Kaguya Planetにて、特集「パレスチナ」第三弾の翻訳短編「継承の息吹」先行公開開始! | VG+ (バゴプラ)

Kaguya Planetにて、特集「パレスチナ」第三弾の翻訳短編「継承の息吹」先行公開開始!

パレスチナ特集第三弾「継承の息吹」、先行公開開始!

SF企業 VGプラスが運営するオンラインSF誌 Kaguya Planetにて、パレスチナ特集の第三弾として、パレスチナ人作家タスニーム・アブータビーフによるSF短編小説「継承の息吹」の先行公開を開始しています。カバーデザインを手がけたのはIkumi・VGプラスデザイン部です。500円で会員登録してお読みください!

ウェブマガジンKaguya Planetでは毎月、SF短編小説を配信中! 掲載した作品は、三ヶ月に一回、マガジン『Kaguya Planet』として刊行します。Kaguya Planetの会員になると、配信している短編小説を先行公開に読むことができたり、マガジン『Kaguya Planet』が無料で届いたり、イベントに割引価格で参加できたり、魅力的な特典が盛りだくさんです!

Kaguya Planetについて詳しく知る

6月のKaguya Planetはパレスチナ特集第三弾

Kaguya Planetでは、2024年4月〜6月にかけて、特集「パレスチナ」を開催。パレスチナ人/パレスチナにルーツのある作家によるSF短編小説を掲載しています。また、7月にはこの三作品とブックレビューやコラムを掲載したマガジンを刊行予定です。

「パレスチナ」の第三弾として、Kaguya Planetにて会員向けに先行公開しているのは、タスニーム・アブータビーフさんによる短編小説「継承の息吹」です。

タスニーム・アブータビーフさんはアメリカ在住のパレスチナ人作家です。1996年にガザで生まれ、ガザのアル=アズハル大学を卒業したのち、2018年にアメリカに移住しました。2015年にスウェーデンとガザの文化交流を目的とした団体Novell GazaによるNovell Gaza短編賞を受賞し、受賞者アンソロジーであるNovell Gaza 2に作品が掲載されています。現在は歯科医をしながら執筆活動をしています。

「ナクバから100年後のパレスチナ」がテーマのアンソロジー『Palestine +100』からお届け

今回掲載する「継承の息吹」(原題:Vengeance)は、イギリスのインディペンデント出版社Comma Pressが2019年に刊行したPalestine +100という書籍に収録されている作品です。

『Palestine +100』は、パレスチナ、エジプト、イラク、クルディスタンという四つの国・地域について、それぞれ「ナクバ、エジプト革命、アメリカによるイラク侵攻(いわゆる「イラク戦争」)、マハーバード共和国の樹立と瓦解という重大な出来事から百年後を描く」というテーマで刊行されているSFシリーズ〈Futures Past〉の一つで、アラビア語で書かれた作品の英訳と英語で書かれた作品合わせて十二作が収録されています。
『Palestine +100』の表紙、また「継承の息吹」日本語版のカバーデザインにあしらわれているのは「鍵」です。ナクバ以降、故郷パレスチナを追われた人々とその子孫、約七百万人が移民・難民として世界中に散らばっています。ほんの短いあいだ留守にするだけだと信じ、自宅の鍵をポケットに入れてパレスチナを出たまま二度と帰ることのできなかった人々の、故郷への想いと帰還の正当性を象徴するモチーフです。

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翻訳を手掛けた岸谷薄荷さんは、海外文学と博物館が好きなフェミニスト。パレスチナ特集で掲載しているソニア・スライマーン「ムニーラと月」の翻訳も手掛けています。監訳を担当した佐藤まなさんは、4月26日刊行の『現代詩手帖 パレスチナ詩アンソロジー 抵抗の声を聴く』にも作品翻訳・解題などで参加されています。

思潮社
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特集「パレスチナ」の掲載作品を読むには

①Kaguya Planetの会員になる

Kaguya Planetの会員になると、4月、5月、6月に「パレスチナ特集」に掲載される作品をいち早くウェブ上で読むことができます。また、会員のプランに応じて、マガジン『Kaguya Planet 特集:パレスチナ』も無料で送られてきます。Kaguya Planetについて詳しく知るにはこちら。また、会員の登録方法についてのマニュアルはこちらからご確認いただけます。

②マガジン『Kaguya Planet 特集:パレスチナ』を予約する

4月、5月、6月に「パレスチナ特集」に掲載した作品は、7月にマガジン『Kaguya Planet 特集:パレスチナ』として刊行します。マガジンには、掲載した短編小説の他、パレスチナとSFに関連するコラムなどを掲載します。なお、こちらのマガジンの売り上げの一部は、国際連合パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に寄付します。

マガジン『Kaguya Planet 特集:パレスチナ』
【概要】
パレスチナ人作家/パレスチナにルーツのある作家によるSF短編小説を三編収録する他、「英語で読めるパレスチナのSF(仮)」と題したレビューや、パレスチナとSFに関するコラムを掲載します。
刊行:2024年7月13日(予定)
サイズ:A5
ページ数:90ページ(予定)
ISBN:978-4-911294-01-7
価格:1500円(税込1650円)

