2019年度 ヒューゴー賞発表! メアリ・ロビネット・コワルがダブルクラウン、タケダ サナ『モンストレス』が三連覇、映像部門に『スパイダーバース』(受賞リスト掲載)

via: © The Hugo Awards

2019年のSF最高賞が決定!

アイルランドの首都、ダブリンで開催されている世界SF大会(ワールドコン)で、SF最高賞の一つであるヒューゴー賞の受賞作品および受賞者が発表された。2019年のヒューゴー賞は、2016年から前人未到の三連覇を達成したN・K・ジェミシンが不在。劉慈欣(リュウ・ジキン/リウ ツーシン)が『三体』でアジア初のヒューゴー賞長編小説部門を受賞して以来、4年ぶりにジェミシン以外の作家の作品が選ばれることになった。

メアリ・ロビネット・コワルがダブルクラウン

そんな中、最注目の長編小説部門に選ばれたのはメアリ・ロビネット・コワル『The Calculating Stars』。5月に発表されたネビュラ賞と合わせて二大SF賞を制覇、ダブルクラウンを達成した。受賞スピーチで壇上に上がったメアリ・ロビネット・コワルは、女性やLGBTQなど、これまで歴史や物語から捨象されてきた人々の物語を描きたかったと話し、その存在を「いなかったことにはしない」と力強く宣言した。

メアリ・ロビネット・コワルは、2011年の短編小説部門、2014年の中編小説部門に続き、ヒューゴー賞受賞は3部門目。日本でも今年3月、「男性読者に対してどれほど配慮する?」という質問への返答が話題となっていた。

中長編小説部門にはマーサ・ウェルズの「Artificial Condition」、中編小説部門にマレーシア出身のゼン・チョーの「If at First You Don’t Succeed, Try, Try Again」、短編小説部門は、アリックス・E・ハロウ「A Witch’s Guide to Escape: A Practical Compendium of Portal Fantasies」 が選ばれた。アリックス・E・ハロウは、女性作家としては史上最年少となる29歳でのヒューゴー賞受賞を達成した。

タケダ サナ『モンストレス』が三連覇

ヒューゴー賞グラフィックストーリー部門には、タケダ サナ、マージョリー・リューの『モンストレス Vol.3』が選ばれた。なんと、『モンストレス』はVol.1から三連覇を達成。昨年まで長編小説部門を制していたN・K・ジェミシンに続くSF最高賞三連覇となった。

ヒューゴー賞長編映像部門に選ばれたのは『スパイダーマン: スパイダーバース』。MCUからノミネートされた 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』と『ブラックパンサー』を破っての受賞となった。

アートブック部門には、アーシュラ・K・ル・グイン、チャールズ・ヴェスの『The Books of Earthsea: The Complete Illustrated Edition』。ル・グインは異なる6つの部門でヒューゴー賞を受賞する記録を樹立した。同作でイラストを手がけたチャールズ・ヴェスはプロアーティスト部門も受賞し二冠となった。プロアーティスト部門にノミネートされていたイラストレーターの清水裕子は惜しくも受賞はならなかった。

なお、半商業誌が対象となるセミプロジン部門では、『Uncanny Magazine』が四連覇を達成した。ジョン・W・キャンベル新人賞には、香港生まれのジャネット・ン (Jeannette Ng 吳志麗) が選ばれている。

2019年度のヒューゴー賞受賞作品および受賞者は以下の通り。

2019年度 ヒューゴー賞受賞リスト

長編小説部門

メアリ・ロビネット・コワル
『The Calculating Stars』

中長編小説部門

マーサ・ウェルズ
「Artificial Condition」

中編小説部門

ゼン・チョー
「If at First You Don’t Succeed, Try, Try Again」

短編小説部門

アリックス・E・ハロウ
「A Witch’s Guide to Escape: A Practical Compendium of Portal Fantasies」

シリーズ部門

ベッキー・チェンバーズ
「Wayfarers」

関連書籍部門

A project of the Organization for Transformative Works
「Archive of Our Own」

グラフィックストーリー部門

マージョリー・リュー&タケダ サナ
『モンストレス Vol.3』

長編映像部門

フィル・ロード、ロドニー・ロスマン、ボブ・ペルシケッティ、ピーター・ラムジー、ロドニー・ロスマン
『スパイダーマン: スパイダーバース』

短編映像部門 (90分以内)

ジョシュ・シーゲル、ダイラン・モーガン、モーガン・サケット
『グッド・プレイス』「ジャネット (たち)」

プロアーティスト部門

チャールズ・ヴェス

短編編集者部門

ガードナー・ドゾワ

長編編集者部門

ナーヴァ・ウォルフ

セミプロジン部門 (半商業誌)

リン・M・トーマス、マイケル・ダミアン・トーマス、ミチ・トロタ、エリカ・エンサイン、スティーブン・スチャパンスキー、エルサ・スジャネソン=ヘンリー、ドミニク・パリシャン
『Uncanny Magazine』

ファンジン部門(非商業誌)

イラ、ジョディ、KJ、レネイ、スーザン
『Lady Business』

ファンアーティスト部門(非商業アーティスト)

リクヘイン (ミア・セレーノ)

ファンライター部門(非商業ライター)

フォズ・メドーズ

ファンキャスト部門(非商業オーディオ・ビデオ部門)

アンナリー・ネウィッツ、チャーリー・ジェーン・アンダース
『Our Opinions Are Correct』

アートブック部門

アーシュラ・K・ル・グイン、チャールズ・ヴェス
『The Books of Earthsea: The Complete Illustrated Edition』

ヒューゴー賞と共に発表されたその他の賞

ジョン・W・キャンベル新人賞

ジャネット・ン (吳志麗)

ロードスター ベスト・ヤングアダルト・ブック賞

トミ・アデイェミ『Children of Blood and Bone』

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