『スター・ウォーズ:アコライト』の時系列は? パルパティーンは生きてる? タイムラインを解説&考察 | VG+ (バゴプラ)

『スター・ウォーズ:アコライト』の時系列は? パルパティーンは生きてる? タイムラインを解説&考察

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ドラマ『アコライト』の舞台は?

2024年6月5日(水) より配信を開始したドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』は、「スター・ウォーズ」の実写作品では最も過去の時代を舞台にした作品で、ジェダイの黄金期に起きたある事件が描かれる。

気になるのは、『アコライト』の時系列について。近年はさまざまな時代を舞台にした「スター・ウォーズ」のドラマやアニメが配信されており、年表の項目もかなり増えている。今回は、ドラマ『アコライト』の舞台となった時代が時系列的にはどのような位置付けになるのかを見ていこう。

『アコライト』の時系列を解説

119 BBY vs 132 BBY

ドラマ『アコライト』は映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999) の50年前、または100年前を舞台にした作品と言われてきた。いざ配信が始まると、第1話のイントロで「帝国誕生の100年前」と表示されたことで、『アコライト』の舞台は『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005) の100年前が舞台であると思われた。

『エピソード3』の舞台は19 BBY。BBYとは「Before Battle of Yabin(ビフォー・バトル・オブ・ヤヴィン)」の略で、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977) で描かれた“ヤヴィンの戦い”を基準とした歴のこと。つまり、19 BBYが舞台の『エピソード3』は、ダース・ベイダーことアナキン・スカイウォーカーとルーク・スカイウォーカーが再会する19年前の物語ということになる。

『アコライト』の時系列が『エピソード3』の100年前だとすれば、その舞台は119 BBYということだ。しかし、「スター・ウォーズ」公式はこの説を否定している。公式サイトの第1話「失って/見つけて」のトリビアギャラリーを見ると、やはり「『ファントム・メナス』の100年前」と表記されているのだ。

『エピソード1』の舞台は32 BBY。アナキン少年が9歳の頃だ。『アコライト』の時系列的が『エピソード1』の100年前だとすれば、その舞台は132 BBYということになる。この時点で、ドラマ『アコライト』の時系列は119 BBYと132 BBYという二つの可能性が浮上している。

正解は132 BBY?

おそらく正解は132 BBYだ。というのも、『アコライト』第1話の冒頭で「帝国誕生の100年前」と訳されている文の原文は「A hundred years before the rise of the Emire」となっており、この「the rise of the Empire」というワードが幅広く捉えることができるのだ。

例えば、『スター・ウォーズ エピソード9/スカイウォーカーの夜明け』(2019) の副題の原題は「The Rise Of Skywalker」であり、この例に倣えば「the rise of the Empire」は「帝国の夜明け」と解釈することができる。「Rise」には「立ち上がる」「上がってくる」という意味があるため、「the rise of the Empire」は「帝国が完成した時」ではなく、「帝国の勃興に向けて歴史が動きだした時」というより広い捉え方ができるのだ。

であれば、アナキンがジェダイに入り、パルパティーンが元老院最高議長に就任した『エピソード1』は「帝国の夜明け」と言っても過言ではなく、『アコライト』第1話の文言と公式サイトの表記は矛盾しないことになる。ドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』の時系列は『エピソード1』の100年前に当たる132 BBYで間違いないだろう。

『アコライト』に登場するキャラを考察

パルパティーンは生きている?

では、132BBYとはどのような時代なのだろうか。映像化された正史の作品で最も過去の時代を描いたのは子ども向けアニメの『スター・ウォーズ:ヤング・ジェダイ・アドベンチャー』(2023-) で、こちらは232 BBYが舞台になっている。時系列的には『エピソード1』の200年前、ドラマ『アコライト』の100年前にあたる。

『ヤング・ジェダイ・アドベンチャー』にはヨーダも登場して子ども達を指導するのだが、この頃のヨーダは664歳。100年後の『アコライト』では764歳ということになるが、『アコライト』のレスリー・ヘッドランド監督はヨーダを本作に登場させないと明言している。

『アコライト』ではシスの台頭が描かれるということで、気になるのはパルパティーンが登場するのかどうかということだ。書籍『スター・ウォーズ タイムライン』(2023) によると、パルパティーンが生まれたのは84 BBY。『アコライト』はその48年前にあたる132 BBYが舞台なので、この時点でパルティーンはまだ生まれていないということになる。

一方で、『アコライト』は当初『エピソード1』の約50年前を描くとされていた。その後、舞台は100年前に修正されたのだが、パルパティーンの誕生は『エピソード1』の52年前にあたる。『アコライト』の最終話までにパルパティーンの誕生までが描かれるとすれば、本作では『エピソード1』の100〜50年前が描かれることになり、「100年前説」と「50年前説」の矛盾は解消されることになる。

ダース・プレイガス登場も?

あるいは、『アコライト』にはパルパティーンの親など、近い人物が登場する可能性も残されている。中でも本命はシスの暗黒卿でパルパティーンのマスターだったダース・プレイガスだ。パルパティーンは『エピソード3』でアナキンに、かつて死を遠ざけることができたシスとしてダース・プレイガスの話をしている。ダース・プレイガスはパルパティーンに知識を授けたことでパルパティーンに殺されており、その姿を見せたことはない。

ダース・プレイガスの種族にもよるが、パルパティーンが生まれる48年前にすでにシスの暗黒卿になっていた可能性はある。死を遠ざける術を知っていたということで、かなりの長寿だったとも考えられる。『アコライト』にダース・プレイガスが登場してもおかしくはないだろう。

ちなみにドゥークー伯爵はパルパティーンよりも年上だが、生まれたのは102 BBYで、こちらも『アコライト』の時点ではまだ生まれていない。過去作から登場できるキャラクターはかなり限られているのだ。

『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』の100年前を舞台にあたる132 BBYを舞台にした『スター・ウォーズ:アコライト』。未開の時代を舞台にこれから一体どんな物語が描かれることになるのか、全8話の展開を楽しみに観ていこう。

ドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』は2024年6月5日(水) より、ディズニープラスで独占配信。初回は第1話と第2話が同時配信されている。

『スター・ウォーズ:アコライト』(Disney+)

フランチャイズの時系列をまとめた『スター・ウォーズ タイムライン』は、日本語版が世界文化社より発売中。

『エピソード1』の200年前を舞台にした正史小説「ハイ・リパブリック」シリーズは講談社より発売中。

 

【ネタバレ注意!】第1話のネタバレ解説&考察はこちらから。

【ネタバレ注意!】第2話のネタバレ解説&考察はこちらから。

【ネタバレ注意!】第3話のネタバレ解説&考察はこちらから。

 

「スター・ウォーズ」の新作映画の一つでは2万5千年前を舞台にジェダイの黎明期を描くとされている。詳しくはこちらから。

『アコライト』のマスター・ソルについての紹介はこちらの記事で。

アニメ『バッド・バッチ』シーズン3フィナーレのネタバレ解説はこちらから。

ドラマ『アソーカ』シーズン1最終回のネタバレ解説はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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