『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』11月11日公開
2023年11月11日(金) 日米同時公開の映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は、ドラマ『ワンダヴィジョン』(2021) から始まったMCUフェーズ4最後の映画作品になる。前作『ブラックパンサー』(2018) で主演を務めたチャドウィック・ボーズマンが大腸癌で逝去してから2年、本作では王ティ・チャラの死をきっかけに侵略の脅威に立たされるワカンダの物語が描かれる。
その侵略者として描かれると考えられているのは、海の王国タロカンの王ネイモアだ。なお、ネイモアは原作コミックではアトランティスの王子だが、アトランティスという名前がDCコミックスの「アクアマン」に登場する文明の名前を被っているため、MCUではタロカンに変更されている。
ネイモアは、特報映像の最後には新たに登場するスーツに金のラインが入ったブラックパンサーと対峙シーンも見られた。『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』のヴィランはネイモアで決まりだと考えられていたが、この度、ネイモアを演じたテノッチ・ウエルタがこれを否定しているとも取れる発言をしている。
ネイモア役テノッチ・ウエルタが語る
テノッチ・ウエルタはメキシコ生まれのメキシコ人俳優。多くのメキシコ映画やスペイン語ドラマで活躍してきた俳優だ。そのテノッチ・ウエルタが、英Empire誌のインタビューに答える中で『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』におけるネイモアの立ち位置についてこう語っている。
ラテンアメリカン(南米系)の俳優は、ハリウッドではいつも悪役です。そして今回、私たちはヒーローになります。またはアンチヒーローにね。
「またはアンチヒーロー」という留保はつけているが、ネイモアは本作で明確なヴィランとして登場するわけではないことを示唆している。確かに前作『ブラックパンサー』でも、キルモンガーはヴィランでありながら確固たるバックグラウンドと信念を持ったキャラクターだった。単純明快な悪役は登場しないというのは「ブラックパンサー」フランチャイズの定番になっていくのかもしれない。
ラテン系俳優の活躍
テノッチ・ウエルタは加えて「私たち(ラテンアメリカンは)ハリウッドで誇れるものを築いています」ともコメントしている。2022年5月に公開された映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』では、メキシコ人の両親を持つラテン系アメリカ人のソーチー・ゴメスがアメリカ・チャベス役を演じた。
同作の製作総指揮を務めたビクトリア・アロンソは「彼女はLGBTQ+コミュニティとラテン系コミュニティの両方を代表している」と、その重要性を解説し、「LGBTQ+コミュニティの一員であり、大きな力を持っている若いラテン系の人物です。子ども達は自分たちの姿が表現されているのを見たいのです」と語った。
また、2022年10月7日(金)からDisney+で配信を開始するハロウィン・スペシャルのMCUドラマ『ウェアウルフ・バイ・ナイト』では、メキシコ生まれのメキシコ人俳優ガエル・ガルシア・ベルナルが主人公ウェアウルフ・バイ・ナイトを演じる。ちなみにガエル・ガルシア・ベルナルは「スター・ウォーズ」ドラマ『キャシアン・アンドー』(2022-) の主演を務めるメキシコ人俳優ディエゴ・ルナとは幼馴染という関係だ。
アメリカ合衆国における中南米系の人口は全体の2番目に及ぶ。ハリウッドで活躍するラテン系の俳優に、ネイモア役のテノッチ・ウエルタが新たに名を刻むことになるのだろうか。
映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は2022年11月11日(金)公開。
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