ワーナー・ブラザーズとディスカバリーに続く新たな合併が話題に
2022年4月にディスカバリーと合併を果たしたワーナー・ブラザーズ。2023年10月にはワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーの子会社ワーナー・ブラザーズがユニバーサルに売却される噂を米Variety が報じた。2023年12月にワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーCEOを務めるデヴィッド・ザスラフがパラマウントCEOのボブ・バキッシュと統合する取引について話し合ったことを米Variety、米The Hollywood Reporter、米Deadline、米IGNなど海外メディア各社が報じた。
ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーは2023年に100周年記念として様々な動きを見せていたが、『バービー』(2023)のヒットとは裏腹に続くDCEU作品の不振、クリストファー・ノーランのユニバーサルの移籍など苦境の最中にあった。一方でパラマウントもストリーミングが主流になっている現在では苦難を強いられており、自社のストリーミングサービスの「Paramount+」を展開するも株価は下降気味にあった。
ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーとしては自社ストリーミングサービスの「Max」展開と合わせ、パラマウントの「Paramount+」との合併によるIP権利を利用した更なる飛躍を試みているものだと考えられる。ワーナー・ブラザーズはユニバーサル・ピクチャーズとホームエンターテイメント部門で2020年に統合し、合併株式会社を立ち上げている。
この合併が成功すればディズニーが20世紀FOXを買収した際と同程度の影響がハリウッドに起きるだろう。ワーナー・ブラザーズとディスカバリーの合併の際には社内でも様々な影響が起き、税金対策を理由に『バットガール(原題:Batgirl)』や『コヨーテvsアクメ(Coyote vs Acme)』がお蔵入りになった。更にはワーナー・ブラザーズとしては看板作品であるルーニー・テューンズ作品の『コヨーテvsアクメ』の販売など、IPの切り売りとも取られかねない方針を取ったことでファンは不安になった。
2023年末に起きたハリウッドを震撼させる大ニュース。海外メディアもワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーとパラマウントが合併するのかどうかの話題で持ち切りになっている。しかし、イエロージャーナル(閲覧数をあげるために情報の真偽よりも煽情的な報道をすること)にならないように気を付けることも重要だ。
両社が合併すればDC、ルーニー・テューンズ、ハリーポッター、ターミネーター、トランスフォーマー、ミッション:インポッシブル、トップガン、クワイエット・プレイス、ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ、ゴッドファーザー、パラノーマル・アクティビティなど数えきれない大型IPが集結することになる。映画ファンとしても今後の両社の展開に注目していきたい。
Source
Variety/The Hollywood Reporter/Deadline/IGN
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