スタジオよりロケ! 『デューン』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が現地での撮影にこだわる理由とは | VG+ (バゴプラ)

スタジオよりロケ! 『デューン』ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が現地での撮影にこだわる理由とは

©️ WARNER BROS PICTURES

SFを手がけるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督

『メッセージ』(2016)や『ブレードランナー 2049』(2017)といったSF映画を手掛けてきたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の最新作『デューン』が2020年内に公開を控えている。『デューン』はフランク・ハーバートのSF小説を原作にしたSF大作映画で、かつてデイヴィッド・リンチ監督が手がけた『デューン/砂の惑星』(1984)以来、スクリーンにカムバックするのは36年ぶりとなる。

近年、立て続けにSF大作映画の指揮をとっていることについて、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は第23回上海国際映画祭で公開されたインタビューの中で、その真相を明らかにした。元々SFファンだったという1967年生まれの同監督は、50代を迎えた今、思う存分SF映画製作に取り組んでいるという。

このインタビューの中で、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督はSF映画の製作に欠かせない演出について語っている。曰く、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督はSF映画をスタジオではなく現地で撮影することについて、あるこだわりを持っているというのだ。

なぜ現地ロケ?

インタビュアーから「なぜSF映画をグリーンスクリーンの前ではなく、現地ロケで撮影することが重要なのでしょうか」と聞かれ、こう語っている。

コンピューターは非常に強力な武器です。多くの場面を、世界を作り出すことができます。昔はできなかったことですよね。
かつて、映画監督と美術担当者は非常に複雑な技術で物を造り出せるその道のマスターでした。それが今ではコンピューターのおかげで1万倍も楽になっています。かつてない柔軟性を手に入れたことは間違いありません。

しかし、私個人としては、結局のところ映画の魂というのは、言葉と俳優にあると思っています。そして、それを最大限に引き出すためには俳優の方々にはインスピレーションを得てもらわなければいけません。そのためには、一定の現実味が必要だと考えています。

『ダークナイト』(2008)『インセプション』(2010)で知られるクリストファー・ノーラン監督もまた、最新作の『TENET/テネット』(2020年9月18日日本公開予定)では、全て現地ロケで撮影を行なっているという。架空の世界を描き出すSF映画だからこそ、演者に現実感を与え、見る人々にも世界観に入り込める工夫がなされているのだ。

「デューン」シリーズは砂の惑星アラキスを舞台にした壮大な作品だ。今回のリブートにあたって、ワーナー・ブラザースはこの原作の世界観を再現するために、ドラマ版も含むフランチャイズ化を予定している。ドラマシリーズ『デューン : シスターフッド (原題: Dune : The Sisterhood)』もドゥニ・ヴィルヌーヴが製作と監督を手がけるため、こちらでも“現地主義”は徹底されることになりそうだ。

©️ WARNER BROS PICTURES

なお、映画『デューン』でレディ・ジェシカを演じるレベッカ・ファーガソンは、ハンガリーのブダペストで『デューン』の追加撮影が行われることを報告HungaryTodayは8月にキャストがハンガリーに戻ってきたことを報じている。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が手がけるリブート版『デューン』は、米国で2020年12月18日公開予定。

VG+編集部

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