ネタバレ解説 映画『変な家』 ラストの意味は? 続編はある? 感想&考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説 映画『変な家』 ラストの意味は? 続編はある? 感想&考察

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間宮祥太郎と佐藤二郎のバディホラーミステリ『変な家』

人気YouTuberの雨穴の同名小説を原作とした映画『変な家』が、2024年3月15日(金)より全国公開された。映画『変な家』は間宮祥太郎演じる動画クリエイターの雨宮と佐藤二郎演じる設計士の栗原のバディによるホラーミステリだ。家を舞台装置ではなく主役に持ってきた映画『変な家』では、家が持つ歴史によって物語が二転三転する。

本記事では、雨宮と栗原の辿った家の歴史を振り返り、映画『変な家』の考察と解説をしていこう。なお、本記事は映画『変な家』のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただけると幸いである。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『変な家』の内容に関するネタバレを含みます。

日本各地の変な家

世田谷区の変な家

うだつが上がらない動画クリエイターの雨宮トオルは、動画の再生数が落ち込んでいることに悩んでいた。それを事務所のマネージャーの柳岡からも指摘され、雨宮は動画のネタになるかもしれないとして柳岡が引っ越そうとしている世田谷の家の間取り図を見せてもらった。その間取り図にはキッチンの横に2枚の壁で仕切られた謎な空間が存在していた。

この変な家の間取り図について、雨宮はオカルト情報の提供者であり、ミステリー愛好家でもある設計士の栗原文宣に相談する。栗原はパフェをぐちゃぐちゃに混ぜて食べ、古く狭いアパートで古書に囲まれて過ごすことを好むなど、奇人のような側面を持つ人物だ。『変な家』において、栗原は探偵役であり、雨宮は助手役だ。栗原は間取りを見てこの物件が持つ歴史について考察していく。

雨宮は栗原の推理で「子供を利用した殺人を実行するための家」に近づき、その被害者を名乗る柚希と出会う。そして真相に近づきそうになるも、恐ろしい形相の女に襲われるなど、調査は難航していった。それでも動画のために調査を続ける雨宮。そうして、雨宮は柚希の正体が片淵という家の出身であることを知る。雨宮、栗原、柚希はすべての謎の答えが片淵本家にあると考察するのだった。

喜江の秘密

片淵本家について調べるため、雨宮たちは柚希の母親である喜江のもとを訪ねる。喜江はホームレスの炊き出しなどを行なうボランティアに従事する人物だった。喜江は頑なに片淵本家に行くことを止める。そして、無理にでも行こうとする柚希に父親のノートを見せたのだった。

柚希の父親のノートは赤と黒のボールペンで塗りつぶされていた。そして喜江は柚希の父親は事故死ではなく、片淵本家のしがらみで死んだと語った。喜江曰く、「片淵の家に狂わされた。あの家は呪われている」という。それでも本家に行くという柚希に対し、雨宮は動画を完成するために一緒に本家に行くと言った。

2人が片淵本家に行くといっていたとき、栗原は何か違和感に気付いていた。栗原は1人で喜江の家を訪ねる。そして、強引に家に押し入り、雨宮を襲った恐ろしい形相の仮面と幻覚剤を見つけた。雨宮が恐ろしい形相の謎の女に襲われたというのは、幻覚剤で朦朧とした意識で見た仮面をつけた喜江の姿だった。

長野県の変な家

片淵本家を訪れた雨宮と柚希。片淵本家は昔、複数の事業で財を成したとのことで、村は片淵家の親類縁者しかいなかった。片淵本家の仏壇の蝋燭に火が灯されており、片淵本家に人はいるようだが、反応がない。雨宮と柚希は静かに上がり込む。

柚希曰く、片淵本家の周辺で失踪事件が発生したことがあり、その犠牲者の中には片淵本家に泊まったという人もいた。雨宮は片淵本家も「子供を利用した殺人を実行するための家」ではないかと考察し、恐怖する。

