映画『ブラックアダム』12月2日公開 “最恐のアンチヒーロー”はDCU/DCEUに追い風もたらすか | VG+ (バゴプラ)

映画『ブラックアダム』12月2日公開 “最恐のアンチヒーロー”はDCU/DCEUに追い風もたらすか

© & ™ DC. ALL RIGHTS RESERVED

映画『ブラックアダム』12月2日公開

スーパーマンやバットマンといった人気ヒーローを擁するDCコミックスの作品をユニバース展開しているDCU(DCEU/DCエクステンデッド・ユニバースをリブランドしてDCユニバースに名称を変更)より、最新作となる映画『ブラックアダム』が公開される。DCU作品としてはドラマ『ピースメイカー』(2022-) に続く作品で、DCU映画としては『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(2021) 以来の新作になる。

『ブラックアダム』の主演を務めるのは、“ザ・ロック”の愛称で知られるドウェイン・ジョンソン。フランク・ウルフ役を演じた『ジャングル・クルーズ』(2021) に続き、ジャウム・コレット=セラ監督とタッグを組む。なお、ドウェイン・ジョンソンはDCU映画『シャザム!』(2019) の製作総指揮も務めている。

『ブラックアダム』で描かれるのは、原作コミックではシャザムのヴィランだったブラックアダムことテス・アダムの物語。 映画『シャザム!』では、魔術師シャザムが前任者の存在を明かしていたが、それがブラックアダムということになる。

ブラックアダムことテス・アダムは、シャザムになったビリー・バットソンと同じく魔術師から力を授かる。愛する者を殺されたテス・アダムは力を授かったものの、その力を復讐に使ったため封印されてしまう。それが5,000年前のことで、テス・アダムは現代に蘇り、再び復讐のために“破壊神ブラックアダム”として立ち上がる。

映画『ブラックアダム』でブラックアダムが対峙するのは、ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ (Justice Society of America)、略してJSAだ。JSAはDCの原作コミックで1940年に誕生した古参のヒーローチーム。いわばスーパーマンやワンダーウーマンが所属するジャスティス・リーグの先輩チームで、ブラックアダムもそのメンバーだったことがある。

『ブラックアダム』の予告編では、「スーサイド・スクワッド」で同チームを指揮した政府の高官アマンダ・ウォラーも登場。ウォラーはドラマ『ピースメイカー』でもピースメイカーが所属するチームの黒幕になっている。ウォラーがボスと思われるJSAには、空が飛べるホークマン、未来が見えるドクター・フェイト、巨大化できるアトム・スマッシャー、嵐を操るサイクロンが所属する。圧倒的な力を誇るブラックアダムにどう挑むのだろうか。

ホークマンを演じるのは『』ストレイト・アウタ・コンプトン』(2015) でMC Ren、『あの夜、マイアミで』(2020) でジム・ブラウンを演じたオルディス・ホッジドクター・フェイト役を『007 ゴールデンアイ』(1995) から5代目ジェームズ・ボンドを演じたことで知られるピアース・ブロスナンが演じる。アトム・スマッシャー役は「好きだった君へ」で主人公ノア・センティネオを演じたピーター・ケヴィンスキーが、サイクロン役をNetflixドラマ『トリンケット 〜小さな宝物〜』(2019) でタバサ役を演じたクインテッサ・スウィンデルが演じる。

「DC史上最恐のアンチヒーロー」と銘打たれたブラックアダムは豪華キャストが演じるJSAと共にどんな活躍を見せるのだろうか。

DCUの展開にも注目

映画『ブラックアダム』は、親会社のワーナー・ブラザースの再編に揺れるDCUにおいて、2022年唯一の映画作品になる。DCUは当初、DCEUとしてザック・スナイダー監督が「スーパーマン」をリブートした『マン・オブ・スティール』(2013) に始まり、バットマンとスーパーマンの衝突を描いた『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)、マーベルのMCUに先んじてヴィランチームの映画化に成功した『スーサイド・スクワッド』(2016)、こちらもMCUより先に女性単独主人公を実現した『ワンダーウーマン』(2017) と、立て続けに作品を発表してきた。

