『バッドボーイズ RIDE OR DIE』音楽まとめ 流れた全曲を紹介 ネタバレ解説&考察 | VG+ (バゴプラ)

『バッドボーイズ RIDE OR DIE』音楽まとめ 流れた全曲を紹介 ネタバレ解説&考察

©2024 Sony Pictures Entertainment (Japan) Inc. All right Reserved

1990年代のファンから2020年代のファンも楽しめる映画に

1995年に公開された第1作『バッドボーイズ』では、車を撮らせたら右に出る者はいないと言われるマイケル・ベイ監督によってカーアクションとガンアクション、そこに音楽が巧みに組み合わされた作品となっている。それは2024年6月21日(金)に公開された『バッドボーイズ RIDE OR DIE』でも共通だ。

マイケル・ベイ監督からバトンを引き継いだアディル・エル・アルビ&ビラル・ファラー監督は、1990年代からのファンと、2020年代からのファンの両方が楽しめるような選曲をしていることを米Screen Rantでコメントしている。本記事では『バッドボーイズ RIDE OR DIE』で流れる音楽について解説と選曲理由の考察をしていこう。なお、以下の内容は本編のネタバレを含むため、必ず劇場で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『バッドボーイズ RIDE OR DIE』の内容に関するネタバレを含みます。

『バッドボーイズ RIDE OR DIE』の音楽をネタバレ解説

バッドボーイズ/ショーン・ポール&トレノ

米FOXのTV番組『全米警察24時 コップス』(1989-2020)の主題歌にもなったジャマイカのレゲエバンド「インナーサークル」の「バッドボーイズ」だが、『バッドボーイズ RIDE OR DIE』ではショーン・ポール&トレノのカバーバージョンが最初に使用されている。ショーン・ポールはジャマイカのレゲエディージェイである。

ショーン・ポールとトレノによってスペイン語でカバーされた「バッドボーイズ」は冒頭でマーカスとマイクがマイアミをポルシェ992.1(911ターボS)で疾走するシーンで流されている。『バッドボーイズ RIDE OR DIE』が「バッドボーイズ」シリーズの最新作であることを再認識させてくれる音楽だ。

Wobble/V.I.C

マイクとクリスティンの結婚式で流されていた音楽で、ダンスミュージックとして大ヒットしたのが「V.I.C」の「Wobble」だ。「Wobble」の発表自体は2008年だが、その3年後の2011年にダンスミュージックとして大ヒットし、ホットR&B /HIP-HOPチャートの89位にランクイン、その後77位に達した。2012年には、米国のビルボードホット100で94位にランクインした。

マイクとクリスティンの結婚式のダンスといえば、マーカスが心臓発作で倒れるという高齢化を感じさせる一件が起きている。マイクとマーカスがもう“バッドボーイズ”という年齢でなくなったことを表現し、その後のマーカスの復活を暗示するのが2008年に発表されてから2011年に大ヒットした「Wobble」なのかもしれない。

Somos Latinos/プレイ・ン・スキルズ、ヘンテ・デ・ゾナ、デール・プトゥティ

「プレイ・ン・スキルズ」、「ヘンテ・デ・ゾナ」、そして「デール・プトゥティ」のラテン系音楽ユニットが結集して歌ったのが「Somos Latinos」だ。歌詞の内容はラテン系の人々の思いを、マイアミを舞台にして歌ったものである。そこではキューバについても触れられており、「バッドボーイズ」シリーズでは、マイクとマーカスは『バッドボーイズ2バッド』でジョニー・タピアというキューバ系の麻薬カルテルと戦っている。

他にも「Somos Latinos」は魂についても歌っており、心臓発作後、マーカスが魂の輪廻転生について語るようになったのにも上手く組み合わさっていると考察できる。「バッドボーイズ」シリーズとは、音楽と映像を上手く組み合わせた作品だと感じさせてくれる選曲だ。

Flores Pa Ti/ベッキー・G、ルイーザ・ソンザ、パプチーニョ

「Flores Pa Ti」は『バッドボーイズ RIDE OR DIE』のサウンドトラックに収録されたオリジナル楽曲である。ポップ歌手とラテン歌手の二つの顔を持つシンガーソングライターのベッキー・Gや、ブラジル次世代のポップスターと称されるルイーザ・ソンザたちが歌っており、音楽自体はマーカスをマイクが病院から車で連れて帰る際に流れるだけだが印象に残るものとなっている。

マイケル・ベイ監督からアディル・エル・アルビ&ビラル・ファラー監督にバトンタッチされた『バッドボーイズ RIDE OR DIE』ではラテン系の楽曲が多い。有色人種の主人公の作品である「バッドボーイズ」シリーズを新しく描き直す上で、様々な人種の楽曲が歌われるのは「バッドボーイズ」シリーズの作風を活かしたものとなっていると考察できる。

