年12月20日(金)に公開された。やや心配されていた興行成績も、2020年1月時点で全世界の興行収入が10億ドル (約1,100億円) を突破。一方で、動画配信サービスのディズニーデラックスではスピンオフドラマ『マンダロリアン』の配信が始まり、マーベルではカイロ・レンのオリジンを描くコミックシリーズが展開されている。
今回のケン・リュウ『ルーク・スカイウォーカーの都市伝説』の漫画化も含め、まだまだその勢いは続きそうだ。