シーズン3第1話ネタバレ解説『ザ・ボーイズ』流れた曲の意味は? ディープは何を言ってた? あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

シーズン3第1話ネタバレ解説『ザ・ボーイズ』流れた曲の意味は? ディープは何を言ってた? あらすじ&考察

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『ザ・ボーイズ』シーズン3配信開始

Amazonプライムビデオの人気ドラマ『ザ・ボーイズ』のシーズン3が、2022年6月3日(金)より配信を開始した。ガース・エニスとダリック・ロバートソンによる原作コミックを実写化した本作は、腐敗したスーパーヒーローに立ち向かうザ・ボーイズの姿と過激な暴力描写で人気を集めた。

シーズン2の配信開始から約1年9ヶ月ぶりの配信となったシーズン3。少し時間が空いたので、スピンオフを含むシーズン3までの経緯を振り返りたい方はこちらの記事をチェックしてほしい。

今回は、『ザ・ボーイズ』シーズン3第1話の各シーンを解説していく。以下の内容はシーズン3第1話のネタバレを含むので、必ず本編をAmazonプライムビデオで鑑賞してから読むようにしていただきたい。

なお、本作は視聴対象が18歳以上の成人向けコンテンツになっている。また、露骨な残虐描写と性描写が含まれるので苦手な方は注意していただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ザ・ボーイズ』シーズン3第1話の内容に関するネタバレを含みます。

『ザ・ボーイズ』シーズン3 第1話「ペイバック」ネタバレ解説

シーズン3最初のサプライズ

『ザ・ボーイズ』シーズン3第1話のタイトルは「ペイバック」。冒頭ではシーズン2までのあらすじが紹介されているが、シーズン3に持ち越された最大の謎はヴィクトリア・ニューマンに関するものだろう。

シーズン2で繰り返された「頭爆発」の犯人がニューマン議員だったことが明らかになったが、ヴォートに不利な証言をしようとする人々の頭を吹き飛ばしていた理由は謎のまま。能力者でありながらそれを隠して能力者管理局を率いるニューマン議員の下、ヒューイ・キャンベルはこの組織に就職してシーズン2は幕を閉じていた。

シーズン3第1話の冒頭はシーズン2でもヴォート社が製作を進めていた映画『ヴォートの夜明け』から始まる。ストームフロントもヒーローの一人として撮影を進めていたが、別のキャストを立てて撮り直しを行ったようでストームフロントを悪役に仕立てたバージョンになっている。

そしてこのシーンがシーズン3における一つ目のサプライズ。映画版のストームフロントを演じているのが俳優のシャーリーズ・セロンなのだ。シャーリーズ・セロンは『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015) のフュリオサ大隊長役などで知られ、『モンスター』(2003) ではアカデミー主演女優賞を受賞した大俳優。先日MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)への参戦が明らかになったばかりで、“表と裏”にあたるMCUと『ザ・ボーイズ』双方への出演が実現した。

劇中劇のストームフロントはホームランダーとのラブストーリーに則りつつも「魂は第四帝国に捧げる」と話している。「第四帝国」とは、「第三帝国」と呼ばれたナチスの次に台頭するものという意味でネオナチを指す言葉だ。ホームランダーに加勢するセブンメンバーは、登場順が現在のセブンにおける地位を表しているように思われる。クイーン・メイヴにスターライト、ブラック・ノワール、Aトレインの順で登場している。ナチの人種主義に抵抗する場面だが、ナチュラルに白人→黒人の順になっているのが妙にリアルだ。

細かい映画ネタも

『セブンの夜明け』のワールド・プレミアには新ヒーローのスーパーソニックが登場。YouTubeで配信されたスピンオフ番組『Seven on 7』では二度名前が言及されている。ティーネイジャーの時の薬物依存から復活したことと、かつてスターライトの恋人だったと噂されていること、次のセブン候補の一人であることが紹介された。

