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『ヴェノム』大ヒットでスピンオフ製作は?
大ヒット映画の仲間入り
あれよあれよと2018年を代表する大ヒット映画にのぼり詰めた『ヴェノム』。2021年9月24日には続編『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』が全米で公開される。
稀に見る大ヒット作品となった『ヴェノム』だが、気になるのは、同作からの更なるスピンオフ作品が制作される可能性についてだ。映画『ヴェノム』は独立した物語として制作されたが、ヴェノムは本来、「スパイダーマン」シリーズで誕生したキャラクター。そんな『ヴェノム』からの更なるスピンオフ作品の題材として、にわかに注目されているのが、“シーヴェノム”の存在だ。
“シーヴェノム”とは?
シーヴェノムとは、コミックに登場する女性版のヴェノムのこと。“シー”とは、英語の“she=彼女”を意味している。アメコミでは、頭に“シー (she-)”が付くキャラクターは既に存在している男性キャラクターの“女性版”を指す。MCUでのドラマ化が決定している“シーハルク”が代表的なキャラクターだ。
原作コミックでは、シンビオートの力を手に入れてシーヴェノムとなったキャラクターが、過去に自分を苦しめた男性達に復讐を果たしていく。そんなシーヴェノムの単独映画製作の可能性はあるのか、現在の状況を紐解いていこう。
The bride of #Venom is in the game! pic.twitter.com/MXiw3FRUHJ
— @SpiderManUnlimited (@SpiderManUNL) January 29, 2017
以下の内容は、映画『ヴェノム』の内容に関するネタバレを含みます。
スクリーンデビューを果たした“シーヴェノム”
ミシェル・ウィリアムズが好演
すでに映画『ヴェノム』を鑑賞された方はご存知の通り、シーヴェノムはスクリーンデビューを果たしている。シンビオートがミシェル・ウィリアムズ演じるアン・ウェイングに寄生し、トム・ハーディ演じるエディ・ブロックのピンチに馳せ参じるのだ。原作コミックにおいても、シーヴェノムの宿主はこのアン・ウェイング。コミックではエディの元妻という設定だ。『ヴェノム』でミシェル・ウィリアムズがアン・ウェイング役を演じることが報じられた際には、シーヴェノムのスクリーンデビューが期待されていた。
ミシェル・ウィリアムズの感想は!?
そのアン・ウェイングを演じるミシェル・ウィリアムズ自身は、今回シーヴェノムを演じたことを、どのように捉えているのだろうか。ただのヒロイン役かと思いきや、アクションありCGあり、何よりもシーヴェノムのスクリーンデビューという大役を任されたのだ。彼女は、米ComicBookのインタビューに以下のように話している。
経験したことのないものに挑戦するのが好きなんです。新しいものならなんでも。それは25年間変わらないことです。「ワーオ、クールじゃん!こんなアクションやったことない」とか、「こんなにテクノロジーを使って演技したことない」って思うものなら何でも楽しんで取り組めます。自分が全く知らないことですからね。
マリリン・モンローからシーヴェノムへ
実は、この役が決まるまでは、MCUにも強い関心はなかったというミシェル・ウィリアムズ。役が決まってから、知人にシーヴェノムを演じることのすごさを説かれたという。かつては『マリリン 7日間の恋』(2011)でマリリン・モンローを演じたこともあるウィリアムズは、未知の領域さえも楽しむ気持ちでシーヴェノムを演じ切った。MCU作品を鑑賞し、「とても楽しかった」と語る彼女が、シーヴェノムを“続投”する可能性は十分にありそうだ。
女性キャラクターを中心に展開するSUMC
ソニー・ユニバースの展開は?
現在ソニーは、“ソニーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクター (SUMC)”と呼ばれる、ソニーが版権を持つマーベルキャラクターのユニバースを展開している。その第一弾が『ヴェノム』であり、第二弾が『モービウス (原題 : Morbius)』なのだ。『モービウス』では、『スーサイド・スクワッド』(2016)でジョーカーを演じたジャレッド・レトが主演を務めることが決まっている。その後は、ブラックキャットやシルバー・セーブルといったキャラクターの単独映画製作が決まっているが、何を隠そう、これらのキャラクターは全て、「スパイダーマン」シリーズに登場するキャラクターなのだ。
公開を予定しているソニーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクター作品
作品名 | 公開 (予定) |
ヴェノム | 2018 |
ヴェノム2 | 2021 |
モービウス | 2022 |
ブラックキャット | ???? |
シルバー・セーブル | ???? |
ナイトウォッチ | ???? |
クレイヴン・ザ・ハンター | ???? |
ジャックポット | ???? |
『ウエストワールド』脚本家を起用!?
ブラックキャットとシルバー・セーブルについては、『シルバー&ブラック』というバディムービーの製作が予定されていたが、それぞれの単独映画の製作に切り替えられた。『シルバー&ブラック』については、『ウエストワールド』の脚本を手がけているリサ・ジョイがスクリプトを手がけており、別の作品で彼女が再登板する可能性もある。
更に、マーベルのMCUにおいても、DCのDCEUにおいても、女性が主役に据えられた作品は少ないが、SUMCは既に4本の作品で女性キャラクターを主役に抜擢することを発表している。『ウエストワールド』で女性の闘いを描いたリサ・ジョイが、「スパイダーマン」シリーズにおける女性キャラクターの物語を描きなおすとすれば、SUMCの大きな特徴の一つとなるだろう。
ヴェノムの単体映画完成までに要した歳月は…
ヴェノムがスクリーンデビューを果たしたのは、『スパイダーマン3』が公開された2004年。様々な事情により、単独映画が完成するまで14年の歳月を要した。そして、それを実現したのが、ソニーによる新ユニバース・SUMCだった。「スパイダーマン」シリーズのキャラクターを対象に、女性キャラクターを積極的に映画化するSUMC。『ヴェノム』は大ヒット、ミシェル・ウィリアムズもシーヴェノム役を楽しんでいる。“シーヴェノム”映画化の条件は十分に揃っているようにも思えるが、ファンの皆さんはどう考えるだろうか。
Source
ComicBook / Deadline / Screen Rant