Dagombas en Tamale/レジデンテ

プエルトリコのオルタナティブラップバンド「Calle 13」の創立者であるレジデンテが、2017年に発表したのが「Dagombas en Tamale」だ。レジデンテは社会風刺のラッパーとしても知られている。「Calle 13」の初期の楽曲は自虐的かつ皮肉めいた作風で賛否が分かれたが、その後は社会貢献や社会を風刺する楽曲により、ノーベル平和賞受賞者世界サミットフォーラムで、社会意識の向上と平和の促進に対する貢献が認められ表彰された。

そんなレジデンテの「Dagombas en Tamale」だが、『バッドボーイズ RIDE OR DIE』ではマイクがマーカスの家族に心臓発作後、魂についてなどマーカスがどのような言動をしていたかを説明する場面で流されていた。その頃、マーカスは自分のスナック菓子を探していた。

Look At Me Now/キング・フレックス

「Flores Pa Ti」に続き、『バッドボーイズ RIDE OR DIE』のサウンドトラックに収録されたオリジナル楽曲がキング・フレックスの「Look At Me Now」である。自分を王のように振る舞うことを歌った「Look At Me Now」は「自分は死なない」と言って後ろ向きに道路を横断したマーカスにぴったりの楽曲だろう。

マーカスは心臓発作後、死亡したはずのハワード警部に会ったと語り、自分は死なないと言い放った。生まれ変わったかのように振る舞い、マイクに文字通り「俺を見ろ」と話している。マイクはそれを追うが、いつもの命知らずのマイクと安全第一のマーカスという関係は逆転し、命知らずのマーカスと安全第一のマイクという関係になっていた。

あふれる愛を/バリー・ホワイト

1974年にバリー・ホワイトが発表し、ビルボード・Hot 100で1位を記録、ゴールドディスクに輝いたのが「あふれる愛を」だ。バリー・ホワイトはシンガーソングライターであり、音楽プロデューサーで、ラジオで聞いたエルヴィス・プレスリーの影響を受けて自分のボーカルグループを結成している。

バリー・ホワイトの「溢れる愛を」が流れるのはフレッチャーのギャラリーでの銃撃戦で、マーカスが待望のジェリービーンズとフルーツパンチを食べる場面である。弾丸が飛び交う中でもマーカスは「自分は死なない」と確信しており、それどころか医者から止められていたジェリービーンズとフルーツパンチの味に文句を言っていた。

バッドボーイズ/リーバ・マッキンタイア

カントリーの女王と呼ばれるリーバ・マッキンタイア。彼女がカバーしたバージョンのバッドボーイズは『バッドボーイズ RIDE OR DIE』でも印象深い楽曲だ。それはこの楽曲が流れるに至った経緯が原因となっている。

逃亡中、白人至上主義傾向の強い住民が暮らすトレーラーハウスから服を盗んだマイクとマーカスは住民から銃を突きつけられる。黒人を理由に泥棒だと思ったのかと尋ねるマーカスの着ていた服に書いてあった文字は100%白人、一方でマイクの服はリーバ・マッキンタイアが描かれていた。そこでリーバ・マッキンタイアの歌を歌ってみろと言われてマイクとマーカスが歌ったのが「インナーサークル」の「バッドボーイズ」だったのである。そのジョークをリーバ・マッキンタイア自身にカバーしてもらうことで実現したのだ。

Duh!/フロ・ミリ

タバサのクラブで流れている楽曲として、フロ・ミリの「Duh!」が採用されている。「Dah!」は「Flores Pa Ti」や「Look At Me Now」と同じく、『バッドボーイズ RIDE OR DIE』のために書き下ろされた楽曲だ。

歌っているフロ・ミリは2018年にデビューした新進気鋭のラッパーで、TikTokで一躍スターになるなど、ある意味では今どきのスターである。『バッドボーイズ RIDE OR DIE』では人気TikTokerのカベンネ・ラメがカメオ出演するなど、TikTokなどの流行を取り入れることで2020年代からのファンも楽しめる内容になっていると考察できる。

Only You (1TwoFeel Reprise)/ ジェイ・グラヴァニー

『バッドボーイズ RIDE OR DIE』では数多くの楽曲が書き下ろされている。その一つがジェイ・グラヴァニーの「Only You (1TwoFeel Reprise)」だ。この楽曲はマイクと息子のアルマンドの会話で流れ、マーカスは二人の親子関係を見届けることになる。

『バッドボーイズ RIDE OR DIE』は「インナーサークル」の「バッドボーイズ」という往年の名曲だけではなく、新進気鋭のラッパーやラテン系歌手、HIP-HOPアーティストの楽曲が使用されている。そのため、第1作目からの観客だけではなく、新しい観客も楽しむことが出来る映画に仕上がっていると言える。

