第1話ネタバレ解説! ドラマ『ボバ・フェット』スター・ウォーズ最新作 『ジェダイの帰還』後も描く あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

第1話ネタバレ解説! ドラマ『ボバ・フェット』スター・ウォーズ最新作 『ジェダイの帰還』後も描く あらすじ&考察

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ドラマ『ボバ・フェット』配信開始

「スター・ウォーズ」シリーズきっての人気キャラであるボバ・フェットを主人公に据えたドラマ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』が、2021年12月29日(水)より、Disney+で配信を開始した。ボバ・フェットは『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980) で初登場を果たしたキャラクター(後に『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977) にも映像が追加された)で、実に41年の時を経て初めて主役作品が公開されることになった。

Disney+最初の「スター・ウォーズ」オリジナル作品であるドラマ『マンダロリアン』(2019-) のシーズン2で復活したボバ・フェットは、かつてジャバ・ザ・ハットが君臨していた惑星タトゥイーンの裏社会の玉座を手中におさめる。ドラマ『ボバ・フェット』では、その後のボバと相棒のフェネック・シャンドの姿が描かれる。

過去作品でのボバ・フェットの活躍と本作までの経緯はこちらの記事に詳しい。

今回は、ドラマ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』第1話の各シーンを解説していく。以下の内容は第1話のネタバレを含むので、必ず観賞後に読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』第1話の内容に関するネタバレを含みます。

第1話「異星のはぐれ者」のネタバレあらすじ&解説

ボバの夢の中の記憶

ドラマ『ボバ・フェット』第1話の冒頭で映し出されるのは、惑星タトゥイーンの都市モス・エスパにある、ジャバ・ザ・ハットがかつてアジトとして使っていた宮殿。旧三部作で何度も登場した場所だが、かつてとは違い、静寂が宮殿を包んでいる。眠りにつくボバ・フェットは映画『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002) で描かれたシーンを思い出している。

雨と波のシーンで描かれているのは、ボバ・フェットの生まれ故郷であるクローン製造拠点の惑星カミーノだ。カミーノはDisney+で配信されているアニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』(2021-) でも中心的な舞台になった。『エピソード2』では、ボバの“父”のジャンゴ・フェットはドゥークー伯爵に雇われており、クローン兵製造のために自身の遺伝子を提供している。その見返りとしてジャンゴは、感情抑制などが施されていない“完全”な自分のクローンを受け取り、ボバと名付けて育てていた。

『エピソード2』では、ジャンゴとボバはカミーノに潜伏していたところにオビ=ワン・ケノービが襲来。ジャンゴとボバは協力し、なんとかオビ=ワンを退けて脱出するが、逃亡した先のジオノーシスにおける“ジオノーシスの戦い”でジャンゴはジェダイのメイス・ウィンドゥに首をはねられてしまう。『ボバ・フェット』第1話の冒頭でボバ・フェットが夢の中で見ているのは、幼い頃に父の死を目の前で目撃した記憶だ。

『エピソード2』には、終戦後にボバがジャンゴのヘルメットに頭を合わせて想いを馳せるシーンがあるが、ドラマ『ボバ・フェット』ではこのシーンを元に、ボバ視点でマンダロアのマスクを見つめるシーンなど、新たなカットが挿入されている。この時、ボバ・フェットは父を失うと同時に父を継いで賞金稼ぎになったのだった。

なお、エピソード1から3までの新三部作でボバ・フェットの父ジャンゴ・フェットを演じたテムエラ・モリソンが、ドラマ『マンダロリアン』と『ボバ・フェット』で中年になったボバ・フェットを演じている。二人はクローンであり見た目が一致している必要がある為、最適なキャスティングだと言える。