『セブンの夜明け』の監督アダム・バークはシーズン2でも登場した人物。字幕で「お蔵入りも検討された」となっている場面は、英語では「お蔵入りかVought+に投げ捨てることも検討した (We had real talks about shelving the movie or just dumping it on Vought Plus.)」と言っている。現実ではコロナ禍で売り上げが見込めない作品を劇中で公開せず、配信プラットフォームで公開する手法が議論を呼んだが、これを事実上の“投棄”であるとイジッているのだ。

スターライトと共に登場したのはスーツ姿のヒューイ。スピンオフ番組では、ニューマン議員に能力者管理局=FBSAのシニアアナリストに指名されたことが明かされていた。かつて殺し合いに興じたホームランダー達と公の場で母を並べる不思議な展開だ。

ヴォート社長のエドガーはFBSAの監視を受け入れて状況が改善されたことを明かしている。スピンオフの方ではヒューイもその成果が数字で現れていることを説明していた。Aトレインに取材しているのが英語メディアではなくスペイン語メディアなのは芸が細かい。

ホームランダーは恋仲になったストームフロントがナチスメンバーだったことについて釈明に追われているが、スピンオフでは長い間ヴォートタワーに引きこもっていたことが明かされている。精神的には相当参っているはずだ。

また、『セブンの夜明け』はトニー・ギルロイ監督が尻拭いをしたとされているが、これは「スター・ウォーズ」ネタだ。映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016) では、ギャレス・エドワーズ監督が指揮した内容にディズニー側が納得せず、『ボーン・レガシー』(2012) などで知られるトニー・ギルロイが週20万ドル(当時約2,200万円)という条件で再撮影を担当した。後にトニー・ギルロイは、参加した時点で「悲惨な状況だった」と振り返っている。

ブッチャー登場

トイレに現れたブッチャーは、狙っている人物に手を下す許可をヒューイから貰おうとしている。ヒューイはニューマン議員からの許可をもらおうとするが、ブッチャーは自分で決断を下すように忠告する。確かにシーズン2のラストでは、ヒューイは「誰かにつきまとうのはやめないと」と言って能力管理局に就職したはずだ。

シニアアナリストに就任したものの、結局ニューマン議員の右腕として働いているヒューイ。ブッチャーはヒューイに雇われている(おそらくフリーランス)ようで、事実上、立場は逆転している。ブッチャーはトイレから出ていく際にも何か重要なことを言いそうな雰囲気を醸すが、「明日、言われていた経費報告書を送る」と真っ当な報告をするだけだった。なんだか寂しくもある。

ブッチャーの指示のもとフレンチーとキミコが潜入したパーティでは、ショーに興じる小さなスーパーヒーローが。スピンオフでも名前が挙がったターマイトだ。「Termite=シロアリ」という意味の名を持つ小さくなる能力者のヒーローで、マーベルのアントマンのパロディキャラである。

「中」に入った人物を殺してしまったターマイト。考えうるサイアクのグロ描写を経てブッチャーに捕まるが、ブッチャーはターマイトを殺さずにFBSAへ引き渡すという。フレンチーとキミコはブッチャーの変化に驚きを隠せない。アニーとの幸せそうな生活を送るヒューイは、父ヒュー・キャンベルと通話しているが、ヒューを演じるサイモン・ペッグはシーズン1以来の登場。ペッグは原作コミックにおけるヒューイのモデルになった人物だ。

ヒューイの家から職場のFBSAまで流れている曲はビリー・ジョエルの「アップタウン・ガール」(1983)。高級住宅街に住む女性への恋心が歌われた曲で、今やセブン一のスターとなったアニーに対するヒューイの気持ちが表現されている。ビリー・ジョエルの楽曲が多用されてきた『ザ・ボーイズ』だが、シーズン3でもその伝統は引き継がれるようだ。

