N・K・ジェミシン《破壊された地球》三部作より新作登場
SF最高賞の一つとして知られるヒューゴー賞の長編小説部門で前人未到の三連覇を達成したN・K・ジェミシンの《破壊された地球》三部作 (The Broken Earth trilogy) より、最新作『オベリスクの門』(小野田和子 訳) が2021年9月13日(月)に発売される。AmazonではKindle版と合わせて予約受付を開始している。
『オベリスクの門』は、2020年6月に日本語訳が発売された『第五の季節』(小野田和子 訳) に続く、《破壊された地球》三部作の第二弾。前作と同じく、ベッキー・チェンバーズ『銀河核へ』(2019, 創元SF文庫) などの装画を手がけたK,Kanehiraが表紙のイラストを手がけている。また、前作で618頁だったボリュームは560頁になることも明らかになっている。
《破壊された地球》三部作の舞台は、数百年ごとに文明を破壊するレベルの大災害“第五の季節”が訪れる世界。“季節”を抑える能力を持つ人々=オロジェンたちは、その力ゆえに人々に恐れられ、「ロガ」と呼ばれ蔑まれている。『第五の季節』の冒頭では、オロジェンであることを隠して生きてきた主人公のエッスンが、その真実を知った夫に幼い息子を殺され娘を連れ去られてしまう。新たな“季節”が迫る中、エッスンは娘を取り戻すため、そして復讐を果たすために旅に出る。
続編『オベリスクの門』のあらすじは、東京創元社から以下のように紹介されている。
ついに〈季節〉が訪れ、破滅的な天変地異が超大陸を襲う。降りしきる灰のなか、父親に連れ去られた娘ナッスンは南極地方めざして旅をする。一方、ナッスンの母エッスンは地下水晶都市カストリマにたどり着き、意外な人物と再会する。〈父なる地球〉、失われた〈月〉、石喰いたち、そして人間――彼らが舞台に出そろったいま、物語は大きく動きはじめる。前人未踏の三年連続ヒューゴー賞受賞の三部作、『第五の季節』に続く第2弾!
(東京創元社メールマガジンより)
N・K・ジェミシンの『オベリスクの門』(小野田和子 訳) は、2021年9月13日(月)に創元SF文庫より発売予定。
なお、『オベリスクの門』を含む《破壊された地球》三部作は、2021年6月にソニー傘下のトライスターが映像化の権利を獲得したことが報じられている。
前作『第五の季節』は『SFが読みたい! 2021年版』(早川書房) の「ベストSF 2020[海外篇]」で第4位に選出されている。未読の方は、第二弾が発売されるこの機会に追いついてみてはいかがだろうか。
『第五の季節』のあらすじはこちらの記事で、ネタバレありの書評はこちらで公開している。
《破壊された地球》三部作の映像化についての情報はこちらの記事で。
2021年3月には、N・K・ジェミシンの『空の都の神々は』から始まるThe Inheritanceトリロジーのドラマ化も報じられている。