マガジン『Kaguya Planet 特集:パレスチナ』を予約する

マガジン『Kaguya Planet 特集:パレスチナ』の刊行に際して、各短編小説はウェブ上で無料で公開する予定です。

タスニーム・アブータビーフ「継承の息吹」(岸谷薄荷訳)

大気汚染が深刻化し、パーソナルIDが付与されたガスマスクである「ライフマスク」が手放せなくなった未来。ガザに暮らす少年アフメドは、とある「復讐」を果たすため、町で工務店を営む男性ユーセフのもとを訪れ、工務店で働きながら機会を伺っている。ある日、終業後のユーセフのあとを尾けたアフメドは、彼の秘密を目にすることとなる……。

※2024年4月17日以前にKaguya Planetに登録されている会員の方は、こちらから「継承の息吹」を読むことができます。

パレスチナ特集、ラインナップと今後の展開

Kaguya Planetでは、2024年4月、5月にもパレスチナ人やパレスチナにルーツのある作家の翻訳作品を掲載しました。特集「パレスチナ」では、70年以上続く「パレスチナ問題」をめぐる報道やさまざまな語りにおおきな偏りがあることに対して問題提起をし、「パレスチナの声に耳を傾ける」ためにできることを模索しています。

4月にKaguya Planetの会員向けに公開した作品は、アメリカ在住のパレスチナ系作家ソニア・スライマーンさんによる「ムニーラと月です。アラブ圏の人々に馴染み深い民話の精霊であるジンニーエ(女性のジン)のレズビアンが主人公のロマンティックで苛烈なファンタジー作品です。翻訳は岸谷薄荷さん、監訳は佐藤まなさんです。

5月に会員向けに公開した作品は、パレスチナ在住の作家ズィヤード・ハッダーシュさんによる、「ここの外ではです。は今年2024年の1月に発表されたばかりの短いストーリーで、とある視点から今ガザで起きていることを描写する、ソリッドで切実な作品です。アラビア語からの翻訳を手がけたのは佐藤祐朔さんです。

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牧野大寧「城南中学校生徒会役員選挙『カレーVSラーメン』」先行公開中!

またKaguya Planetでは現在、牧野大寧「城南中学校生徒会役員選挙『カレーVSラーメン』」を先行公開中! 牧野大寧さんは2023年に、「城南小学校運動会午後の部『マルチバース借り物競走』」で第三回かぐやSFコンテストの読者賞を受賞。今回の舞台は城南中学校! ということで中学校を舞台に繰り広げられるドタバタ劇をお楽しみください。

「自分で本を『組んで』みよう レイアウト/文字/素材の基本」開催

VGプラスのワークショップ「自分で本を『組んで』みよう レイアウト/文字/素材の基本」を6月30日(日)20時〜開催します。今回のワークショップはZINEや同人誌を自分で作っている人向けの企画です。

組版の基本を知っていると、本作りの楽しさの幅が広がったり、本作りでやりたいことを実現する助けになったりしますので、ぜひご参加ください。

マガジン『Kaguya Planet 特集:気候危機』発売中!

『Kaguya Planet vol.1 気候危機』
特集:気候危機

気温上昇、海洋汚染、エネルギー問題など、地球環境と人間や生物たちに大きな影響を及ぼしている気候変動。
身近な生活の中でも感じられるほどの変化が顕在化し、早急な改善や解決が叫ばれる一方、さまざまな社会問題と絡み合っている複雑な問題でもあります。
マガジン『Kaguya Planet』の記念すべき創刊第1号には、ウェブメディアKaguya Planetで2024年1~3月に開催した「気候危機」特集の掲載小説3作のほか、テーマにまつわるレビューやコラムを収録しました。
フィクションや批評を通して、気候危機が抱える〈交差性〉の一端をのぞき見てみませんか。

⚫︎小説
化野夕陽「春の魚」
津久井五月「われらアルカディアにありき」
エラ・メンズィーズ「雨から離れて」(川崎遥佳訳)
⚫︎ブックレビュー
堀川夢 アンナ・カヴァン『氷』
⚫︎コラム
鯨ヶ岬勇士「バルタン星人と気候危機〈二〇億三〇〇〇万人の移住〉」
齋藤隼飛「気候危機の時代のSF映画」
⚫︎インタビュー
ゲーム『Rise of the Ronin』英語版 高杉晋作役 リック・クマザワが語るレプリゼンテーション
映画『ペナルティループ』監督・荒木伸ニ 俳優・山下リオ
⚫︎PICK UP  『流転の地球 ─太陽系脱出計画─』コラム

サイズ:A5
ページ数:64ページ
一般価格:1650円(税込)
ISBN:978-4-911294-00-0

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Kaguya Planetに登録して読む

※マガジン『Kaguya Planet』は、ベーシック会員(年額6000円)の方にPDF版を、プレミアム会員(年額12000円)の方にPDF版と紙版をお届けいたします。ベーシック(月額500円)の方にはお届けしておりませんので、登録の際にはご注意ください。またKaguya Planetへの登録方法等につきましては、こちらのマニュアルをご確認ください。

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