ホアキン・フェニックスとヒース・レジャー、“ジョーカー”でアカデミー賞主演男優賞と助演男優賞を受賞 | VG+ (バゴプラ)

ホアキン・フェニックスとヒース・レジャー、“ジョーカー”でアカデミー賞主演男優賞と助演男優賞を受賞

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『ジョーカー』のホアキンに主演男優賞

米時間の2020年2月9日(日)、第92回アカデミー賞の授賞式が開催された。韓国映画『パラサイト』が外国語作品として史上初の作品賞を受賞するなど、歴史に残る授賞式となった。

今年最多となる11部門ノミネートが話題となっていた映画『ジョーカー』は、作曲を手がけたヒドゥル・グドナドッティルが作曲賞を受賞。

そして、主演のホアキン・フェニックスが主演男優賞を受賞した。

“ジョーカー”は二度目のオスカー

ホアキン・フェニックスは4度目のアカデミー賞ノミネートにして、初めてオスカーの栄誉を手にすることになった。だが、“ジョーカー”というキャラクターにとっては、これが2度目のオスカーとなる。そう、ヒース・レジャーが『ダークナイト』(2008) で演じたジョーカーもまた、アカデミー賞を受賞しているのだ。

クリストファー・ノーラン監督が手がけた映画『ダークナイト』におけるヒース・レジャーの“狂気の演技”は世界中の人々の心を掴み、今から11年前のアカデミー賞において史上4番目の若さで助演男優賞を受賞した。

アカデミー賞では同一キャラ受賞の前例

ホアキン・フェニックスは主演男優賞、ヒース・レジャーは助演男優賞を、共に“ジョーカー”として受賞した。実はアカデミー賞では同一キャラクターによる主演男優賞と助演男優賞の受賞は過去に実現している。1972年に『ゴッドファーザー』でマーロン・ブランドが演じたヴィトー・コルレオーネが主演男優賞を、1974年に『ゴッドファーザー PART II』でロバート・デ・ニーロが演じたヴィトー・コルレオーネが助演男優賞を受賞しているのだ。

だが、マーロン・ブランドは当時、ハリウッド映画界における偏見まじりのネイティブアメリカンの描き方に抗議するため、主演男優賞の受賞を拒否。ヒース・レジャーのジョーカーはアカデミー賞助演男優賞を受賞しているため、ホアキン・フェニックスが『ジョーカー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したことで、正真正銘、ジョーカーが初めてアカデミー賞主演男優賞と助演男優賞を受賞したキャラクターになった。

『ゴッドファーザー』では老いたヴィトー・コルレオーネと若き日のヴィトー・コルレオーネが描かれた。『ダークナイト』と『ジョーカー』は世界観が異なるため、同一キャラクターがイメージを創り直す形で主演と助演としてアカデミー賞を受賞したのだからなおさら異例の快挙。『ジョーカー』にも出演し、作品にも多大な影響を与えたロバート・デ・ニーロが実現できなかったダブル受賞を、ホアキン・フェニックスはヒース・レジャーと共に実現したのだ。

『ダークナイト』におけるヒース・レジャーと、『ジョーカー』におけるホアキン・フェニックスは、全く異なるジョーカー像を提示しながら、ハリウッド最高の栄誉に輝いた。ホアキン・フェニックスがその役作りにおいてヒース・レジャーを参考にしなかった理由については、以下の記事に詳しい。

ゴールデングローブ賞もダブル受賞

なお、米時間の1月6日(月)に開催されたゴールデングローブ賞の授賞式においても『ジョーカー』は作品賞こそ逃したが、主演のホアキン・フェニックスが主演男優賞を受賞している。

ホアキン・フェニックスは『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(2006) でもミュージカル・コメディ部門の主演男優賞を受賞しており、二度目の主演男優賞受賞になった。そして、『ダークナイト』のヒース・レジャーもまた、ゴールデングローブ賞を受賞している。第66回ゴールデングローブ賞で助演男優賞を贈られたのだ。ヒース・レジャーは『ダークナイト』の公開前に急死したため、ゴールデングローブ賞はアカデミー賞と共に死後の贈賞となっている。

時を超えて、異なる俳優に演じられながら伝説となっていく“ジョーカー”というキャラクター。また新たな伝説が歴史に刻まれた。

『ジョーカー』は劇場未公開の吹き替え版を含むデジタル版、DVD&Blu-rayが発売中。

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