シモン・ストーレンハーグは何故『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』を描いたのか——「時間がなくて…」 | VG+ (バゴプラ)

シモン・ストーレンハーグは何故『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』を描いたのか——「時間がなくて…」

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『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』誕生秘話語る

スウェーデン人アーティストのシモン・ストーレンハーグが2014年に発表したストーリー付きイラスト集の『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』。同じタイトルでAmazonスタジオがドラマ化、2020年4月3日(金)より配信を開始している。ドラマ版のあらすじ、みどころは以下の記事に詳しい。

なぜ『ザ・ループ』を描いたのか

今回Amazonプライビデオでドラマ版『ザ・ループ』の配信が始まったことで、改めてシモン・ストーレンハーグの作品に注目が集まっている。そんな中、Amazonスタジオはシモン・ストーレンハーグのインタビュー動画を公開、イラスト集『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』の誕生秘話について、シモン・ストーレンハーグ自身が語っている。

『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』を描き始めた意外なきっかけについて、シモン・ストーレンハーグは以下のように話す。

野生の動物や風景画を描きたかったんです。でもロボット (を描くの) も好きだった。そして、二つのプロジェクトを同時にやる時間がなかったんです。だから同じ作品の中でやるしかありませんでした。よりクールな作品になりましたけどね。

なんと、田舎の風景とSF要素が入り混じった独特の作風は、「やりたいことを両方やる時間がなかった」という理由で生まれたのだという。どちらかを選び、どちらかを捨てるという選択ではなく、「両方やればいい」という発想が『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』という作品を生み出したのだ。シモン・ストーレンハーグのこの姿勢は、私たちの生活においてもヒントになるかもしれない。

「人間をどう表現するか」

『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』の実写ドラマ化にあたっては、「人間をどう表現するか」に重きを置いて話し合いを行ったと語っている。その理由については、以下のように話している。

サイエンスフィクションというは、“スケール”が問題になります。例えば、背景に巨大なものが写っているとかね。でも、人々は同じであるべきです。

つまり、SF的な世界観に映る人間たちも、現実に生きている私たちと同じような存在でなければならないというのが、シモン・ストーレンハーグがこだわった部分だったのだ。確かに、ドラマ版『ザ・ループ』では、人々の等身大の弱さと強さが際立つエピソードが並んでいる。

また、実写化されたこと自体については、「自分が描いたものを突然数百人の人たちが実体化させるというのは、変な感覚がしました」と語る。一方で、「これらの (『ザ・ループ』の) 物語は伝えられるべきものだと感じていた」とも話し、実写ドラマ化を喜んでいる。

シモン・ストーレンハーグが『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』に続いて2016年に発表した『エレクトリック・ステイト THE ELECTRIC STATE』は、「アベンジャーズ」シリーズのルッソ兄弟の指揮のもと映画化されることが決まっている。『エレクトリック・ステイト THE ELECTRIC STATE』も日本語版がグラフィック社から発売されているので、こちらもチェックしておこう。

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なお、シモン・ストーレンハーグは『ザ・ループ』のドラマ版でオープニングアニメーションの原案も手がけている。

また、シモン・ストーレンハーグがスウェーデン出身であることから、スウェーデン政府が『ザ・ループ』のドラマ化を応援している。

ドラマ版のあらすじは以下の記事から。

シモン・ストーレンハーグの世界観が忠実に再現されたドラマ『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』は、Amazonプライビデオで独占配信中。

VG+編集部

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