その矢先、片淵家当主の片淵重治、片淵文乃、清次と会う雨宮と柚希。そこで綾乃と夫の慶太とも再会するが、子供であるヒロトの姿はなく、様子もおかしい。そして、会話の最中に柚希は意識を失った。

左手供養の儀

目を覚ました柚希の傍には雨宮と栗原がいた。栗原は喜江から片淵本家の負の歴史について聞き、それを知らせるべく長野県まで訪れたのだった。それは片淵家に代々伝わる左手供養の儀についての話だった。

明治時代、片淵家にはタカマウシオという女中がいた。タカマウシオは本家当主の妾となり、子供を妊娠したが、それが本妻の逆鱗に触れて暴力を振るわれた。それによってタカマウシオは流産。その後、座敷牢で囚われ続けたタカマウシオは錯乱し、左手を自ら切り落として自殺した。その日を境に片淵家では左手の無い子供が生まれるようになり、不幸が続いた。

当主は霊媒師に相談し、それによって左手供養の儀が生まれた。左手供養の儀は片淵家の血を引き、10年間陽の光を浴びてこなかった男児が誰かの左手を切り落として殺害するこというものだ。これを3年連続して続けなければ片淵家に災いが訪れるというのを、片淵家の人々は信じていたのだ。

片淵本家の隠し通路

重治たちが出払った隙をつき、片淵本家の秘密に迫る雨宮たち。注目すべきは廊下から真っ直ぐ繋がった仏壇だ。仏壇の周囲を調べると蝋燭の灯が揺れていることに気が付く。日が揺れているということは風の通り道があるということであり、仏壇を動かすと隠し通路がそこにはあった。

隠し通路は客人が泊まることになる和室に繋がっており、雨宮たちはこの家も謎の空間を持つ「子供を利用した殺人を実行するための家」だったことを突き止める。隠し通路は二手に分かれており、もう片方も調べようとする雨宮だったが、栗原は三度忠告する。それでも雨宮は真実を知るために隠し通路を突き進む。

そこは左手供養の儀を行なうための洞窟に繋がっており、タカマウシオが祀られていた。そして座敷牢も存在しており、そこには左手供養の儀を行なうために隠された子供が監禁されていた。その瞬間、清次に襲われ、雨宮たちは捕らえられた。

タカマウシオの呪いの正体

変な家の真相

綾乃の夫の慶太は高校時代、いじめられっ子であり、転校生である綾乃に救われた。それ以降、慶太は綾乃に依存するようになり、左手供養の儀にも参加することを条件に婿入りしたのだ。監禁されていた子供はトウヤという名前で、左手供養の儀のために用意された子供だった。

トウヤを育てる内に綾乃と慶太は左手供養の儀を渋るようになる。しかし、本家はそれを許さずに綾乃と慶太の子供のヒロトを人質に取り、綾乃と慶太は幻覚剤で監禁されていた。それを示すように綾乃の腕には注射の痕であるタコが多量に残されていた。

栗原は綾乃と慶太の心情から、世田谷区の変な家に新しい考察を立てる。それは隠し通路にはもう一つの意味があったというものだ。隠し通路は殺人のためだけではなく、片淵本家の人間がトウヤを連れ戻しにきたときに隠れられるようにシェルターとして設計されたというものだった。その考察を聞き、綾乃は静かに頷いた。

依存と洗脳という呪い

村人たちが片淵本家に集合し始める。村全体が左手供養の儀を行なっていたのだ。雨宮は左手供養の儀の生贄として、トウヤに左手首を切り取られそうになる。斧を振り上げるトウヤだったが、寸前のところで自制心で左手首を切り落とさなかった。

雨宮はタカマウシオを祀る台の脚に体当たりして崩し、それに重治が巻き込まれる。慶太が囮となり、雨宮たちは逃げ出すが、その先でチェーンソーを振り回す文乃にも襲われるなど、村全体が雨宮たちを殺そうとしていた。雨宮たちは栗原の考察を利用して、隠し通路をシェルターにした。

安全だと確信したそのとき、清次が襲い掛かってくる。清次は左手供養の儀など信じてはいなかったが、片淵本家の莫大な資産目当てに参加していた。雨宮は左手供養の儀はすべて洗脳というが、清次はそのような洗脳こそ呪いであり、それに依存することで安心感を得ている人物もいると語った。

