デヴィッド・フィンチャーがNetflixと4年契約
『エイリアン3』(1992)『ファイト・クラブ』(1999)『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(2008)『ゴーン・ガール』(2014) といった名作映画を生み出してきたデヴィッド・フィンチャー監督が、動画配信プラットフォームのNetflixと大型契約を締結した。その内容は、4年間の“独占契約 (exclusivity deal)”だという。デヴィッド・フィンチャーがフランス誌のPremiereで語り、The Playlistをはじめとする英語圏のメディアも報じている。
デヴィッド・フィンチャーは、2014年公開『ゴーン・ガール』を最後に劇場公開映画から離れている。2017年にはNetflixドラマ『マインドハンター』の監督を2シーズン務めた。2019年にはNetflixオリジナルのSFアニメアンソロジー『ラブ、デス&ロボット』の製作総指揮を務め、同作は一躍人気シリーズに。収録作の『目撃者』はエミー賞でアニメーション賞短編アニメーション部門を受賞し、既にシーズン2への更新が決定している。
デヴィッド・フィンチャーの次回作『Mank/マンク』は、2020年11月13日より劇場での米公開 (日本では11月20日から) を予定している。『市民ケーン』(1941)でアカデミー賞脚本賞を受賞した脚本家ハーマン・J・マンキーウィッツを主人公に据えた同作は、Netflixオリジナル映画となっており、12月4日にはNetflixでの配信を開始する。
「“コンテンツ”を届ける」
既にNetflixというプラットフォームを通じて、ドラマ・アニメ・映画の制作に携わったデヴィッド・フィンチャーは、4年間でどのような作品に取り組むつもりなのだろうか。フィンチャーは、Premiere誌に以下のように語っている。
『Mank/マンク』の評判次第では、きまりの悪そうな顔をしてNetflixに行き、挽回するためにはどうすればいいか尋ねる羽目になるかもしれませんし、でなければ今後の映画を全て白黒で撮るような傲慢で嫌な奴になるかもしれません [※『Mank/マンク』が白黒で撮影されているため]。冗談です。私は“コンテンツ”を届けるためにここにいます。それは、私の小さな影響力が及ぶ範囲で、Netflixに観客を連れてくるということです。
Netflixは、『アメリカン・ホラー・ストーリー』(2011-)を手がけたライアン・マーフィーとも総額3億ドル (約314億円) の複数年契約を結んだことが明らかになっている。中国SFの金字塔『三体』のドラマ化も進めるなど、コロナ禍にあっても積極的に次の一手に打って出ている。デヴィッド・フィンチャーはNetflixというプラットフォームの上でどのような輝きを見せるのか。『ラブ、デス&ロボット』シーズン2にも期待しよう。
ゲイリー・オールドマンが主演を務めたデヴィッド・フィンチャー最新作、Netflix映画『Mank/マンク』は、2020年11月20日(金)より日本公開。12月4日(金)よりNetflixで配信開始。