ネタバレ考察『ロキ』第3話 TVAとシルヴィの共通点とは 気になるセリフと矛盾を徹底解説 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ考察『ロキ』第3話 TVAとシルヴィの共通点とは 気になるセリフと矛盾を徹底解説

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ドラマ『ロキ』第3話で新事実

Disney+で独占配信されているドラマ『ロキ』は、2021年6月23日(水)より第3話の配信を開始。今回も新事実が判明し、物語をさらに奥地へと導いていく。今回は第3話のセリフをもとに、今後の展開を考察していく。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ロキ』第3話の内容に関するネタバレを含みます。

第3話「ラメンティス」ではロキの変異体とされてきた人物の名前が“シルヴィ”であることが明かされた。また、TVA職員はそれぞれTVAで働き始める前の過去を持っていることも明らかに。これによって様々な前提が覆りつつある。

なお、ロキの性別が明かされたことも第3話の大きなポイントだが、その件についてはこちらの記事にまとめている。

TVAの秘密に注目

まず、順番を前後させて、TVAの秘密について見ていこう。第3話では相手の心を乗っ取る能力を持つシルヴィが、C20からタイムキーパーに関する情報を得るために「TVA以前の記憶を引き出した」と口にする。しかもTVA職員全員が変異体なのだという。第1話ではミス・ミニッツによって、第2話ではメビウスによってTVA職員はタイムキーパーに創られたと説明されていたのだから、ロキが驚くのも無理はない。

この時シルヴィは英語で「何百年も前の記憶 (memory from hundreds of years prior)」と言っているが、第3話冒頭でC20に見せていたレストランの幻覚は比較的現代に近かった。元の時代のどこかの時点で変異体になったC20(の元の人物)は、「時間の流れが異なる」TVAで数百年の間働かされているのだろう。そう考えると、第2話でメビウスがなぜか1990年代のジェットスキーに憧れを持っていたことにも察しがつく。メビウスは1990年代の地球で変異体になったのかもしれない。

サッシャ・レイン演じるハンターC20は、メビウスらと合流した第2話の終盤で「あれは現実だった」と繰り返し呟いており、シルヴィに見せられたTVAに入る前の一部の記憶が残っていると思われる。ミニットメン達は「マトモじゃない」と取り合おうとしなかったが、メビウスだけは「何があった」と語りかけ、C20は「帰りたい」と応答する。C20は自分がTVAの外からやって来たということに気づいたのだ。この事実をC20がメビウスに伝えるとすれば、TVAとタイムキーパーの権力を揺るがす事態が到来するかもしれない。

少し気になるのは、TVAが地球人ばかりを集めているということだ。第1話ではTVAの施設内に連行されるスクラルの変異体の姿も映し出されていたが、TVAはあえて地球人を選んでいるのだろうか。もしかして、地球人は心が弱くて乗っ取りやすいのか?

シルヴィはロキじゃない?

次に、シルヴィの正体について考察していきたい。こちらの解説記事でも触れたとおり、シルヴィという名前は原作コミックにおけるエンチャントレスというキャラクターの本名だ。映画「マイティ・ソー」シリーズにも登場したシフというキャラクターの身体にロキの魂が入ったレディ・ロキとは異なるキャラクターだ。

ここで生じる可能性は、シルヴィが実はロキの変異体ではないという展開だ。ここまでのところ、シルヴィは「ロキ」と呼ばれることを嫌がってはいるものの、ロキの変異体であるという体裁は保っている。名前もロキから改名したというのだ。しかし、第3話では列車内のシーンにおけるロキとシルヴィが会話が食い違う。

シルヴィはロキの母親について「本当の母親?」と皮肉るが、ロキは「実は養子だ。知らなかったか?」と返す。このロキは2012年のロキであり、自分が養子だと知ったのはわずか1年前。一方のシルヴィは第3話でTVAを襲撃する計画を長年(for years)かけて準備していたと語っており、シルヴィがロキの変異体であれば自分の母親が養母であることは知らないはずだ。

だが、シルヴィはここで「知ってたよ」と返答する。ロキは、シルヴィの方の母は自分が養子であることを伝えたのだと知り、若干ショックを受ける。シルヴィはロキの変異体として本当に違う育ち方をして、違う境遇で生きて来たのだろうか。だとすれば、TVAは非常に長い間シルヴィの存在に対処できていなかったことになるし、ロキの母親が幼い頃にロキが養子だと伝えた場合の時間軸はリセットできない状態に達しているのではないだろうか。

それとも、シルヴィはロキの変異体ではないが嘘をついているのだろうか。原作コミックでシルヴィの名を持つエンチャントレスは、ロキから魔力を与えられたロキの側近。シフの身体を乗っ取った本物のロキの変異体であるレディ・ロキが裏で糸を引いているとすれば、自体はより複雑になる。

TVAとシルヴィの共通点を考察

以上の条件を踏まえた上で、最も可能性が高い展開を考えてみよう。それは、シルヴィもまたTVAの職員と同じく別の過去を持っていて、ロキの変異体ではないが、過去の記憶を失っているという展開だ。シルヴィは自分の母親についてよく知らず、少しだけ夢に現れる程度だという。つまり、母の記憶は潜在意識下にあるのだ。

これは、メビウスやC20が置かれている状態に似ている。すべての記憶を失ったわけではないが、いつの間にか記憶を塗り替えられており、今自分が置かれている状況を当たり前のものだと思っている……。つまり、シルヴィもTVA職員と同じく何者かによって操られ、本来の自分を忘れてロキ変異体として任務を遂行しようとしている。その何者かとはレディ・ロキ……という展開があり得るのではないだろうか。

第2話においてタイムキーパーがTVA職員を創り出したという話に対してロキがツッコミを入れると、メビウスは「神の子」であるロキの出生にもツッコミを入れる。「自分が何者であるか」ということについて、人々は自分自身の“設定”を簡単に受け入れてしまう。それを客観視するのは困難なことだ。自分を規定する自分にとっての当たり前が嘘だったとしたら……この展開は脚本家のマイケル・ウォルドロンが『ロキ』のテーマとして挙げている「ロキは何者か」という問いに通じるものがある。

以上はあくまでドラマ『ロキ』第3話までを受けての考察でしかない。もちろんコミックのエンチャントレスの設定とは無関係にMCUオリジナルの設定になっていることも考えられるが、製作陣もシルヴィの名前を出している以上、原作ファンに深読みの考察をさせる気は満々なのだろう。『ワンダヴィジョン』(2021) のように肩透かしを喰らわしてみせるのか、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021) のように原作に則った展開を見せてくれるのか、第4話以降の展開を注視しよう。

ドラマ『ロキ』はDisney+で独占配信中。

『ロキ』視聴ページ (Disney+)

変異体の目的についての考察はこちらから。

第3話でロキが語った「愛とは」というテーマについてトム・ヒドルストンが解説した内容はこちらの記事で。

ドラマ『ロキ』のヴィランに関する考察はこちらの記事で。

第3話のあらすじ&ネタバレ解説はこちらの記事で。

第2話のあらすじ&ネタバレ解説はこちらの記事で。

第1話のあらすじ&ネタバレ解説はこちらの記事で。

『ロキ』の出演キャストと吹き替え声優の情報はこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。 お問い合わせはコチラから
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