慶太も含めて、『変な家』では依存と洗脳状態がテーマにあると考察できる。呪いというものは災いや不幸が訪れるという不安感から来るものであり、それを呪いとすることで、お祓いできると信じることが出来る。この点は同じ2024年に公開された『ボーはおそれている』と共通していると考察できる。詳しくはこちらの記事から。

呪いという洗脳と依存を利用していた清次は、そのすべてを死んでいたと思われていた重治に聞かれてしまい、殴られた上で左手を切り落とされる。そして、地下の洞窟が焼け始めているにも関わらず、隠し通路へと重治は戻っていった。

すべてからの脱出

逃げ出した雨宮たちは、駆けつけた喜江のワゴン車で脱出する。車の窓から片淵本家が焼け落ちていくのが見え、トウヤは初めて陽の光を浴びて涙を流した。そうして、雨宮はこのすべてを動画としてまとめることにする。そして、雨宮は脱出後に綾乃からバラバラ死体の発見事件の秘密を聞き出す。

綾乃と慶太夫婦は左手供養の儀を行なうことを条件に、本家から引っ越しすることができた。しかし、トウヤに殺人を実行させる決心がつかない。そのとき、綾乃と慶太夫婦は会いに行った宮江が心臓発作で死亡しているのを見つけた。そして、その左手を本家に送った。

次の年は延期を申し出たが、何者かが代わりの左手を送って来た。それによって本家は綾乃と慶太夫婦を疑いはじめ、子供たちを人質に綾乃たちは本家に連れ戻されて、2人は薬漬けにされた。一方、ニュースでは重治、文乃、清次らの焼死体が発見されたことが報じられ、綾乃たちは消息不明の慶太を待ち続けるのだった。

家の謎は解かれた?

衝撃的なラスト

雨宮はすべての動画をお蔵入りにすることを決意する。しかし、そうなると謎が残る。誰が2人目の左手首を送って来たのかと、誰があのような奇妙な建築を行なったのかということだ。柚希は喜江と綾乃が話しているのを見かける。喜江と綾乃は今も呪いに洗脳され、依存していた。第一の謎の答えは喜江が2人目の左手首を準備したというものだった。

喜江がホームレスの炊き出しのボランティアに参加していたのは、足のつかない人間を探すためだったと考察できる。片淵本家が焼け落ちてもなお、喜江と綾乃は左手供養の儀の生贄を探し続けていた。

そして、雨宮の自宅にいた雨宮と栗原にも疑問が生じる。どのようにして喜江は間宮の自宅に侵入したのか、そして喜江に襲われる直前のドアを叩く音はどこからしたのかというものだ。栗原は雨宮の自宅の間取り図を見ると、謎の空間を見つける。そして、壁を見ると蛆が這い出ていて、壁を引っ掻く音が聴こえるのだった。雨宮の家も変な家であった。

続編の『変な家2』は制作される?

謎を多く残したままで終わった映画『変な家』。佐藤二郎がシャーロック・ホームズを務めた『バスカヴィル家の犬』のような映画『変な家』は、原作小説も続編があることから、映画も続編が制作される可能性がある。様々な映画ランキングで1位を獲得していることからも続編制作の可能性は高いだろう。

また、ラストのクリフハンガーのようなエンディングも気になるところだ。このホラーミステリの今後に期待が高まる。

映画『変な家』は2024年3月15日(金)より全国公開。

『変な家』公式サイト

『変な家』の原作小説は発売中。

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映画『変な家』のトリックと謎についての考察はこちらから。

映画『変な家』の栗原の役割についての考察はこちらから。

『ボーはおそれている』のラストと本作のメッセージについての解説はこちらから。

『ボーはおそれている』劇中にあった8つの伏線の考察はこちらの記事で。

『ボーはおそれている』物語の構造と心理学的なアプローチでの解説はこちらから。

『ボーはおそれている』の音楽について解説はこちらの記事で。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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