Kaguya Planetにて、気候危機特集の三作品を無料で一般公開開始!
オンラインSF誌 Kaguya Planetにて、特集「気候危機」に掲載した3編のSF短編小説、エラ・メンズィーズ「雨から離れて」(川崎遥佳 訳)、化野夕陽「春の魚」、津久井五月「われらアルカディアにありき」を無料で一般公開しています。
こちらの3編に加えて、気候危機にまつわるブックレビューやコラムを収録した『Kaguya Planet vol.1 気候危機』を好評発売中。収録している小説をより深く味わえる構成となっています。
ウェブマガジンKaguya Planetでは毎月、SF短編小説を配信中! Kaguya Planetでは、掲載作品を先行公開に読める&マガジン『Kaguya Planet』が届くなどの魅力的な特典付きの、有料会員を随時募集しています。
エラ・メンズィーズ「雨から離れて」(川崎遥佳 訳)
環境問題が「解決」して8年後のルワンダで暮らすケーザとママ。お使いの帰りにこっそり海に立ち寄ったケーザはウミガメに出会い……。より大きな問題を解決するために捨象されてしまう文化や言葉に丁寧に目を向けた、希望の物語。
カナダ・カルガリー出身(she/her)。ヴァンクーバーのブリティッシュ・コロンビア大学で生物学を学んでいる。気候変動とその解決について発信するメディアGristが主催の短編コンテスト“Imagine 2200: Climate Fiction for Future Ancestors”の2022年版で採用された、本作「雨から離れて」(原題:The World Away From the Rain)で小説家デビュー。
化野夕陽「春の魚」
涛也はある日、漁師の伯父からサワラが獲れなくなると聞く。漁業の町に生まれ育った涛也だったが、温暖化によって身近な魚が獲れなくなるという話を聞いたのは初めてだった。高校からの帰り道、夕凪の時間に、涛也は干拓道路で不思議な出会いを果たす──。
舞台芸術を愛する物書き。阿瀬みちさんによる人魚アンソロジー『海界(うなさか)十二の海域とそのあわいにたゆたう』や、谷脇栗太さん企画編集のノンヒューマン歌唱アンソロジー『クジラ、コオロギ、人間以外』、井上彼方編『生物SFアンソロジー なまものの方舟』など、多数の同人誌に短編小説を寄稿している。近作は新潟にまつわるSF短編・掌編を集めた新潟SFアンソロジー『the power of N』。
津久井五月「われらアルカディアにありき」
全財産の4分の3の〈ヒツジ〉を感染症で失ったケンは、友人のケヴィンの家に招待される。普段はおよそ目にすることのない肉汁の滴る上等な肉とワインによるもてなしに戸惑うケンに、ケヴィンは思わぬことを口にする──。
東京大学・同大学院で建築学を専攻。2017年に「コルヌトピア」で第5回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞し、同作でデビュー。その後、『ヴァケーション 異形コレクションLV』や『S-Fマガジン』に短編小説を寄稿。2021年に「Forbes 30 Under 30」(日本版)に選出される。〈WIRED Sci-Fiプロトタイピング研究所〉からの依頼により、ソニーグループやNTT人間情報研究所など複数のSFプロトタイピング企画に参加。科学技術の進化によって変容する社会や人間のあり方を描き出すSF作品を複数執筆している。
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『Kaguya Planet vol.1 気候危機』好評発売中
特集:気候危機
気温上昇、海洋汚染、エネルギー問題など、地球環境と人間や生物たちに大きな影響を及ぼしている気候変動。
身近な生活の中でも感じられるほどの変化が顕在化し、早急な改善や解決が叫ばれる一方、さまざまな社会問題と絡み合っている複雑な問題でもあります。
マガジン『Kaguya Planet』の記念すべき創刊第1号には、ウェブメディアKaguya Planetで2024年1~3月に開催した「気候危機」特集の掲載小説3作のほか、テーマにまつわるレビューやコラムを収録しました。
フィクションや批評を通して、気候危機が抱える〈交差性〉の一端をのぞき見てみませんか。
⚫︎小説
化野夕陽「春の魚」
津久井五月「われらアルカディアにありき」
エラ・メンズィーズ「雨から離れて」(川崎遥佳訳)
⚫︎ブックレビュー
堀川夢 アンナ・カヴァン『氷』
⚫︎コラム
鯨ヶ岬勇士「バルタン星人と気候危機〈二〇億三〇〇〇万人の移住〉」
齋藤隼飛「気候危機の時代のSF映画」
⚫︎インタビュー
ゲーム『Rise of the Ronin』英語版 高杉晋作役 リック・クマザワが語るレプリゼンテーション
映画『ペナルティループ』監督・荒木伸ニ 俳優・山下リオ
⚫︎PICK UP 『流転の地球 ─太陽系脱出計画─』コラム
サイズ:A5
ページ数:64ページ
一般価格:1650円(税込)
ISBN:978-4-911294-00-0
※マガジン『Kaguya Planet vol.1』は、Kaguya Planetのベーシック会員(年額6000円)の方にPDF版を、プレミアム会員(年額12000円)の方にPDF版と紙版をお届けしております。Kaguya Planetへの登録方法等につきましては、こちらのマニュアルをご確認ください。
パレスチナ特集開催中
Kaguya Planetでは現在、パレスチナ特集を開催中。パレスチナ人やパレスチナにルーツのある作家の翻訳作品を掲載しています。特集「パレスチナ」では、70年以上続く「パレスチナ問題」をめぐる報道やさまざまな語りにおおきな偏りがあることに対して問題提起をし、「パレスチナの声に耳を傾ける」ためにできることを模索しています。
現在はソニア・スライマーンさんによるアラブ圏の精霊であるジンが主人公のレズビアンロマンス「ムニーラと月」(岸谷薄荷訳・佐藤まな監訳)と、ズィヤード・ハッダーシュさんによるイスラエルによる攻撃にさらされているガザを、とある視点から描いた「ここの外では」(佐藤祐朔訳)を先行公開しています。
6月のKaguya Planetでは、『Palestine +100: Stories from a Century After the Nakba』という、ナクバから100年後である2048年のパレスチナを舞台にしたアンソロジーに収録されている、ガザ出身の96年生まれの作家Tasnim Abutabikh「Vengeance(原題)」を掲載いたします。パレスチナの少年と30代の男性による、抵抗の継承がテーマのサイバーパンクSFです。
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