【あらすじ・みどころ】Netflix『ノット・オーケー』が面白い。父の自殺、性の悩み……SFは添えるだけ【シーズン1】

Netflix

『ノット・オーケー』が面白い

Netflixの最新SFドラマ『ノット・オーケー』が2020年2月26日(水)に配信を開始した。映画「IT/イット」シリーズのソフィア・リリス主演、同じく「IT/イット」に出演したワイアット・オレフが出演した『ノット・オーケー』は、『ストレンジャー・シングス』(2016-) 『このサイテーな世界の終わり』(2017-2019) を手がけたジョナサン・エントウィッスルが監督を務めた。

各話20分前後で全7話というイッキ見のしやすさから、『ノット・オーケー』にハマる人が続出。SF作品でありながら、青春ドラマとしても心を揺さぶられる演出とストーリーがその魅力だ。今回は、『ノット・オーケー』のあらすじを辿りながら、人々が同作に“ハマる”ポイントをご紹介しよう。

『ノット・オーケー』のあらすじ

ドラマ『ノット・オーケー』の主人公はソフィア・リリス演じる17歳の白人女性、シドニー。舞台はアメリカの北東部に位置するペンシルベニア州の田舎町だ。シドニーは冒頭から自身を「平凡な白人女」、この町のことを「名産品すらないつまらない地域」と卑下する。自殺で父を失ったばかりで、精神的には不安定な状態にある。

そんなシドニーにも親友がいる。同時期に学校に転入してきたソフィア・ブライアント演じるディナだ。孤独だったシドニーにとって、陽気なディナは一緒にいる時は明るい自分でいられる特別な存在。だが、ある日そのディナにボーイフレンドができてしまう。リチャード・エリス演じるブラッドは、高校アメフトのスター選手で、いわゆる“ゴールデンボーイ”。内気なシドニーを見下すいけ好かないやつだ。

親友のボーイフレンドになったブラッドのニヤニヤ顔に、シドニーのストレスは臨界点に達する。ブラッドを睨みつけるシドニー……と、ここでブラッドの鼻から鼻血が流れ出す。シドニーは、身につけた“念力”を「ありえない」と鼻で笑いながら帰路につく。

ここでワイアット・オレフ演じるご近所さんのスタンリーが登場。シドニーが「いつも悩みゼロ」と称するスタンリーは変わり者。好きなものは音楽とマリファナ。ヒッピーな雰囲気を醸し出すスタンリーは、内気なシドニーにも声をかけ、一緒に音楽を聞かないかと誘ってくれる良い奴だ。

家に帰ったシドニーを待っているのは、キャサリーン・ローザ・パーキンス演じるウェイトレスとして働きづめの母 マギーと、エイダン・ヴォイタク=ヒッソン演じるいじめられっ子の弟 リアム。父親の死後、シドニーとのマギーの関係はうまくいっていない。家でもウェイトレスのユニフォームを着たままのマギー。シドニーはマギーに「愛されていないかもしれない」と感じているということを打ち明ける。だが、マギーから返ってきた言葉は予想以上に冷たいものだった——

SFは添えるだけ

父親の死に隠された秘密、親友であるディナへの想い、スタンリーへの微妙な感情、いじめを受けるかわいい弟に対する責任、父の死後うまくいかない母との関係、これらが一挙に17歳のシドニーの肩にのしかかる。一方で、ハイセンスな音楽のチョイスとナレーションとして挿入されるシドニーの自問自答によって、作品全体は陽気な雰囲気に仕上げられている。

『ノット・オーケー』のストーリーのポイントは、“SFは添えるだけ”ということだ。後に自身の超能力に気づいたシドニーはその力をコントロールしようとするが、それは前向きに力を使っていこうということではなく、ただでさえ問題だらけの日常で余計なトラブルを増やしたくないというモチベーションからだ。

シドニーにとって大切なのは日常の方で、超能力はそのストレスだらけの日常の上にのしかかる余計な問題でしかない。そして、それは現実世界で生活を営む多くの人に当てはまるであろう態度でもある。「大いなる力には大いなる責任が伴う」とは、「スパイダーマン」シリーズのベンおじさんの言葉だが、聖人ではない平凡な私たちは、目の前のパーソナルな問題と向き合うことから始めるしかないのだ。

爽快 (というより痛快) なテンポで進行していく全7話、各話約20分の物語。父の自殺、性の悩み、そして超能力……シドニーはこれらの問題とどのように向きあっていくのか。

ドラマ『ノット・オーケー』シーズン1は、Netflixで独占配信中。

『ノット・オーケー』(Netflix)

なお、『ノット・オーケー』のシーズン1が映画一本分という短さに設定された理由については、監督を務めたジョナサン・エントウィッスルが語っている。詳細は以下の記事に詳しい。

『ノット・オーケー』は、Netflixからコミック版も発売されており、Amazonの LGBT Comics ランキングで一位を獲得している。

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齋藤 隼飛

齋藤 隼飛

VG+編集長。1991年生まれ。
社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。
編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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