『DUNE/デューン 砂の惑星』3作目の構想が明らかに
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督はその手を休めるつもりはなさそうだ。2021年10月15日(金) に日本で劇場公開された映画『DUNE/デューン 砂の惑星』の指揮をとるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、CBC’s Radio Canadaの取材に応え、既に第3作目を計画していることを明らかにした。
『DUNE/デューン 砂の惑星』は、SF作家フランク・ハーバートが1965年に発表した同名のSF小説を、デイヴィッド・リンチ監督による『デューン/砂の惑星』(1984) 以来、36年ぶりに劇場映画化したSF大作。壮大なボリュームの原作をフルに映像化するために、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は前後編でこのリブートに挑む腹づもりでいる。
一方で映画『DUNE/デューン 砂の惑星』第2作目の製作は公式には発表されておらず、ワーナー・ブラザースは同作のヒットが確実なものになってからゴーサインを出すものと思われる。そんな中、テッド・チャン原作の映画『メッセージ』(2016) や、フィリップ・K・ディック原案の『ブレードランナー 2049』(2017) といったSF映画を世に放ってきたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の構想は、既に3作目へと向いているようだ。
映画3作目は『砂漠の救世主』の映画化に
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、CBC’s Radio Canadaのインタビューで、1969年に発表されたフランク・ハーバートによる小説「デューン」シリーズの第二作目『デューン/砂漠の救世主』を映画化したいと語っている。
「デューン」の2作目の小説『砂漠の救世主』がありますが、これは素晴らしい映画になると思っています。ずっと映画を三部作にする構想を練っていたんです。その後どうなるかは分かりません。何年もかかる仕事になるでしょうから、それ以上のことは考えられません。
これまで、映画第1作目の『DUNE/デューン 砂の惑星』では小説第1作目の前半部分を描き、続く映画第2作目で後半部分を描くとされていた。このため、宿敵フェイド・ラウサ・ハルコネンの登場を映画第2作目に回すなど、複数作の公開を前提とした映画製作が可能になっていた。
そして、ここに来て第3作目の製作に意欲を見せるどころか、小説版でポールのその後の姿を描く『砂漠の救世主』の実写映画化に向けて、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督はその構想を明かしたのだった。
進む「デューン」フランチャイズ化
なお、ワーナー・ブラザースは新型コロナウイルス感染症拡大前には複数の映画シリーズやドラマシリーズを含む「デューン」のフランチャイズ化に積極的に乗り出していた。現在ではコロナ禍にあって、『DUNE/デューン 砂の惑星』の続編を含むシリーズ作品の製作は様子を見つつ、ということになっている。一方で、2021年7月にはドラマ『デューン:シスターフッド』の脚本・製作総指揮・ショーランナーにダイアン・アデム=ジョンが就任することが報じられた。
『デューン:シスターフッド』の原作はフランク・ハーバートの息子のブライアン・ハーバートとケヴィン・J・アンダースンの共著『The Sisterhood of Dune』(2012) になると見られている。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がフランク・ハーバートによる6作を映画化し、その後のシリーズをドラマやアニメなどで展開する可能性もあり得そうだ。
発表から半世紀が経っても話題に事欠かない「デューン」。今後の展開も注視していこう。
追記:米時間の2021年10月26日、『DUNE/デューン 砂の惑星』の続編製作が正式に発表された。詳細はこちらから。
映画『DUNE/デューン 砂の惑星』は2021年10月15日(金)より劇場公開。
Source
CBC’s Radio Canada
フランク・ハーバートによる小説第1作目『デューン 砂の惑星』は、酒井昭伸による新訳版が上中下巻でハヤカワSF文庫から発売中。
今回続編の原作として名前が挙がった『デューン砂漠の救世主』の日本語版は、1985年に矢野徹による翻訳でハヤカワ文庫から出版されている。
映画『DUNE/デューン 砂の惑星』続編製作の経緯と今後のフランチャイズ化についての詳細はこちらから。
ハンス・ジマーが手がける『DUNE/デューン 砂の惑星』のサントラ情報はこちらから。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が語った「SF映画を作る理由」はこちらの記事で。