『ゴジラ-1.0』の監督受賞はキューブリック以来55年の快挙
2024年3月11日に発表された第96回アカデミー賞にて、『ゴジラ-1.0』(2023)の山崎貴監督が視覚効果賞を受賞した。監督として視覚効果賞を受賞するのは『2001年の宇宙の旅』(1968)以来、55年ぶり史上2人目であり、なおかつアジア映画の作品が受賞するのは史上初の快挙である。
第96回アカデミー賞
視覚効果部門受賞!!アジア初の快挙!
応援ありがとうございます!そして、山崎貴監督、渋谷紀世子さん、
髙橋正紀さん、野島達司さん、
白組の皆さんおめでとうございます!!#Oscar#ゴジラマイナスワン#ゴジラ#GodzillaMinusOne#Godzilla pic.twitter.com/VLBiMALKVs— 『ゴジラ-1.0』【大ヒット上映中】 (@godzilla231103) March 11, 2024
史上初の快挙続きとなった『ゴジラ-1.0』が受賞した視覚効果賞だが、視覚効果賞はVFXの優れた演出を評価するもので、過去には「スターウォーズ」三部作や「インディージョーンズ」シリーズ、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズなど名だたる作品が受賞している。そのような視覚効果賞を日本映画が受賞するのは史上初の快挙である。
快挙続きとなった『ゴジラ-1.0』だが、制作開始は2019年にまで遡る。モンスター・ヴァースを撮影しているレジェンダリーとの契約で、東宝はモンスター・ヴァース作品と同年にゴジラ作品を公開できないことになっていた。
『ゴジラ-1.0』の軌跡
しかし、脚本は水面下で動いており、山崎貴監督は3年かけて『ゴジラ-1.0』の脚本を書き上げた。2019年のコロナ禍で一時制作が中断されたものの、2022年には「超大作怪獣映画」のエキストラ募集が開始され、撮影が始まった。視覚効果に関しては白組が公開年である2023年まで制作した。
当初は80億円を突破する興行成績を記録した『シン・ゴジラ』(2016)の後ということもあり、興行成績などの点で心配されていたが公開されると国内外問わず映画賞を総なめになるという結果を残した。アメリカの各州の映画批評家賞はもちろんのこと、日本アカデミー賞では12部門を受賞することになった。
アメリカの興行収入ではオープニング興収にて1100万ドルという記録を出し、『ゴジラ2000ミレニアム』(1999)の全米興行収入を上回る成績となった。同じくアカデミー賞を受賞した『君たちはどう生きるか』(2023)と合わせてアメリカでの邦画の快進撃は凄まじく、北米全体の興行収入の3分の1近くを占めてみせるという偉業を成し遂げた。
2024年1月28日には北米累計興収は5500万ドルを突破。他のアジア映画の名作である中国映画『HERO』(2002)や韓国映画『パラサイト 半地下の家族』(2019)を抜き、アジア映画での北米興行成績最多という栄誉に輝いた。
北米だけではなく、アメリカでもアジア映画最多の興行成績を叩き出し、日本映画では『子猫物語』(1986)の記録を塗り替えた。それによって全米邦画興行成績の歴代1位を記録している。山崎貴監督はゴジラシリーズの続編にも興味を示しているおり、2024年1月12日からモノクロバージョンである『ゴジラ-1.0/C』も公開されている。そのような『ゴジラ-1.0』の受賞後の情報解禁に注目していこう。
『ゴジラ-1.0/C』は2023年1月12日(金)より全国公開。
山崎貴監督が手がけた『ゴジラ-1.0』の小説版は、2023年11月8日(水)発売で予約受付中。
『ゴジラ-1.0』オリジナル・サウンドトラックのLP盤は2023年12月15日(金)発売で予約受付中。
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