『ファンタビ2』のキャスト・声優に注目
大人気ファンタジーシリーズ「ハリー・ポッター」のスピンオオフ映画シリーズとして登場した「ファンタスティック・ビースト」。第1段『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は2016年に公開され、2018年には第2作目の『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』が公開された。「ファンタスティック・ビースト」は、今や「ハリー・ポッター」に代わる人気シリーズに。今回は、『黒い魔法使いの誕生』を中心に、同シリーズに出演した俳優と日本語吹き替え声優を見てみよう。
#ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
🌜金曜よる7時56分🌛
🎊地上波初放送🎊監督:#デイビッド・イェーツ
原作・脚本:#J・K・ローリング
出演:#エディ・レッドメイン,#キャサリン・ウォーターストン,#ダン・フォグラー,#アリソン・スドル,#ジュード・ロウ,#ジョニー・デップ pic.twitter.com/l9bT8LkG15— アンク@金曜ロードSHOW!公式 (@kinro_ntv) November 9, 2020
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』に出演したキャスト・吹き替え声優
ニュート・スキャマンダー役 エディ・レッドメイン/宮野真守
主人公ニュート・スキャマンダーを演じたのは、イングランド出身のエディ・レッドメイン。もともとは演劇で活躍しており、舞台『Red』(2009)ではトニー賞演劇助演男優賞を受賞。ヒュー・ジャックマンが主演したミュージカル映画『レ・ミゼラブル』(2012)では、マリウス・ポンメルシー役に抜擢された。
2014年には『博士と彼女のセオリー』に主演。若き日のスティーブン・ホーキング博士を演じ、アカデミー賞主演男優賞とゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞。翌2015年の『リリーのすべて』でもアカデミー賞主演男優賞へのノミネートを果たした。そして、2016年より満を持して「ファンタスティック・ビースト」シリーズでの主演がスタート。かつてのダニエル・ラドクリフのように、一大シリーズの顔役となった。
なお、エディ・レッドメインは「ファンタスティック・ビースト」の原作者であり映画の脚本も務めるJ・K・ローリングのトランスフォビア発言について、2020年6月のVarietyで「Jo (ローリング) のコメントには同意しません。トランス女性は女性ですし、トランス男性は男性です。ノンバイナリーのアイデンティティは正当なものです」とコメントしている。一方で、9月には英Daily Mailでトランスジェンダーの人々の権利の正当性を主張しつつも、J・K・ローリングに対するバックラッシュには「本当に酷い」と断罪している。
ニュート・スキャマンダーの声を担当したのは宮野真守。アニメ『DEATH NOTE』(2006-2007) の夜神月役や『機動戦士ガンダム00』(2007-2009) の刹那・F・セイエイなど、主人公級のキャラクターを演じていることで知られる。歌手としても活躍しており、2013年には武道館公演をお港内、シングル「シャイン」(2015) ではソロの男性声優としては初めてオリコンデイリーランキングで1位を獲得した。なお、「ハリー・ポッター」シリーズでは、クリス・ランキンが演じたパーシー・ウィーズリーの吹き替えを担当している。
ティナ・ゴールドスタイン役 キャサリン・ウォーターストン/伊藤静
ティナ・ゴールドスタインを演じたのは、イングランド出身のキャサリン・ウォーターストン。ティナは「ハリー・ポッター」シリーズに登場するアンソニー・ゴールドスタインの親戚という設定で、アンソニーについてはJ・K・ローリングが「ユダヤ系の魔法使い」であると話している。なお、キャサリン・ウォーターストンはニュートを演じたエディ・レッドメインとは遠い親戚という関係だという。
キャサリン・ウォーターストンは2014年に出演した『インヒアレント・ヴァイス』でブレイク。トマス・ピンチョンの小説『LAヴァイス』(2009)を原作にした同作で主演を務めたホアキン・フェニックスと共演し、高い評価を受けた。2016年から「ファンタスティック・ビースト」シリーズに出演すると、2017年には『エイリアン: コヴェナント』、2018年には『mid90s ミッドナインティーズ』に出演している。
