ドラマ『ファウンデーション』シーズン2はある?
2021年9月24日(金)よりApple TV+で配信を開始したドラマ『ファウンデーション』。70年前に第1弾が刊行されたアイザック・アシモフの名作小説を初めて映像化した本作は、ショーランナーを務めるデヴィッド・S・ゴイヤーが80話規模での製作を目指している大作ドラマだ。今回配信されたシリーズは「シーズン1」と表記されており、複数のシーズンに跨いでいくことが予想される。
壮大なスケールの原作小説を圧倒的な映像美と共に実写化した本作は、無事にシーズン2、シーズン3と製作が進んでいくのだろうか。ショーランナーのゴイヤーは、米Inverseに既にシーズン4までの構想があるとして、その構成についても明かしている。
シーズン2には前日譚が
原作小説の「ファウンデーション」シリーズは、第1弾『ファウンデーション』が1951年に刊行された後、第2弾の『ファウンデーション対帝国』(1952)、第3弾の『第二ファウンデーション』(1953) が刊行され、この初期の作品は3部作とされる。1982年に続編となる4作目『ファウンデーションの彼方へ』、1986年に5作目『ファウンデーションと地球』が刊行。1988年に発表された『ファウンデーションへの序曲』と1993年に刊行されアシモフの遺作となった『ファウンデーションの誕生』は3部作の前日譚にあたる。
アイザック・アシモフが直接手掛けた「ファウンデーション」は以上の7作で、アシモフの死後にもグレゴリー・ベンフォードらによって続編3作が刊行されている。では、80話規模を目指すというドラマ版『ファウンデーション』は、どのような構成になっているのだろうか。ゴイヤーは以下のように語っている。
あるところまでは、3部作と続編2作、前日譚2作を扱っています。ですが、私はそれらをリミックスしました。続編2作の一部はシーズン1に、前日譚の一部はシーズン2に登場することになります。
まだシーズン1の配信が始まったばかりだが、既にシーズン2の内容が決まっていることを明かしている。それもアシモフが晩年に手がけた「ファウンデーション」シリーズの前日譚『ファウンデーションへの序曲』と『ファウンデーションの誕生』の一部が描かれるという。つまり、シーズン2ではシーズン1の第1話よりも前の話が描かれるということだ。
シーズン1には既に『ファウンデーションへの序曲』と『ファウンデーションの誕生』に登場したクレオン1世が、”クローン”というドラマオリジナルの設定で登場している。『ファウンデーション』はドラマ化にあたって原作の設定に改変が加えられており、小説シリーズの7作にオリジナルの要素を加えたストーリーが展開されていくようだ。
シーズン4までのプランあり
時にはキャラクターの設定にも変更を加えてアシモフの発想を実写ドラマに落とし込むゴイヤー。当然ながらアイザック・アシモフと原作へのリスペクトは強く、「アシモフは言うまでもなくスマートな人だったので、(ドラマ化にあたって)私はクレイジーなアイデアを全て出してやろうと思いました」と語っている。
だが、気になるのはショーランナーのゴイヤー自身がシーズン2の構想と意欲を持っていたとしても、Appleがその製作にゴーサインを出すかどうかだ。こればかりはシーズン1配信開始を受けてのApple TV+の会員数の伸びや視聴回数にかかっているところだろう。それでも、ゴイヤーはドラマ『ファウンデーション』製作に関するポジティブな情報も明かしてくれている。
私はApple社にシーズン2とシーズン3、そしてシーズン4までのロードマップを示さなければいけませんでした。ですから、シーズン1には後の展開のための伏線がたくさんあるんです。シーズン1で立ち上がるプロットの中には、後のシーズンで結実させたいものが確かにあります。
そもそもゴイヤーは『ファウンデーション』の製作にあたってAppleにシーズン4までのプランを示す必要があり、シーズン1ではシーズン2以降の伏線になる要素も多く散りばめられているという。
Appleとしても、『ファウンデーション』をApple TV+を代表するような大作ドラマに育てたいという思いは強いはずだ。動画配信サービス最大手のNetflix、当日配送や音楽配信と合わせて圧倒的な会員数を誇るAmazonプライムビデオ、ディズニー・ピクサー・マーベル作品等を抱えるDinesy+に対し、Apple TV+は後発メディアとして後塵を拝してきた。
70年以上前に歴史をスタートさせたアイザック・アシモフの名作SFの力を借り、ドラマ『ファウンデーション』は成功を収めることができるのだろうか。今後の展開を注視しよう。
追記:米時間2021年10月7日にシーズン2への更新が発表された。アイザック・アシモフの娘ロビン・アシモフのコメントを含む詳細はこちらから。
シーズン2の新キャラと新キャストはこちらの記事で。
ドラマ『ファウンデーション』はApple TV+で独占配信中。
原作の第一巻となるアイザック・アシモフ『銀河帝国の興亡』は、鍛治靖子による新訳版が東京創元社より発売中。
岡部宏之が翻訳を手かげた早川書房版『ファウンデーション』は第7巻まで発売中。
ゴイヤーが実写特有の問題を乗り越えるため取り入れたアイデアについてはこちらから。
ドラマ版で加わった“クローン皇帝”の裏側についてショーランナーのデヴィッド・ゴイヤーと、デイを演じたリー・ペイスが語った内容はこちらから。
『ファウンデーション』を『ゲーム・オブ・スローンズ』のような大作ドラマに育てようとするゴイヤーの意気込みはこちらの記事で。
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Inverse