『エピソード6』のその後

そして次に映し出されるのは、これまでシリーズ内で描かれていなかった映画『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983) のその後である。ボバ・フェットは『エピソード6』でルーク&ソロとの対決に敗れ、ジャバ・ザ・ハットのペットであるサルラックに丸呑みされている。『マンダロリアン』シーズン2で登場した為、生きていたことは明らかになったが、どのようにしてサルラックの胃袋から逃げ出したのかということは描かれていなかった。

今回、丁寧に“その後”を回収。砂の中から復活する不屈のボバ・フェットの姿が描かれている。それにしても音楽がいちいちカッコいい。『ボバ・フェット』の音楽を担当しているのは『マンダロリアン』に引き続きルドウィグ・ゴランソンだ。『ブラックパンサー』(2018) や『TENET テネット』(2020) の音楽でも知られている。

しかし、そこで力尽きてしまったボバ・フェットは、惑星タトゥイーンに住むジャワ族にマンダロアのアーマーを奪われてしまう。『マンダロリアン』シーズン1は、ボバ・フェットがサルラックに飲み込まれた『エピソード6』の5年後が描かれており、ボバ・フェットはシーズン2でマンダロリアンの手に渡ったアーマーを取り返すまで5年もの間、父の形見のアーマーを探していたことになる。

タトゥイーンに住むもう一つの種族であるサンドピープルことタスケン・レイダーは、手負いのボバ・フェットを捕らえると、砂漠の中ボバを引きずって行く。一度破れ、雇い主も失ったボバは、惑星タトゥイーンの強烈な弱肉強食に晒されるのだった。

ここでタイトルロゴが登場。『The Book of Boba Fett』という英題は、聖書の章立てから引用されたもの。例えば、「出エジプト記」は「The Book of Exodus」、「ダニエル書」は「The Book of Daniel」となる。ドラマ『ボバ・フェット』は、「スター・ウォーズ」という広大な伝説の中の「ボバ・フェット書」ということである。

ボバのやり方

サンドピープルに捕らえられたボバ・フェットは、虐待を受けながらも脱出に成功。しかし、多くの賞金稼ぎを輩出しているローディアンの捕虜が怯えてサンドピープルを起こしてしまい、ボバ・フェットは一騎討ちに敗北してしまう。この時、サンドピープルが使っている武器はガダッフィという伝統的な武器で、『マンダロリアン』ではアーマーを取り戻す前のボバ・フェットがこの武器を使用している。

ここでフェネック・シャンドがボバ・フェットを「ボス」と呼んで起こし、過去パートは一旦終了。ボバは眠っていたのではなく“ヒーリング”を受けていたようだ。タトゥイーンの玉座についたボバ・フェットは、「皆」の前に出向くためにようやくあのアーマーを装着する。

ボバのかつての雇い主であるドク・ストラッジをはじめとする実力者たちから建前上の歓迎を受ける。ドク・ストラッジの貢物はチューバッカに代表されるウーキー族の毛皮だろうか。末長く留まるようにと言うストラッジに対して、ボバは「トランドーシャンが言うと脅しに聞こえる」とこぼすが、トランドーシャンとはトカゲのような見た目をした種族のことで、『バッド・バッチ』に登場したシドもトランドーシャンである。

次に現れたのはモス・エスパ一帯の市長の執事長だったが、市長直々に挨拶に来なかったことにもボバは寛大な態度を示す。だが、執事長は持ってきたものは貢物(tribute)ではなく歓迎(welcome)であると訂正し、表面的な謝罪として「apologies」と繰り返すばかり。ジャバ・ザ・ハットよりも明らかに舐められていることに、フェネックはイラつきを隠せない。

執事長は、むしろボバに貢物をおさめるよう求める。この場面でボバは自分のことを「犯罪王」と言っているが、英語では「the crime lord」となっており、「犯罪界の盟主」のような意味である。ジャバ・ザ・ハットも同じように呼ばれていた。タトゥイーンの裏社会を取り仕切ることになるボバに対し、市長は随分と強気のようである。

