Toshiya KameiがBFC等からの翻訳リストを公開
日本のSF短編小説を次々に英訳し、海外の媒体で紹介している翻訳家のToshiya Kameiが、ブンゲイファイトクラブ (BFC)、惑星と口笛ブックス、かぐやSFコンテストから翻訳されて掲載を勝ち取った作品のリストを自身のウェブサイトで公開している。
今回リストが公開された翻訳元は全てオンライン (電子書籍含む) で読める媒体だ。ブンゲイファイトクラブは惑星と口笛、編集Z、編集オメガ、編集リドルが主宰する文芸イベント。惑星と口笛ブックスは西崎憲が主宰する電子書籍の出版レーベルで、大前粟生、北野勇作、斎藤直子らの電子書籍をリリースしてきた。2021年1月1日(金)には〈オルタナキュレーション惑星と口笛〉にリニューアルされた。
かぐやSFコンテストは、SFメディアのバゴプラが2020年に開催したSF短編小説のコンテスト。大賞への商品を英語訳と中国語訳に設定し、海外の読者を意識した作品が集まった。第一回かぐやSFコンテストでは、最終候補に残った11作品だけでなく、Honorable Mention (選外佳作) リストとウェブ上で公開されている作品へのリンクも公開している。
Toshiya Kameiのリストでは、第一回かぐやSFコンテストでで審査員特別賞を受賞した坂崎かおるの「リモート」に続き、選外佳作に選ばれた「つくえ・くろにくる」の掲載決定も明らかになっている。原里実「永遠の子どもたち」の掲載先にも注目だ。「いつかあの夏へ」で読者賞を受賞した佐伯真洋の「母になる」は第4回日経星新一賞の最終候補作だが、関連作品として掲載されている。
Toshiya Kameiは、『小説すばる』2021年1月号にエッセイ「日本発インディーSFを世界へ」を寄稿し話題となった。同エッセイでは、これまでの経緯や、翻訳した掌編を海外に発信していく際の戦術的なアプローチが明らかになっている。
リストの掲載作品は、今後更に増えていく予定。新たな文学の発信地となったBFC、オルタナキュレーション惑星と口笛、かぐやSFコンテストの今後にも注目して頂きたい。