『ザ・ボーイズ』スピンオフ『ジェン・ブイ』9月29日配信開始 初回は第3話まで 新予告をチェック | VG+ (バゴプラ)

『ザ・ボーイズ』スピンオフ『ジェン・ブイ』9月29日配信開始 初回は第3話まで 新予告をチェック

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『ジェン・ブイ』2023年9月29日配信開始

Amazonプライムビデオが誇る人気SFドラマ『ザ・ボーイズ』(2019-) のスピンオフドラマ『ジェン・ブイ(原題:Gen V)』が2023年9月29日(金)より配信を開始する。米時間2023年7月20日(木) に『ジェン・ブイ』のTwitterで公式ポスターが公開され、配信日も発表されている。

ポスターにはホームランダーの銅像も写っているが、「THE BOYS」の落書きがされている。学校に銅像を設置するとは、さすがはホームランダーである。

そして7月25日(火)、『ジェン・ブイ』の新たな予告が公開。9月29日(金) に最初の3話が同時配信されることが発表された。

注意
本作の予告映像には、非常にグロテスクな描写が含まれます。

『ジェン・ブイ』の予告は、「ヒーローになるということは、栄光を手にすることではなく、犠牲を払うこと」という言葉で始まり、主人公であるマリー・モローの血を操る能力が披露されている。マリーは、ゴドルキン大学の初めて1年生でトップランクに入ることができると期待されるが、マリーが見据えるのはその先。黒人女性で初めてのセブンになることを夢見ている。しかし、そこから若いヒーロー候補生たちは、大学内に潜む闇と対峙していくことになる。

『ジェン・ブイ』は、『ザ・ボーイズ』と同じ世界を舞台に、スーパーヒーローを養成するゴドルキン大学を舞台に若き“スープス”の物語が描かれる。『ザ・ボーイズ』シーズン3は2022年6月から配信をスタート。わずか1年と少しでスピンオフドラマが配信されることになる。

『ジェン・ブイ』では、『ザ・ボーイズ』を手掛けたエリック・クリプキは製作総指揮として携わる。『ジェン・ブイ』のショーランナーは、マーベルドラマ『エージェント・カーター』(2015-2016) を手掛けたミッチェル・ファゼカシュ&タラ・バターズが務める。出演者には、ジャズ・シンクレアとパトリック・シュワルツェネッガーに加え、リゼ・ブロードウェイ、チャンス・パードモ、シェリー・コン、マディ・フィリップス、ロンドン・ソア、デレック・リュ、エイサ・ガーマン、ショーン・パトリック・トーマス、マルコ・ピゴッシらが名を連ねている。

『ジェン・ブイ』の予告編第一弾は2022年12月に公開されていた。今回の映像は7ヶ月ぶりの新予告となる。ここからは、これまでに公開された映像の内容を解説及び考察していこう。

『ジェン・ブイ』予告解説&考察

ゴドルキン大学とは

今回の舞台になるゴドルキン大学は、YouTubeで配信されたスピンオフ番組「Seven on 7」で名前が登場している。ゴドルキン大学の学生を対象にしたヒーロードラフトが行われることが紹介されており、卒業生としてクイーン・メイヴ、ディープ、Aトレインの名が挙げられている。

「Seven on 7」では、世間は既に次年度のドラフト候補である3年生のゴールデン・ボーイに注目していることが紹介されていた。そして、そのゴールデン・ボーイは『ジェン・ブイ』のメインキャラクターである。

なお、ゴドルキン大学の名前の由来は、原作コミックに登場するジョン・ゴドルキンだと思われる。ゴドルキンの元ネタは「X-MEN」のプロフェッサーXで、能力を持つ子ども達を集めて屋敷に住まわせ、XメンならぬGメンを組織していた。

ゴドルキン大学の廊下にあるスナックの自販機には、卒業生のAトレインの写真が使用されている。ゴドルキン大学は「あなたが安全に成長できる場所」と言われているが、壁には血のような真っ赤な文字で「MURDERER(人殺し)」と書かれている。扉には「NO LOOKIE LOOS!(覗き見禁止)」という表記と共にブラック・ノワールの絵が描かれている。

レッド・リバー出身のマリー

このゴドルキン大学に入学してきたのは、ジャズ・シンクレア演じる主人公のマリー・モロー。おそらくバスルームで両親を殺してしまったであろう時の幼少時代のマリー・モローの姿も映し出されている。マリー・モローは、スピンオフアニメの『ザ・ボーイズ ダイアボリカル』第2話と、『ザ・ボーイズ』シーズン3第2話に登場したレッド・リバー出身だ。

レッド・リバーとは、能力者達の子どもが預けられる施設で、家族を殺してしまった子どもや、親から見放された子ども達が集まる。『ダイアボリカル』第2話では、自分達を捨てた親に復讐する子ども達の物語が描かれた。ビクトリ・ニューマン議員もここの出身で、スタン・エドガーはここで“ナディア”と呼ばれていたニューマンを見つけて養子にしている。