次に、ジャバ・ザ・ハットとその跡を継いだ側近ビブ・フォーチュナの護衛を務めていたガモーリアンが通される。ボバ・フェットへの不服従を貫くガモーリアンたちに対し、ドロイドは拷問をして力を示すべきだと助言するが、ボバは逆にガモーリアンを解放して忠誠を誓わせる。恐怖による支配ではない、敬意と契りによる統治。これがボバのやり方なのだ。

不安定な統治

ガモーリアンを連れて街を闊歩するボバ・フェットとフェネック・シャンドだったが、フェネックは権力の象徴である輿に乗って街を練り歩くべきだと主張する。ドロイドやフェネックの言うとおり、統治するにはもっと簡単な方法があるはずだ。それでも、フリーランサーとして自由に生きてきたボバ・フェットは違うやり方を示そうとしているようだ。

サンクチュアリーという名のクラブを訪れた二人は、オーナーのガーザ・フウィップと面会。ボバが「俺の支配下でこの店は今後も繁盛する」と伝えると、ガーザ・フウィップは店を「あなたの物です」と言い、預かっていたヘルメットにこっそりとみかじめ料を入れて返却。行政よりもよっぽど話が分かっている。

恐怖ではなく尊敬で支配したいというボバ・フェットに対し、フェネックは「厳しい時代には恐怖の方が確実」と反論。ドラマ『ボバ・フェット』の舞台は『マンダロリアン』シーズン2の直後であり、『エピソード6』でルーク・スカイウォーカーによって帝国が崩された後の時代だ。フェネックの言う「厳しい時代」とは、強大な権力が崩れ去って5年ほどしか経っていない、銀河全体の権力構造が不安定な新共和国初期のことを指しているのだろう。特にフェネックはギルドを通さずに直接仕事を受けていた為、ジャバ・ザ・ハットをはじめとする帝国時代の依頼主を失っている。

そんな二人の前に現れた武装集団は手慣れた戦術で二人を追い込むが、そのピンチを救ったのは、ボバが信頼を礎に忠誠を誓わせたガモーリアンの護衛だった。フェネックは暗殺者を追い、傷ついたボバ・フェットは“バクタ・ポッド”へ向かう。第1話の序盤でボバが入っていたポッドのことだ。

この発言から、ボバ・フェットが入っていたポッドが、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』で初めて登場した“バクタ・タンク”を転用したものであることが分かる。バクタ・タンクは天井と床に繋がれた縦型のタンクで、『エピソード5』でルークを治療するために使われていた。映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016) でもダース・ベイダーがこのバクタ・タンクを使用している。

バクタ・タンクは傷を急速に治癒するバクテリアであるバクタでタンクを満たしたものになっており、バクタ・ポッドは横になった状態で同様の効果を得られるらしい。タンクは天井と床に固定する必要があった為、ポッド型は設置がより簡単という利点があると想像できる。

二人の暗殺者を追っていたフェネックは一人を屋上から落として、もう一人を捕虜にする。ボバ・フェットへの助言を見ても、やはりフェネックの方が現実主義者であるように思える。そして、バクタ・ポッドに辿り着いたボバ・フェットは、冒頭の夢のつづきを見るのだった。

“鎖”で繋ぐもの

再びサンドピープルに捕らえられたボバ・フェットは、ローディアンと共に砂漠を歩かされる。途中、ギャングが民家を襲撃する様子を目撃。ギャングは襲撃した家に特徴的なサインを残している。ダース・ベイダーに完治できないほど遠く離れた星としてルークはタトゥイーンに送られたわけだが、改めてルークがいかにひどい環境で暮らしていたかということが分かる。

タトゥイーンの二つの太陽が照りつける中、ボバ・フェットは水を掘り起こす労働に従事させられる。ボバの奴隷時代である。このシーンではボバを繋ぎ止めるローディアンの存在が象徴的だ。ドラマ『ボバ・フェット』は「支配」の物語のようだが、このローディアンのように自分から支配されたがる人々も存在するということである。そしてボバは、奴隷主に成果を嬉々として報告するような人物ではなく、「分け前をよこせ」と主張するのだった。