バッドボーイズ/インナーサークル

「バッドボーイズ」シリーズを象徴する楽曲を外して『バッドボーイズ RIDE OR DIE』を語ることはできないだろう。マイクの妻のクリスティンとハワード警部の孫娘のジェリーを救出するための準備を進める際に、原点に立ち返るように「インナーサークル」の「バッドボーイズ」が流れている。

「インナーサークル」はジャマイカの5人編成のレゲエバンドで、1968年から活動をしている。メンバーの交代は多いものの、2013年にもアルバムを出すなど、継続して活動を続けている伝説的なバンドの一つと言える。

Peter Piper/ Run-DMC

ラップとロックを組み合わせた先駆けとも知られるRun-DMCの楽曲「Peter Piper」もマックグラスとの銃撃戦の中で流れている。Run-DMCは2002年に活動を休止しているが、それでもその影響は大きい。

「Peter Piper」とはマザー・グース(イギリスで古くから口誦によって伝承されてきた童謡や歌謡の総称)の一つである早口言葉「ピーター・パイター」がもとになっているとされる。このときパニック発作を起こしたマイクに、マーカスは童話に出てくる悪い大きな狼を例に挙げて発破をかけている。

サルサ/ BLKCITY

BLKCITYはジェスビー、ライザ・ビザ、アブドゥル・ケイ、ブレイズ・ジ・エンペラー、モー・ミューズというニュージーランドを代表するアフリカン・HIP-HOP・アーティストで結成されたグループである。彼らが歌うサルサはラテン音楽のジャンルの一つで、スペインとアフリカの影響を受けた音楽であり、キューバから直接影響を受けたとも言われている。

BLKCITYのサルサはマイクとマーカスの家族がBBQをしている最後の場面で流れる。BBQはマイクとマーカスにとって“バッドボーイズ”のマイクとマーカスからマイク・ラーリーとマーカス・バーネットに戻れる家族団らんの場であり、サルサはそれを彩るラテン音楽だと考察できる。

エンドロールまで席を立たせない楽曲たちを解説

グラミー賞を6度受賞しているブラック・アイド・ピーズとエル・アフタ、そしてベッキーGが『バッドボーイズ RIDE OR DIE』のために書き下ろしたのが「Tonight (Bad Boys: Ride Or Die) [feat. Becky G]」だ。この楽曲はエンドロールで流される。そのため、エンドロールになっても簡単に席を立つことは出来ないだろう。

他にもエンドロールで流れる楽曲にはBIDとJIDが手掛ける「Lights Out」など、輝かしい経歴を持つミュージシャンから、新進気鋭のミュージシャンまで数多くのミュージシャンが『バッドボーイズ RIDE OR DIE』には参加している。

カーアクションやガンアクションも魅力的な『バッドボーイズ RIDE OR DIE』だが、音楽に注目して観るのも面白いかもしれない。1990年代からのファンも、2020年代からのファンも楽しめる映画が『バッドボーイズ RIDE OR DIE』なのだ。

『バッドボーイズ RIDE OR DIE』は2024年6月21日(金)より全国劇場公開。

『バッドボーイズ RIDE OR DIE』公式サイト

マイケル・ベイ監督作『バッドボーイズ』と『バッドボーイズ2バッド』のツインパックは発売中。

ソニーピクチャーズエンタテインメント
¥8,680 (2024/07/18 19:02:59時点 Amazon調べ-詳細)

アディル・エル・アルビ&ビラル・ファラー監督作『バッドボーイズ フォー・ライフ』のBlu-rayとDVDは発売中。

¥4,221 (2024/07/18 19:02:59時点 Amazon調べ-詳細)

 

『バッドボーイズ RIDE OR DIE』のラストのネタバレ解説&考察はこちらから。

映画『ザ・ウォッチャーズ』のネタバレなしレビューはこちらから。

映画『ブルー きみは大丈夫』のネタバレ解説&考察はこちらから。

『マッドマックス:フュリオサ』のラストについての解説&考察はこちらの記事で。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
お問い合わせ

関連記事

  1. 2023年公開のSF映画まとめ! 『シン・仮面ライダー』にMCUは3本、ゴジラとジブリ新作も

  2. 『ドクター・スリープ』特別映像解禁 72歳の誕生日を迎えるS.キング、圧巻の筆力に絶賛の声

  3. 映画『ブラックアダム』12月2日公開 “最恐のアンチヒーロー”はDCU/DCEUに追い風もたらすか

  4. マーゴット・ロビー、『ハーレイ・クイン』への「セクシーじゃない」との批判を一蹴 「誰にアピールするかはハーレイが決める」【ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY】