『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』エンディング曲に込められたメッセージとは

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『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』ED曲をプレイバック

節目を迎える「X-MEN」シリーズ

「X-MEN」シリーズ最新作にして一つの区切りとなる『X-MEN: ダーク・フェニックス』が公開された。2000年の『X-MEN』からスピンオフを含めると通算12作目、若き日のプロフェッサーXとマグニートーをメインキャラクターに据えたシリーズとしては第4作目にあたる。『ダーク・フェニックス』は、若いミュータントを主軸に展開する次回作『ニュー・ミュータンツ』(2020年公開予定) に向けて、X-MENを一度 “終わらせる” 作品になる。

全ての始まり『ファースト・ジェネレーション』

一つの時代の終焉を迎えるにあたって改めて振り返っておきたいのが、シリーズ中でも屈指の名作として知られる『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』(2011) だ。同作は、映画「X-MEN」シリーズの時系列では最も古い時代を描いている。後のプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアと、後のマグニートーことエリック・レーンシャーの出会いを描き、同胞の存在を知った若きミュータント達が人類との共存と対立の狭間で揺れ動く。

チャールズとエリックの物語

チャールズとエリックは友人であり同胞でありながら、人類に対する姿勢の違いが二人を遠ざけていく。ナチスの強制収容所で人間に母親を殺されたエリックは人類への復讐を、裕福な家庭で生まれ育ちオックスフォード大学で研究職に就いていたチャールズは人類との共存を目指す。アメリカの公民権運動におけるマルコムXとキング牧師の対立と友情をベースにした優れたプロットだ。実は、この作品に込められたメッセージを代弁している曲が存在する。

エンディング曲はテイク・ザット「ラヴ・ラヴ」

『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』のエンディングテーマ曲に採用された「ラヴ・ラヴ (原題: Love Love)」は、イギリスのポップグループ、テイク・ザット (Take That) による公式ソング。テイク・ザットはイギリスの伝説的なボーカルグループであり、「ラヴ・ラヴ」ではゲイリー・バーロウとマーク・オーエンがメインボーカルを務めた。当時は『ファースト・ジェネレーション』の劇中映像が挿入される同曲のミュージックビデオも公開され、話題になっている。

では、『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』のエンディング曲に設定されたテイク・ザットの「ラヴ・ラヴ」は、一体どのような楽曲だったのだろうか。その歌詞からメッセージを読み取ってみよう。

その構成に秘密が

「ラヴ・ラヴ」は、ゲイリー・バーロウとマーク・オーエンが歌うAメロとBメロ以外は、同じブリッジと同じフック (サビ) が繰り返されている。「もうそれほど時間がないんだ」「私たちの手から奪い去られてしまう前に」というブリッジに続いて、フックでは「自分の心に正直になれ」「そして愛を与えるんだ」と歌われている。これだけでは、チャールズとエリックのどちらの心情を表現しているのか、曖昧だ。だが、唯一歌詞に変化があるAメロとBメロの構図を見てみると、そのメッセージが理解できる。

歌詞の内容が対に

実は、この曲のAメロとBメロは対になっており、二人の人物の異なる視点から歌詞がつづられている。Aメロは「君は約束の地から私を地上に引き摺り下ろす」で始まり、Bメロは「私たちは君を母なる国から地上へと連れ戻す」から始まる、といった具合だ。Aメロではエリックの視点で「君は両親のようにはなれない、私たちにはプランがある」と、Bメロではチャールズの視点で「これは神から人の子へ贈られたファースト・クラスの旅路だ、より良い人間への進化は目前だ」と互いに語りかけている。

すれ違う二人の“愛”

興味深い点は、二人が異なる視点に立ちながらも、同じ歌詞のブリッジとサビを共有しているということだ。「自分の心に正直になれ」「愛を与えるんだ」と互いに言い合う様子が、チャールズとエリックの “すれ違い” を端的に表している。そしてもう一つの仕掛けが、「愛を与えるんだ」という言葉の後、サビの最後に置かれた「私に必要なものを与えてくれ」というラインだ。拭い去ることのできないエリックの悲痛な過去、そして人類の愚かさが二人を引き裂いていく——だが、それでも互いが互いの“愛”を求めているということが、この一節に凝縮され、表現されているのだ。

『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』はプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアと、マグニートーことエリック・レーンシャーの出会いとすれ違い、そして二人の間の“愛”を描いた作品だった。そのエンディングテーマ曲「ラヴ・ラヴ」は、そのタイトルに置かれた “二つの愛” のすれ違いと共鳴を代弁する楽曲だったのである。

果たして、この二人の物語はどのような形で終焉を迎えるのだろうか。“最後のX-MEN”、『X-MEN: ダーク・フェニックス』は、2019年6月21日(金) より全国ロードショー。

VG+編集部

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