予告編 解説&考察『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』ククルカンとは? アステカとの繋がりをチェック | VG+ (バゴプラ)

予告編 解説&考察『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』ククルカンとは? アステカとの繋がりをチェック

© 2022 Marvel

『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』予告編公開

2022年11月11日(金) 公開の映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』より、本予告が公開された。これまで本作の映像は7月に公開された特報だけだったが、遂に全貌が明らかになる。なお、この予告編は9月に開催されたファンイベントのD23 Expoの会場限定で上映されたものとほとんど同じものになっているという。

今回は様々な要素が散りばめられていた『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』の予告編の各シーンを解説&考察していこう。

『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』予告 解説&考察

タロカン=アステカ?

本予告で冒頭から登場するネイモアは、なにやら壁に絵を描いている。その絵はアステカ文明の壁画に思わせるものになっている。原作コミック版のネイモアはアトランティスの王子という設定だが、MCU版のネイモアはタロカンの王という設定になっている。これはDC映画「アクアマン」の設定との重複を避けるためだが、“タロカン”の語源はアステカの雨の神トラロックの楽園“トラロカン”だと考えられる。

また、MCUのタロカンは海底王国という設定だが、アステカには洪水に飲み込まれて人類は魚になったという伝説がある。アステカとは後のメキシコのことだが、ネイモアを演じるテノッチ・ウエルタはメキシコ人の俳優だ。タロカンはアステカをモデルにした王国と考えて間違いないだろう。

なお、アステカはスペインの侵略によって滅亡しており、ヨーロッパ諸国の植民地主義の犠牲になった歴史はアフリカの経験と重なる。ネイモア役のテノッチ・ウエルタはネイモアを「ヒーロー」と語っており、ワカンダとタロカンという似た歴史を持つ国同士の関係に焦点が当てられることになりそうだ。傷つけられてきた歴史を物語るように、予告編ではネイモアは「傷ついた者だけが偉大な指導者となる」と言いながら玉座につく。

ククルカンとは?

涙を流すオコエやタンカー船に乗り込むタロカンの人々が映し出された後、エムバクは人々に「ヤツは将軍でも王でもない。“ククルカン”、羽をもつ蛇の神だ」と解説する。この場面では、自らが率いるジャバリ族の他にドーラ・ミラージュの姿も見受けられる。エムバクはタロカンに詳しいのだろうか。なお、エムバクがティ・チャラの死に直面してもその玉座を狙っている様子がないということも注目に値する。

エムバクが口にした“ククルカン”とは、アステカやマヤでも崇拝されていた神の名前。ケツァルコアトル(ケツァル=鳥、コアトル=蛇)とも呼ばれ、エムバクが言う通り羽のある蛇の神である。なお、ケツァルコアトルは白い顔をしていると言われ、スペイン人のエルナン・コルテスがアステカに入植した時に、現地の人々がケツァルコアトルの再来だと考えて対応が遅れたと言われている。

やはり、『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』のタロカンは、古代アメリカ文明とのつながりが強いように思われる。そしてエムバクが語った通り、ククルカンたるネイモアは足についた羽根で飛びながら登場。マーベルの飛行キャラはアイアンマン、ファルコン、ワンダ、ビジョンらと、それほど多いわけではないが、いずれも強キャラだ。

エムバクが「彼を殺せば終わりなき戦争を生む」と言うと、シュリは「ヤツが来る。この地上に」とつぶやく。ラモンダ女王とアイアンハートことリリ・ウィリアムズの前のウィンドウには空から降り立ったネイモアの姿が映っている。ドーラ・ミラージュのメンバーによる相変わらずキレキレなアクションシーンも。

アイアンハート登場

ビーチでネイモアと対峙したラモンダは交渉をしているのだろうか。タロカンがなぜワカンダと対立することになるのかという点にも注目したい。前作にも登場したカーチェイスシーンも公開されているが、注目は車の上空を飛んでいるドローンのような機体だ。