そして、『ジェン・ブイ』の主人公であるマリー・モローは『ザ・ボーイズ』シーズン3第2話でヒューイがレッド・リバーを訪れた時に写真が登場している。職員がヒューイに「おすすめの子ども達」と見せるプロフィールの中に、「Marie M.」という名前の人物がいる。年齢は17歳と表記されているので、時系列的には『ザ・ボーイズ』シーズン3の後に、『ジェン・ブイ』でゴドルキンに入学するという流れなのかもしれない。

とすれば、シーズン3前に大学3年生だったゴールデン・ボーイは4年生として登場するはずだ。「Seven on 7」では、ヒーロードラフトでは4年生だけが指名されることに触れられている(アメリカの多くのプロスポーツでは、大学2年生から指名できる)。学生の時点で注目を集めるゴールデン・ボーイは“プロ入り”を控えた時期の登場ということになるのだろうか。

カメオも続々

予告第一弾で投げキッスをしているのはP・J・バーン演じるアダム・バーク。『ザ・ボーイズ』の劇中映画『セブンの夜明け』の監督として登場した人物だ。ヴォート広報から副社長、そしてCEOへと昇進していったアシュリーや、Aトレインの姿も。予想していた以上に『ザ・ボーイズ』本編からの出演者は多くなりそう。ディープの姿をしたパペットの姿も見られる。

白髪に白髭の老人はベテラン俳優のクランシー・ブラウンが演じている。父のクラレンス・ブラウンJr.は、共和党の下院議員だった。パペットの背骨が引き抜かれた後に振り返る上半身裸のように見える人物は、パトリック・シュワルツェネッガー演じるゴールデン・ボーイだ。パトリック・シュワルツェネッガーの父は俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーで、母方の祖母はジョン・F・ケネディ元大統領の妹である。

予告第一弾で若き日のマリー・モローと思われる人物がナイフを取り出す場面は、壁に「RR(レッド・リバー)」の紋章があり、床にも「RED RIVER」と書かれている。『ジェン・ブイ』では、レッド・リバー時代の物語も描かれるようだ。

小さな人物がコップに封じ込められるシーンは、シーズン3第1話で衝撃を呼んだアントマンのパロディキャラ、ターマイトを想起させる。

『ザ・ボーイズ』流の青春譚に?

初予告のラストシーンでは、「その勇気はどこから湧いてくるのでしょうか?」というインタビュアーの質問に、マリー・モローが「私はスーパーヒューマンです。私たちは鋼鉄でできています」と答える。『ジェン・ブイ』の初映像の予告ではRoyal Deluxeの楽曲「I’m Gonna Do My Thing」(2015) が流れており、最後も「I’m Gonna Do My Thing(私は私のことをやる)」のフレーズが流れて幕を閉じる。

「I’m Gonna Do My Thing」では、「あなたは警察でも医者でもない、私は売られも買われもしない」「私を支配できないってことが分からないか?」「私はあなたの操り人形(パペット)じゃない」と歌われている。パペットが繰り返し登場した今回の予告と関連があるのだろうか。支配から逃れ、自由になりたいという感覚は、多くのティーネイジャーに共通するものだろう。スーパーパワーを持つ人々は、それも『ザ・ボーイズ』世界の人々は、この苦悩にどう向き合うのだろうか。

なお、『ジェン・ブイ(Gen V)』というタイトルは、Z世代やその上のY世代を指す時に英語で「Generation Z」「Generation Y」を省略して「Gen Z」「Gen Y」と呼ぶことを元ネタにしている。「V」とはもちろん『ザ・ボーイズ』で登場した“コンパウンドV”のことだろう。タイトルを直訳すれば、「コンパウンドV世代」ということになる。コンパウンドVは人間にスーパーパワーを与える強化薬。天性の力を持っていると思われていたスーパーヒーロー達は、コンパウンドVを開発したヴォート社によって人工的に生み出された存在であったことが明らかになっている。

配信が予定されている『ザ・ボーイズ』シーズン4の前に、新たな物語を届けてくれる『ジェン・ブイ』。こちらも見逃さずにチェックしよう。

ドラマ『ジェン・ブイ』はAmazonプライムビデオで2023年9月29日(金) に独占配信。初回は第3話まで配信される。『ザ・ボーイズ』はシーズン3まで配信中。

『ザ・ボーイズ』原作コミックの日本語版は、G-NOVELSから発売中。

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『ジェン・ブイ』のベースになったチャプター〈We Gotta Go Now〉(23話〜30話)は日本語版の第2巻に収録されている。

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『ザ・ボーイズ』キャストからの『ジェン・ブイ』キャストへの助言はこちらから。

 

『ザ・ボーイズ』シーズン3最終話のネタバレ解説はこちらから。

シーズン3までの経緯とYouTube配信のスピンオフ番組の内容、アニメ版の注目エピソードはこちらの記事で。

『ザ・ボーイズ』シーズン4についての情報はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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