父になれないブッチャー

FBSAでは自分のオフィスを持つヒューイ。テレビで流れているロバート・シンガー大統領候補はスピンオフ番組でも触れられていた現職の国防長官だ。ヴォートがコンパウンドVの販売先として米軍を狙う今、重要な存在になる。『セブンの夜明け』のプレミアにも来ていた「トニー」と名乗る人物はニューマン議員を「ナディア」と呼ぶ。気さくで善良に見えるニューマンに裏の顔があることを窺わせている。

ブッチャーは、元CIA副長官でザ・ボーイズ創設者のグレイス・マロリーに預けたライアンと面会していた。ホームランダーと元妻ベッカの息子であるライアンに優しく接するブッチャー。大きくなった時にはホームランダーと同様の力を得るライアンを、ブッチャーは正しい道へ導こうとしていた。なお、二人が遊んでいるのは「コネクト フォー」と呼ばれるゲームで、縦横斜めのいずれかに4つのコマを並べた方が勝ちというルールの「4目並べ」である。

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グレイスはブッチャーに家にとどまることを提案し、その際にMMは元の家族との生活に戻ったことに言及されている。酒も殺しもやめてヒューイの指示に従うブッチャーが変われた理由は、ライアンの存在だった。それでもブッチャーの頭の中にはシーズン2に登場した父の記憶があるのだろう。MMの父は弁護士としてヴォートと戦ったが、ブッチャーは父から虐待を受けていた。父になることは、ブッチャーにとって簡単なことではない。

ディープは何を言っていたのか

ホームランダーが出演するのは『キャメロン・コールマン・アワー』。『ザ・ボーイズ』のスピンオフ番組『Seven on 7』の最終回で、司会のキャメロン・コールマンが発表した新番組だ。ヴォートのプロパガンダニュースを流すヴォート・ニュース・ネットワークの番組であり、ストームフロントの一件後初のホームランダーのインタビューはこの番組で行われることになったようだ。

そこに現れたのはディープ。シーズン2でのセブン復帰は叶わなかったが、スピンオフでは共同教会に洗脳されていたという立場に方針転換したことが伝えられていた。共同教会で結婚したカサンドラも共に行動しているようだ。

ディープはニューヨーカー紙に「第2のリア・レミニ」と書かれたと言っているが、リア・レミニは2013年に宗教団体のサイエントロジー教会から脱会した俳優。サイエントロジー教会はトム・クルーズやジョン・トラボルタも所属する宗教団体で、『ザ・ボーイズ』シーズン2に登場した共同教会のモデルになった団体だ。サイエントロジーの内部を暴露したドキュメンタリー『リア・レミニ  私は元サイエントロジー信者』(2017) はAmazonプライムビデオでも配信されている。

無言を貫いていたホームランダーだったが、自分より下の相手であるディープには強い態度を見せる。性根は変わっていないようだ。ディープは忠誠を示すために自伝がゴーストライターによるものだと説明し、「シャイア・ラブーフと同じ」と話す。映画「トランスフォーマー」シリーズの主演で知られるシャイア・ラブーフは、2013年に発表した短編映画「Howard Cantour.com」が盗作であったことが話題になった。

なお、シャイア・ラブーフは2020年末に元交際相手から性的暴行などで訴えられ、その事実を認めている。先に名前をあげたリア・レミニは親がサイエントロジーの信者であり、入会した経緯も含めてディープとは立場が違う。ホームランダーに凄まれ、ディープはどちらかというとシャイア・ラブーフの立場であることを認めたというシーンになっている。

番組に出演したホームランダーは「心はただの人間」路線で復活を狙っている。だがそれもヴォートの戦略だろう。ホームランダー自身は納得していない様子を見せている。大人しくはしているが、フラストレーションを溜めていることがありありと分かる。

ザ・ボーイズを抜け、家族との元の生活に戻ったと思われていたMMは、妻のモニークとは離婚しており、鬱に悩まされていた。この場面では、シーズン2から一年たったことも明かされている。

