ドラマ『ロキ』メビウスに注目
MCUドラマ最新作となる『ロキ』は、2021年6月よりDisney+で独占配信されている。2021年から配信を開始したMCUドラマシリーズとしては、『ワンダヴィジョン』『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』に続く第3作目。これまでは主役に立ってこなかったキャラクター同士のコンビものが続いていたが、『ロキ』ではヴィランだったロキが単独で主役に据えられた。
そうかと思いきや、ドラマ『ロキ』はMCUに新たな“バディ”を紹介してくれた。それがロキとメビウスのコンビだ。『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』のローンチイベントで公開された動画では、ロキ役のトム・ヒドルストンとメビウス役のオーウェン・ウィルソンが軽妙なやりとりを見せ、名コンビの誕生を予感させていた。トム・ヒドルストンはドラマ『ロキ』第2話の配信が始まり、ロキにとってのメビウスの存在の大きさについて言及している。
以下の内容は、ドラマ『ロキ』第2話の内容に関するネタバレを含みます。
ロキにとってのメビウス
『ロキ』第2話のラストでは、ついに姿を現した変異体が神聖時間を“爆破”した後、タイムドアを通ってどこかへ消えてしまった。ロキは誘われるようにして開きっぱなしのタイムドアを通ってその場を離れる。この時、メビウスがロキに追いつき引き留めようとするが、ロキは逡巡の末に変異体を追うことを決めるのだった。
米TVLineのインタビューでは、まずオーウェン・ウィルソンが「(メビウスは)裏切られたと感じています」と解説。「ロキについて学び、全てを知っていると思っていた。少しばかばかしく感じますよね。悪戯の神が何を企んでいても驚きはないはずですから」と、メビウスの胸中を代弁した。
これに対し、ロキの心情を代弁したのはトム・ヒドルストンだ。
ロキの人生において、メビウスはおそらく人生で初めて信頼できるかもしれないと思えた人物であり、おそらく自分を信頼してくれている人物でもあります。そしてロキはその信頼を裏切りたくない。しかし同時に、ロキは何が起きているのかを知らなければならない。あまりに奇妙で挑発的なこの状況に、ロキは足を踏み入れざるを得ないのです。
ここでトム・ヒドルストンは、ロキにとってメビウスが初めて信頼できるかもしれないと思えた人物であるだけでなく、自分を信頼してくれていると感じられた人物だったことを明かしている。第2話のラストシーン、タイムドアを通ったロキには確実に葛藤があり、簡単にメビウスを裏切ったわけではなかったのだ。
第1話との接点と“対話”
では、ロキをここまで突き動かしたものは何だったのだろうか。実はこのトム・ヒドルストンのコメントは、『ロキ』第1話におけるロキの台詞とリンクしている。第1話では、部屋に連れて行かれたロキはメビウスが自分を殺すつもりだと疑うが、メビウスは「信頼が嫌いか?」と問いかける。これに対してロキは、「信頼は子供や犬向きだ。信頼できるのは一人だけ」と、信じられるのは自分だけだとアピールしている。
第1話では、まずメビウスがロキを信頼し、周囲の反対を押し切ってロキに捜査に協力させる。それは第2話でも同様だ。メビウスはロキの本心から出た推理に付き合い、ヴェスヴィオ噴火の時代で歴史にない行動をとるというリスクを取ってロキの仮説を実証する。その後、共に働き、プライベートなことや哲学的な話題も含む対話を重ねて、ロキは生まれて初めてメビウスを信頼できるかもしれないと思うに至ったのだ。
もちろんロキには兄弟のソーの存在があるが、ドラマ『ロキ』のロキは2012年のロキであり、ソーと和解する前のロキだ。父親のオーディンからも受け入れられたという感覚を持てておらず、ロキは今初めて対等な立場で自分の言葉を聞いてくれる“大人”と出会った。メビウスの存在は確かにロキという人物に変化を与えている。
しかしそれだけに、二人が第2話以降で再び肩を並べて共に働くことができるかどうかは、気がかりなところである。
ドラマ『ロキ』は2021年6月9日(水) より、Disney+で独占配信。
Source
TVLine
『ロキ』脚本家が語る第3話のヒントはこちらから。
第3話配信後には、トムヒが更にロキの対人関係について語っている(第3話のネタバレ注意)。
『ロキ』の詳しいキャスト情報はこちらから。
第1話のネタバレ解説&考察はこちらから。
第2話のネタバレ解説&考察はこちらから。