そしてここで、砂中にいた4本腕(4本足?)のクリーチャーが登場。ローディアンはやられてしまうが、ボバ・フェットは自らを縛っていた鎖でクリーチャーを倒して、サンドピープルを助けてみせる。自身を縛っていた鎖がちぎれるやいなや、今度は自由を得るための武器として使いこなすボバ・フェット。サンドピープルに恩を与えたボバは、ここでも相手を脅すことをしない。集落に戻ったボバはサンドピープルから“尊敬”を得て、水を受け取るのだった。

ドラマ『ボバ・フェット』第1話はここで幕を閉じる。『マンダロリアン』の時と同じく、ミッドクレジットでは各シーンのコンセプトアートが紹介されている。

ドラマ『ボバ・フェット』第1話考察

まず『ボバ・フェット』では、『マンダロリアン』シーズン2の後のボバとフェネックの姿が描かれることは判明していた。第1話では、同時に『エピソード6』から『マンダロリアン』までのボバの過去についても“夢”という形で描かれることが分かった。

クローンの父であるジャンゴがそうであったように、ボバもまた賞金稼ぎとして自由を愛して生きてきた。そのボバがなぜタトゥイーンに戻り、支配する側へと回ることになったのか。その背景には、『エピソード6』から『マンダロリアン』までの約5年間の経験があるのかもしれない。

気になるのは、第1話冒頭からボバ・フェットからバクタ・ポッドに入っていることだ。戦闘シーンでもかつてのような力強さはなく、フェネックよりも一足先に退いている。さすがの「銀河一の賞金稼ぎ」も、老体に鞭を打って戦っているのだろうか。

だが実は、ボバ・フェットの生まれ年は32 BBY(ヤヴィンの戦い以前)で、9 ABY(ヤヴィンの戦い以後)を舞台にした『マンダロリアン』の時点でまだ41歳だ。ボバ・フェットを演じるテムエラ・モリソンは、『ボバ・フェット』第1話配信日の時点で61歳。もしかすると、ボバ・フェットは中年だったジャンゴのクローンとして生まれた為、老化が早いのかもしれない。ボバ・フェットが拠点を持とうとした背景には、体力的な問題も存在している可能性も考えられる。

また、ボバ・フェットとフェネック・シャンドを襲撃した忍者のような武装集団にも注目だ。明らかに組織的な行動であり、軍隊のように戦略的な戦いができる集団であった。絶対的な統治者だったジャバ・ザ・ハットの死後、側近のビブ・フォーチュナの統治は約5年で終了した。新たに玉座を狙う連中が存在しているということだろうか。

そして、ボバ・フェットはもちろんだが、フェネック・シャンドのバックグラウンドが描かれることにも期待したい。帝国成立直後を描いたアニメ『バッド・バッチ』では、フェネックはボバの妹にあたるオメガと出会っている。あの一件に触れられるのかどうかという点にも注目だ。

ドラマ『ボバ・フェット』は全7話で構成され、2022年2月9日(水)に最終話が配信される。新たに始まった「スター・ウォーズ」の物語を最後まで見届けよう。

ドラマ『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』は2021年12月29日(水) より、第1話が配信開始。

『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』(Disney+)

第2話の解説はこちらから。

過去作品でのボバ・フェットの活躍と本作までの経緯はこちらの記事に詳しい。

ボバの“妹”であるオメガが主要キャラとして描かれるアニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』は、シーズン2の配信が決定している

ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』のメイキング映像も公開されている。詳細はこちらから。

アナキンの弟子であるアソーカ・タノを主人公に据えたドラマ『アソーカ』についての情報はこちらから。

『バッド・バッチ』で判明した帝国がクローンを廃止した理由についてはこちらの記事で。

『バッド・バッチ』の各話解説はこちらから。

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齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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