V-24

ヴォート社代表のエドガーは、時効性のコンパウンドVであるV-24をロバート・シンガー大統領候補/現国防長官に売り込んでいた。24時間だけスーパーパワーを得られる新薬だ。V-24は1つ200万ドルで提示されており、1投与あたり約2億円の兵器ということになる。1部隊6,000億円という巨額の取引になるが、ヴォートはシンガーの支援団体に寄付を行っているようで、エドガーは強気な態度を見せている。

エドガーはロバート・シンガーを「ダコタ・ボブ」と呼ばれていると言っている。ノース・ダコタとサウスダコタは全米47位と全米46位の人口の地方都市で、「ボブ」は「ロバート」の愛称。文脈上は全米で投票が行われる大統領選に弱い「田舎の政治家」という揶揄になっているが、ダコタ・ボブは原作コミックに登場する大統領の名前でもある。

ロバート・シンガーは、ラゴスでのブラック・ノワールの行動は戦争犯罪にあたると指摘する。ラゴスはナイジェリアの都市だが、シーズン2ではブラック・ノワールはシリアに派遣されており、各国で活動していることが分かる。

意外にもエドガーはヒーローたちを持ち上げるヴォートの方針が間違いだったことを認め、5年以内にヒーロービジネスから撤退することを宣言する。防衛や製薬に集中したいというエドガーだが、スピンオフ番組を見ていれば、ヴォートはテーマパーク音楽会社動画配信プラットフォームケーブルテレビ局も運営するコングロマリットであることが分かる。そんなに簡単に解体することができるのだろうか。

ビジネス上の心配はさておき、エドガーはスーパーヒーローを抱えるコストとリスクをなくすために、戦闘時のみ能力を得られるV-24を開発したのだろう。“炎上”が致命傷になる現代を舞台にした作品としては、かなり現実的な判断とも言える。ロバート・シンガーはストームフロントの一件でナチスのイメージがついた強化剤の使用は議会を通らないと主張するが、エドガーは議会にはまだつてがあると自信を見せる。ヴォートに対峙していたかに見えたニューマン議員のことだろう。

そのニューマン議員は、ブッチャーが捕らえたターマイトがヴォートが利用するために釈放されること、代わりに悪徳スーパーヒーローたちのコールド・スナップ、スタッカー、エアバーストを得ることをヒューイに伝える。FBSAの活動により巻き添え死は年間60%削減されたといい、かつて巻き添え死で恋人を失ったヒューイにとっては小さくない数字だ。

このことを告げられたブッチャーは「お前の人生が妥協だ」とヒューイにきつくあたる。徐々に世界をマシにしていこうとするヒューイと、スーパーヒーローがいまだに金と権力を握っていること、そしてMMとヒューイが抜けたことにイラついているブッチャー。世界は確実に良くなったが、このまま緩やかに矛盾を抱えた世界が続いていくが許せない気持ちもよく分かる。

スターライトの時代

エドガーはスターライトとホームランダーを呼び出していた。エドガーはカンザス出身のオズの魔法使いの主人公ドロシーとスターライトを重ね合わせるが、スターライトはアイオワ出身だ。アイオワはカンザスの隣に位置するアメリカ中部の地方都市で、前述の“ダコタ”の発言に続き、都会の経営者であるエドガーが地方をどう見ているのかが分かるシーンだ。

スピンオフ番組ではヒーロー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたというスターライトの支持率は96%に達している。エドガーはスターライトをセブンの「共同リーダー」に任命するが、英語では「共同キャプテン (Co-Caption)」と言っており、マーベルのキャプテン・アメリカとキャプテン・マーベルを想起させるワードになっている。

ホームランダーは愕然とし、セブンに監視役として入ったスターライトはこのオファーを断るが、エドガーはホームランダーに臆することなくスターライトを守ることを宣言する。「本当の力」は押す力ではなく望んだ方向に世界を変える力だと話し、スターライトにセブンの理念を決める権限二席が空席になっているセブンのメンバーを指名する権限を与えるのだった。