環境保護やボランティア活動にも積極的に取り組んでおり、海洋保護団体のOceanaを支援し、コロナ禍においては、ボランティア団体のSparehandを設立。日頃より、セクシャルマイノリティやBlack Lives Matterへの連帯も表明している。
ティナ・ゴールドスタインの声を担当したのは伊藤静。『美少女戦士セーラームーンCrystal』(2014-2015)のセーラーヴィーナス役、『PSYCHO-PASS』(2012-) 六合塚弥生役、『監獄学園』(2015) の白木芽衣子役などで知られる。『クレヨンしんちゃん』(1992-) では、2013年からななこお姉さんの声を務めている。吹き替えでは、『エジソンズ・ゲーム』(2017)でも「ファンタビ」シリーズで担当しているキャサリン・ウォーターストンの声をあてている。
ゲラート・グリンデルバルド役 ジョニー・デップ/平田広明
『ファンタビ2』までゲラート・グリンデルバルドを演じたのはジョニー・デップ。『ハリー・ポッターと死の秘宝PART1』(2011)でゲラート・グリンデルバルドを演じたマイケル・バーンが老人時代を、同作でゲラート・グリンデルバルドの青年期を演じたジェイミー・キャンベル・バウアーが青年時代を引き続き演じている。ジョニー・デップは言わずと知れた名優で、『シザーハンド』(1990)「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ、『チャーリーとチョコレート工場』(2005)「アリス・イン・ワンダーランド」シリーズなど、代表作は枚挙にいとまがない。
ゲラート・グリンデルバルドの声を演じたのは、こちらも名声優の平田広明。『ONE PIECE』(1999-) のサンジ役や、「ファンタビ」にも出演しているジュード・ロウ、マット・デイモン、ジョニー・デップら多くの大物俳優の声を担当している。『ジョーカー』(2019)ではホアキン・フェニックス演じる主人公アーサーの声を演じた。これまでにマッツ・ミケルセンの声を演じたことはないが、アニメ『ソードアート・オンライン』(2012-) で平田広明が演じたクラインは、マッツ・ミケルセンをモデルにしている。
ジェイコブ・コワルスキー役 ダン・フォグラー/間宮康弘
ジェイコブ・コワルスキーを演じたのはニューヨーク出身のダン・フォグラー。ニュートを演じたエディ・レッドメインと同じくミュージル出身で、2005年に出演した『The 25th Annual Putnam County Spelling Bee』でトニー賞演劇助演男優賞を受賞した。映画作品では『ファンボーイズ』(2009)や『パーティー・ナイトはダンステリア』(2011)といったコメディ作品に数多く出演。2016年から「ファンタビ」シリーズに抜擢されると、2018年からは『ウォーキング・デッド』(2010-) にも出演している。
ジェイコブの声を演じたのは間宮康弘。ゲーム「コール オブ デューティ」シリーズではニコライ・ベリンスキーの声を担当している。吹き替えでは、ヴィニー・ジョーンズやマイケル・ペーニャの声を担当。『ファンボーイズ』では、ダン・フォグラーではなくウィリアム・シャトナーとクリストファー・マクドナルドの声をあてている。
アルバス・ダンブルドア役 ジュード・ロウ/森川智之
若き日のアルバス・ダンブルドアを演じたのは、イングランド出身でイギリスを代表する俳優の一人であるジュード・ロウ。「ハリー・ポッター」シリーズでリチャード・ハリスとマイケル・ガンボンが演じたダンブルドア役を引き継いだ。『ガタカ』(1997)、『A.I.』(2001)、『キャプテン・マーベル』(2019) といった多くの名作SF映画にも出演している。『コールド マウンテン』(2003) でアカデミー賞主演男優賞ノミネート、『シャーロック・ホームズ』(2009) ではジョン・ワトソンを演じた。
若き日のダンブルドアの日本語吹き替えを担当したのは森川智之。トム・クルーズやキアヌ・リーブス、ユアン・マクレガー、ジュード・ロウなど、大物俳優の担当声優として知られる。『遊☆戯☆王』(1998)の城之内役や2016年から『クレヨンしんちゃん』で野原ひろし役を演じていることでも知られている。
クイニー・ゴールドスタイン役 アリソン・スドル/遠藤綾
クイニー・ゴールドスタインを演じたのはシアトル出身のアリソン・スドル。シンガーソングライターとして活躍する傍ら演技の仕事も受けていたが、俳優としては「ファンタビ」で初めて大作映画への出演を果たした。「ファンタビ」弾3作目への出演も決定している。
