蜂本みさがBFC王者に
6日午前9時、第2回ブンゲイファイトクラブ (BFC2) 決勝の結果が発表され、2年連続で決勝進出を果たしていた蜂本みさが「ある雨の朝アクラクは」で優勝を果たした。第7回日経星新一賞受賞者で、SF作品「ティンカー・ベルとZPT」で初の決勝に挑んだ白川小六は準優勝。両名の作品と、ジャッジとして決勝に勝ち進んだ竹中朖による評は、以下のリンク先で読むことができる。
ブンゲイファイトクラブは文芸による名誉をかけた戦いで、賞金なし、参加資格とジャンルの制限なし、ジャッジ自身もジャッジされるという前代未聞のルールを掲げた文芸イベントだ。各試合の勝者はジャッジの判定によって決定されるが、ジャッジもまた出場ファイターからのジャッジを受け、高い評価を得たジャッジが生き残っていく。2019年に開催された第1回ブンゲイファイトクラブでは、決勝ジャッジを『構造素子』の樋口恭介が務め、『100文字SF』などで知られる北野勇作が初代王者の座に輝いた。主宰は西崎憲が運営する「惑星と口笛」。
帰ってきたBFC
BFC2では、2020年10月25日(日)に本戦出場を果たした40作品を公開。11月10日(火)、7名のジャッジによって選ばれた2回戦進出のファイター8名が発表され、翌週の17日(火)には2回戦の8作品と勝ち進んだジャッジ3名が発表された。2回戦のファイターは笛宮ヱリ子、馳平啓樹、和泉眞弓、蜂本みさ、白川小六、由々平秕、冬乃くじ、海乃凧。ジャッジは竹中朖、笠井康平、遠野よあけの3名が2回戦に進んだ。24日(火)に蜂本みさと白川小六の決勝進出が発表されると、12月1日(火)に両名による決勝2作品が公開。同時に竹中朖が決勝ジャッジに選出されたことが発表された。そして6日(日)、多くのオーディエンスとプレイヤー達が見守る中、前年準優勝の蜂本みさが見事栄冠を手にした。
BFC2では、本戦前に「オープンマイク」と称して400字程度の作品を募集し、95作品が公開された。スピンオフイベント「イグBFC2」「BFC2幻の2回戦作」も開催されるなど、第1回同様、コミュニティ主導の盛り上がりを見せている。BFCの参加者に制限をかけず、SNSを中心に進行していくスタイルは、バゴプラが夏に開催したかぐやSFコンテストにも影響を与えた。また、BFCからは、Toshiya Kameiの翻訳によって海外に挑戦する作者・作品も登場している。
第2回ブンゲイファイトクラブを戦い抜いたファイターとジャッジに拍手を送りつつ、それぞれの今後の活躍にも注目しよう。