『ザ・キャメロン・コールマン・アワー』にはディープが出演。シーズン2のラストにニューマン議員に頭を吹っ飛ばされた共同教会教祖のアダナが姿を見せていないことに触れられている。番組はディープを推しているが、セブン復帰を求めるディープが過去に性暴力をふるったスターライトがセブン新メンバーの任命権限を得たとは思いもしていないのだろう。なお、字幕には反映されていないが、ディープは人気動画シリーズのTEDトークに出演したことにも触れられており、米Vanity Fair誌が好意的に取り上げたことも明かされている。

そして、映像はセブンのオーディション番組『アメリカン・ヒーロー』に切り替わる。スピンオフの方では候補は10人とされていたが、それも残り3人に絞られたという。メンバーは序盤にも登場したスーパーソニック、スピンオフでサンディエゴを守る人気急上昇中のヒーロとして紹介されたムーンシャドー、そして初登場になるシルバー・キンケイドだ。

スーパーソニックは現在27歳と表記されており、かつてはティーネイジャーグループのスーパー・スイートでドラマー・ボーイ名義で活動していたこと、スターライトと交際していたことが紹介されている。スピンオフの方では若い頃にドラッグ依存症になり、リハビリを経て復活したことにも触れられていた。

スターライトの元カレの登場に気がきでないヒューイは撮影の合間に二人に話しかけるが幼なじみのような二人の関係に顔を引きつらせている。18歳の時にお酒を飲んだスターライトがステージ上で吐いたというエピソードが紹介されているが、アメリカの飲酒できる年齢は21歳以上である。

スターライトはセブンの共同リーダーになることについて「多くの少女に夢を与える」と前向きになっているが、ヒューイは心配と嫉妬からこれを受け入れられない。一方、スターライトが共同リーダーに就任したことでホームランダーはイラつきを抑えられず、シェイクシャックのドリンクを飲んでいたAトレインにパワハラで憂さ晴らしをしている。爆発寸前のホームランダーの姿を見て危機感を募らせていたのは、クイーンメイヴだった。

ホームランダーの本領発揮

トランプ支持者のようにストームフロントの失脚後も彼女の人種主義思想を支持する人々について報じられる中、ホームランダーは匿っていたストームフロントに会いに来ていた。ストームフロントは生きていたのだ。ホームランダーはストームフロントに愚痴を吐き、下の世話をさせ、シーズン1のマデリンにしてもらったのと同じように慰めてもらっている。いつも“お母さん”を必要とするホームランダーの幼稚さは変わっていない。しかし、アーリア民族が支配民族になるというストームフロントの人種主義と、自分が支配者でなければならないというホームランダーの欲求は相入れいない様子だ。

クイーン・メイヴが会いに来たのはブッチャーだった。ターマイトについての情報を流したのもメイヴで、セブン内のスパイとして活動しているようだ。メイヴが持ってきたのはシーズン3のキーキャラクターになるソルジャー・ボーイの情報。一般的には1983年か84年に原発事故を止めて亡くなったことになっているらしい。ちなみにチェルノブイリ原発事故が起きたのは1986年だ。

実際にはBLCレッドという兵器で殺されたことになっており、メイヴはそれを見つけることでホームランダーを倒せると考えている。ソルジャー・ボーイが属していたペイバックは、こちらも初登場となるクリムゾン・カウンテスとガンパウダーが元メンバーとして紹介されている。そして、あのブラック・ノワールも元メンバーだったのだという。

メイヴはセブンがペイバックを追い越した時のことを話しているが、ブラック・ノワールはペイバックからセブンに移籍したということだろうか。アニメ『ザ・ボーイズ ダイアボリカル』(2022) の第8話では、ホームランダー加入時にセブンで一番人気だったのはブラック・ノワールだったことが明かされている。以前から知名度があったため、新チームのセブンでも人気だったということだろうか。

そして、メイヴは開発中のV-24をブッチャーに渡す。能力者を嫌ってきたブッチャーだが、ホームランダーを葬る絶好の機会を得た。一度はV-24を捨てようとしたブッチャーだったが、気配を察知して愛犬テラーを思わせる置物の中に隠している。なお、この置物はブッチャーの出身国であるイギリスの国旗をまとっている。