クイニー・ゴールドスタインの声を吹き替えたのは遠藤綾。『マクロスF』(2008)のシェリル・ノーム役や『妖怪ウォッチ』(2014-2019) のフミちゃん役、2016年以降は2代目ミニーマウスの声を担当していることでも知られている。
クリーデンス・ベアボーン役 エズラ・ミラー/武藤正史
クリーデンス・ベアボーン役を演じたのはニュージャージー出身のエズラ・ミラー。『少年は残酷な弓を射る』(2011)での演技で高い評価を受け、『ウォールフラワー』(2012)に出演。『ジャスティス・リーグ』(2017)ではフラッシュ役を演じた。自身がクィアであることに、普段のインタビューで触れている。
クリーデンス・ベアボーンの日本語吹き替えを担当したのは武藤正史。『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』(2014-2015) ではロキ役を演じた。吹き替えではジェシー・アイゼンバーグの声を担当している。
リタ・レストレンジ役 ゾーイ・クラビッツ/森なな子
リタ・レストレンジ役を演じたのはLA出身のゾーイ・クラビッツ。「X-MEN」シリーズではエンジェル・サルバドーレを演じた他、『スパイダーマン: スパイダーバース』(2018)ではMJの声をあてている。2022年公開予定の映画『ザ・バットマン』ではキャットウーマンを演じることになっており、バットマンを演じる主演のロバート・パティンソンとの共演を果たす。
リタ・レストレンジの日本語吹き替えを担当したのは森なな子。宝塚歌劇団出身の声優として知られており、「プリキュア」シリーズではキュアショコラこと剣城あきらの声を担当している。
テセウス・スキャマンダー役 カラム・ターナー/江口拓也
テセウス・スキャマンダーを演じたのはロンドン出身のカラム・ターナー。2017年に『さよなら、僕のマンハッタン』で主演を果たし、翌年の『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』でニュートの兄テセウス役に抜擢された。
テセウス・スキャマンダーの声を担当したのは江口拓也。Netflix『ULTRAMAN』では諸星弾役を演じた。『機動戦士ガンダムAGE』(2011-2012) ではアセム・アスノ、『バキ』(2018) では花山薫などを演じている。また、『江口拓也の俺たちだって癒されたい!』(2016-2019) などの旅番組でも活躍している。
ナギニ役 クローディア・キム/大地葉
人間のナギニを演じたのはクローディア・キムことスヒョン。韓国のモデル・俳優で、Netflixドラマ『マルコポーロ』(2014-2016)への出演や、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)でウルトロンに洗脳される科学者ヘレン・チョ博士を演じたことで知られる。スティーヴン・キング原作の映画『ダークタワー』(2017) ではアラ役を演じている。
ナギニの声を担当したのは大地葉。『魔法陣グルグル』(2017) のジュジュ・クー・シュナムル役、『鬼滅の刃』(2019) の竈門竹雄役、『フルーツバスケット』(2019-2020) の草摩燈路役などで知られる。
ニコラス・フラメル役 ブロンティス・ホドロフスキー/岩崎ひろし
『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001) にもその名前が登場したニコラス・フラメルは、メキシコ生まれのブロンティス・ホドロフスキーが演じている。父は巨匠アレハンドロ・ホドロフスキー監督で、『エル・トポ』(1971)『リアリティのダンス』(2013)での親子共演で知られている。
ニコラス・フラメルの吹き替えを担当したのは岩崎ひろし。「スター・ウォーズ」シリーズではエピソード1からC-3POの声を担当しているほか、『ONE PIECE』ではオロチの声を担当している。吹き替えではスタンリー・トゥッチ、ロビン・ウィリアムズらの声を担当している。
以上が、『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』に出演した主な俳優と吹き替え声優の面々だ。第3作目ではどのような陣容になるのか、次回作にも期待しよう。
映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』は4K ULTRA HD&エクステンデッド版ブルーレイセットが発売中。
映画「ハリー・ポッター」の出演キャストおよび吹き替え声優はこちらの記事から。
「ハリー・ポッター」シリーズの音楽については、こちらの記事から。