MCUのドローンといえば、映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019) におけるミステリオのドローンや、ドラマ『ミズ・マーベル』(2022) におけるダメージ・コントロール局のドローンが挙げられる。だが、ここで飛んでいるのはおそらくアイアンハートではないだろうか。今回の予告編でその姿が解禁されたアイアンハートだが、このカーチェイスシーンから登場していたことになる。

ラモンダは特報にも登場した国連での演説で「こうお考えでは? “王はもういない。攻撃するなら今だ”と」と言い放つ。映像ではワカンダの街が洪水に襲われ、ワカンダの玉座の間にも大量の水が入り込む。ワカンダの上空を自在に“跳ねる”ネイモアの姿も。通常の飛行とは異なり、ほとんど慣性の影響を受けない動きができるようで対峙する相手の苦戦は必至だ。

そして予告編の終盤ではついにアイアンハートの姿が明らかになる。ガラクタのような部品と向き合うリリ・ウィリアムズの姿が映った直後、空を飛ぶアイアンハートの姿が。原作よりもゴツゴツとしたアーマーになっており、ハルクバスターを思わせる迫力だ。スーツの中ではアイアンマンと同じようにリリの顔周辺にデータが表示されている。

リリ・ウィリアムズは原作コミックでは15歳の天才科学者。「アイアンマン」の後継シリーズである「アイアンハート」の主人公で、MCUでもドラマ『アイアンハート(原題)』が2023年秋に配信される予定となっている

なお、トニー・スタークの相棒だったウォーマシンことローディを主人公に据える『アーマー・ウォーズ(原題)』はドラマ作品から映画作品への変更が発表されたばかり。こちらは「トニー・スタークの技術が悪の手に渡ったらどうなるか?」が描かれるとされており、リリ・ウィリアムズが使いこなしている技術と関連があるのかどうかにも注目だ。

新ブラックパンサーは誰?

『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』予告編のラストは、ラモンダが「示すのです。我々の力を」と号令をかけると、水と炎に覆われた玉座の間に立つシュリの姿が映し出される。そして、高所から舞い降りたのは金色のラインが入った新たなブラックパンサーだった。

特報映像の最後にその後ろ姿と腕だけが映ったブラックパンサーと同一人物だろう。その足元には雪が積もっているようにも見える。着地した際には紫色の光が身体に走っているが、これは前作『ブラックパンサー』でシュリが開発したエネルギーの吸収・蓄積機能だろう。

今回の予告編と共に公開された新たなポスターには、シュリが中央で「ワカンダ・フォーエバー」のポーズをとり、その背後に新たなブラックパンサーの姿がある。新たなブラックパンサーは誰なのか、その答えはシュリだということでほぼ間違いないだろう。

その他に考えられる可能性としては、ワカンダの人々がティ・チャラのレガシーとしてブラックパンサーを引き継ぎ、複数の人物がブラックパンサーに変身できるようになる、という展開もあり得るかもしれない。

問題は、新たなブラックパンサーが戦う相手は誰なのか、ということである。前回の特報ではブラックパンサーとネイモアが向き合っている場面が映し出されたが、エムバクが言うようにネイモアはタロカンの英雄的な存在のようだ。ネイモア役のテノッチ・ウエルタは、インタビューでネイモアのことを「ヒーロー」と語っており、真の敵は他にいるものと考えられる。

それは、ラモンダが語るように、ティ・チャラ王がいなくなりワカンダを「攻撃するなら今だ」と考える西欧諸国ではないか。だとすれば、西欧諸国から略奪されてきた歴史を持つアフリカにあるワカンダと、アステカをモデルにしたタロカンは共通の敵に対して挑むことになるのではないだろうか。

その答えは、ぜひとも劇場のスクリーンでチェックしよう。

映画『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は2022年11月11日(金)公開。

『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』公式サイト

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ネイモア役のテノッチ・ウエルタが語ったラテン系俳優がネイモアを演じることの意義についてはこちらの記事で。

『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』特報の解説と考察はこちらの記事で。

特報で流れたTemsが歌う楽曲「ノー・ウーマン、ノー・クライ」は無料で公開されている

MCU入りの『デッドプール3』についての発表と、過去シリーズでのウルヴァリンの経歴まとめはこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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