そこに現れたのはアメリカ国旗をまとったホームランダーだった。息子のライアンを探しているらしい。だが、立場が弱くなったホームランダーにブッチャーは余裕の態度。もはや暴力で解決できる世界ではなくなったのがシーズン3の特徴だ。

ホームランダーはヴォートとFBSAが策を弄して現状を維持していると指摘。なんと、全てを支配したいホームランダーと、全てを破壊したいブッチャーの利害が一致したのだ。二人は全てを破壊した後にどちらかが生き残る賭けに出ることに。極右と極左がクロスオーバーした瞬間だ。それにホームランダーはシーズン1のラストでホームランダーもろとも自爆しようとしたブッチャーのことを買っており、生きながらえさせた過去がある。

アップタウン・ガール

娘を寝かしつけたMMは、スーパーヒーローの資料で埋め尽くされたクローゼットを開ける。ソルジャー・ボーイの記事も見られる。この時流れている曲はAnne アン・リバーン「Dream a Little Dream of Me」(2019)。「太陽の光が差すまでは甘い夢を」と歌われている。

一方、ヒューイはニューマン議員と彼女を「ナディア」と呼ぶトニーが会っている場面を目撃していた。「レッド・リバー」の存在を知らせるべきと言うトニー。レッド・リバーとはアニメ『ザ・ボーイズ ダイアボリカル』第2話に登場した能力者の子ども達の施設だ。

この施設は、役に立たないと判断された能力を持って生まれた子どもが“捨てられる”場所。行き場を失った子ども達の施設で、『ダイアボリカル』では子ども達が自分を捨てた親に復讐する物語が描かれた。

二人が争いになると、トニーはニューマンの目を押さえようとする。トニーは善戦するが、結局全身を吹き飛ばされてしまう。ニューマンの能力は白目を剥かせないことで抑えられるという弱点が明かされた。

この場面を目撃してしまったヒューイはなんとも言えない表情を浮かべている。せっかく手に入れた安定、やりがいのある仕事、それも結局謀略の中にあったと知った時の顔だ。ニューマンが去った時に流れてくる曲はビリー・ジョエルの「アップタウン・ガール」序盤と同じ曲である。

この曲で歌われている「別世界に住む女性」は、序盤ではスターになったスターライトのことを指していたが、ラストでは信頼できる上司だったが知られざる一面を持っていたニューマンのことを指している。歌詞の中の「彼女は私みたいなダウンタウンの男を求めてる」というフレーズも、ヒューイが“うまく利用できる一般人”であることを示すものになる。相変わらず曲の使い方がうまい。

『ザ・ボーイズ』シーズン3第1話まとめ

ドラマ『ザ・ボーイズ』シーズン3の第1話は、シリーズ史上最大の平和なひとときを楽しむことができたが、ラストで見事にひっくり返してくれた。スターライトがセブンのトップに就任する一方で、ブッチャーとホームランダーが手を組む意外な展開に。久しぶりに姿を見せたセブンのオリジナルメンバーがそれぞれの道を歩んでいるのも面白い。

注目は、ヴォート社とエドガーが脱ヒーローの方針を見せていること。確かにエドガーはスーパーヒーローを信仰しているわけではないため、ビジネス上のリスクが大きなったと判断すれば方針転換は当然のことだと言える。一方で、能力者のニューマンと裏でつながっていることは明白で、その真意は分からない。

ドラマ『ザ・ボーイズ』シーズン3はAmazonプライムビデオで独占配信。

原作コミックの日本語版は、G-NOVELSから発売中。

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シーズン3までの経緯とスピンオフ番組の内容、アニメ版の注目エピソードはこちらの記事で。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

第3話のネタバレ解説はこちらから。

第4話のネタバレ解説はこちらから。

シーズン3の新キャストを含む詳細情報はこちらから。

シーズン2最終話のネタバレ解説はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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