しかし、MCUの「アベンジャーズ」の成功を追うように公開された『ジャスティス・リーグ』(2017) は、同年公開の『ワンダーウーマン』以下の興行成績に終わり、ジョス・ウェドン監督が完成させた内容面も低い評価を受けた。その後、バットマン役のベン・アフレックがアルコール依存症の治療のために同役を降板するなど、ドラマにアニメに拡大を続けるMCUの状況に反して厳しい状況が続いた。

更に、DC&ワーナー内では、『ジョーカー』(2019)、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(2022) といったDCUに属さないDC原作の単独映画が成功を収める。それでも、DCUは2018年にはジェイソン・モモア主演の『アクアマン』、2019年にはザッカリー・リーヴァイ主演の『シャザム!』、2020年にはマーゴット・ロビー主演の『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』にガル・ガドット主演の『ワンダーウーマン 1984』と、チームアップしない単独作品が商業的な成功を収めることに。

2021年には、『ジャスティス・リーグ』の本来の姿である『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』がリリースされ、DCUの命運を分けた同作が“供養”されると、同年ジェームズ・ガン監督が指揮した『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』が公開。同監督はDCU初のドラマシリーズ『ピースメイカー』(2022) も指揮すると、同作はシーズン2への更新が決定した。

そして、ジェームズ・ガン監督は『ブラックアダム』の米公開から4日後にあたる2022年10月25日に、ワーナー傘下に新設される“DCスタジオ”の共同会長兼CEOに就任することが発表された。ジェームズ・ガンは今後の4年間にわたってDCEU作品全体の統括を行うことになる。

こうした一連のDC立て直しの流れの中でドウェイン・ジョンソンというスターを主役に据え、公開されるのが『ブラックアダム』だ。MCUの後追い感もあったDCUだが、ヴィランやアンチヒーローをメインに据える映画作品はMCUに先駆けて成功を収めたジャンルになる。また、DCUではブラックアダムと関わりの深いシャザムの新作『シャザム!〜神々の怒り〜』が2023年3月17日に日米同時公開を予定している。

『ブラックアダム』は2022年10月21日(金)に全米で公開されると3週連続第1位の大ヒットを記録し、全世界興収は日本公開の時点で3億7,800万ドルを超えている。この勢いのままDCUは復活を遂げるのか、今後の展開に注目しよう。

映画『ブラックアダム』は2022年12月2日(金)より劇場公開。

『ブラックアダム』公式サイト

なお、DCとワーナー・ブラザースを取り巻く問題については、こちらの記事に詳しい。

ブラックアダム誕生のストーリーは中沢俊介・内藤真代 訳のコミック『シャザム!:魔法の守護者』に収録されている。

¥2,200 (2023/02/02 03:22:26時点 Amazon調べ-詳細)

 

【!ネタバレ注意!】『ブラックアダム』ラストの解説&考察はこちらの記事で。

『ザ・バットマン』がDCU(DCEU)に属さない理由はこちらから。

『ジャスティス・リーグ: ザック・スナイダーカット』で描かれたジョーカーについての解説はこちらから。

『ザ・スーサイドスクワッド』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。

あの人が登場する『ザ・バットマン』未公開シーンの解説はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
お問い合わせ

関連記事

  1. 『DUNE/デューン 砂の惑星』予告編から読み取る過去作へのオマージュ【デヴィッド・リンチ、ホドロフスキー】

  2. NetflixがSF小説『中継ステーション』を映画化へ——『猿の惑星』マット・リーヴス製作

  3. ラスト&ポストクレジット ネタバレ解説『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』最後の〇〇、原作では? 考察&感想

  4. MCU『スパイダーマン』3作目 撮影現場の写真が公開! トムホが“マスク着用”を呼びかける