『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』のファッションに注目
1989年に公開された映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』。1985年に公開された第1作目は、そのキャスト、音楽、ファッションなど、様々な要素が高く評価された。前作の大ヒットを受けて製作されたのがこの『PART2』だが、こちらもキャストと音楽の選択にぬかりはない。
ファッションについては、第1作目でマーティはナイキにカシオ、ゲスと、1985年当時の流行を最大限に取り入れたアイテムに身を包んでいた。『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』は2015年の未来を登場させた作品だったが、どのようなアイテムをチョイスしていたのだろうか。今回は、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』でマーティが身を包んだファッションをチェックしてみよう。
自動乾燥ジャケット
2015年にタイムスリップしたマーティは、2015年に合った服装に着替える。濡れても自動で服を乾かしてくれる赤い自動乾燥ジャケットだ。こちらは映画のために制作されたジャケットだが、2015年にはFalyon Wearable Techという企業が“Kickstarter”でクラウドファンディングを実施、実際に自動乾燥ジャケットを制作し、2018年には改良版が開発されている。1着約2万円で、様々な機能がついた優れものだが、残念ながらサイズ調節機能はついていないようだ。
実は登場していたマルチーノのジャケット
なお、前作でマーティが着用していたマルチーノのデニムジャケットは、『PART2』に意外な形で登場している。2015年の世界でショーウィンドウの中に飾られているのだ。マーティがスポーツ年鑑を見つけるシーンで、すぐ後ろのマネキンがマーティのジャケットを着ている。これは深い意味があるわけではなく、ただのジョークである。
ポケットを出したジーンズ
前作ではゲスのジーンズをはきこなしていたマーティだが、『PART2』では2015年の流行に合わせてポケットを出してジーンズを履いている。だが、マーティJr.はジーンズそのものを表裏逆に履いている。
虹色キャップ
角度によって色が変わる虹色キャップも映画オリジナルのもの。2009年にDiamond Selectが寸分違わぬクオリティのキャップを発売している。
靴ひも自動調整機能付き ナイキ マグ (NIKE MAG)
そして誰もが知る“靴ひも自動調整機能”付きの未来のナイキのシューズ、“NIKE MAG”だ。未来のスニーカーは自分で靴ひもを結ぶ必要はないというアイデアも、ナイキ自身が2011年と2016年に現実のものにしている。
2011年に1,500足がチャリティ販売されたNIKE MAGは、厳密には自動で靴ひもを締める機能はないレプリカ版。2016年にアップグレードされたMAGは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』の公開年に合わせた“89足”限定で発売され、映画と同じく自動的に靴ひもが足にフィットするようになっており、自分で調整できるボタンも備わっている。双方の売り上げはマーティ役のマイケル・J・フォックスが立ち上げたパーキンソン病の人々を支援する基金に寄付されている。
以上が、マーティ・マクフライが『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』の2015年の世界で身にまとっていたファッションだ。前作とは違い映画オリジナルの衣装で固められていたが、後に様々なブランドがこれらを現実のものにしている。それほど映画自体がファンに愛されたということだろう。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』のファッションには、2015年を通り越しても色あせない、そんな不思議な魅力がつまっている。
第1作目での1985年のマーティのファッションについてはこちらの記事に詳しい。
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『PART2』で流れた曲の解説はこちらから。
『PART2』に出演した俳優と吹き替え声優のまとめはこちらから。