『スター・ウォーズ:アコライト』配信中
ドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』は2024年6月よりディズニープラスで配信を開始した「スター・ウォーズ」最新作。映画『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999) の100年前を舞台に、ジェダイマスターの暗殺事件に端を発するサスペンスが描かれる。
『アコライト』の見どころは謎が謎を呼ぶミステリーとサスペンスなのだが、第4話の配信後、あるキャラクターの正体について議論が続いている。あの人の正体は誰なのか、今回は第4話の内容を踏まえて考察していこう。以下の内容は『アコライト』第4話のネタバレを含むのでご注意を。
以下の内容は、ドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』第4話の内容に関するネタバレを含みます。
『スター・ウォーズ:アコライト』“マスター”の正体を考察
マスターとは誰か
『スター・ウォーズ:アコライト』では第1話のラストでカイロ・レンを思わせるマスクを被った人物が登場。「ジェダイは夢の中で生きている」と指摘し、ジェダイに敵対的な姿勢を見せていた。マスターはメイに対して武器を使わずにジェダイマスターを殺すよう指示しているが、このシーンでは、アコライト(侍者)であれば武器を持たずにジェダイを殺せるとも発言している。
このマスターが次に登場したのは『アコライト』第4話でのこと。終盤、メイはウーキーのジェダイマスターであるケルナッカの暗殺をやめ、ジェダイに投降すると決める。案内役のカイミールが、ケルナッカの住処まであと南にあと10分という場所まで来たと漏らすや、メイはカイミールを捕らえてケルナッカの住処へ向かった。この時メイは、案内役がいなければマスターといえどケルナッカの場所まで辿り着くことはできないとたかを括っている。
しかし、メイがケルナッカの家に着くと、そこにはすでに息絶えたケルナッカの姿があり、メイは先にマスターがここに辿り着いていたことを悟る。時を同じくしてジェダイ一行も到着するが、そこに現れたのは“マスター”だった。マスターは赤いライトセーバーを出すとオーシャを軽く吹き飛ばし、左手一本で8人のジェダイを吹き飛ばしている。強力なフォースの力を操るこの人物の正体は、一体何者なのだろうか。
マスター=カイミール?
第一の候補は、もちろんカイミールだ。案内役がいないとケルナッカの居所には辿り着けないとされていたこと、メイにマスターと取引をしているか聞かれた時に「俺はしてない」と言ってから「俺たちはしてない」と言い直していたこと、その大げさな身振りなど、第4話には分かりやす過ぎるほどにヒントが散りばめられている。
もう一つ怪しい点は、第4話でカイミールは、オーシャがソルのことを慕っていたとメイに語っていることだ。だが、第2話ではオーシャはソル達と協力し、メイのふりをしてカイミールの元に現れてはいるが、カイミールの前でソルと会話はしておらず、「慕っていた」と言い切っている点はどうも怪しい。この後メイはマスターよりもオーシャが大事として任務を放棄するが、カイミールはそのメイの揺れ動く心理を見抜いていて誘導を図ったのではないだろうか。
だが、カイミール=マスターという説は、分かりやす過ぎるが故にミスリードではないかという気もしてくる。捕まったカイミールがメイを追い越して瞬時にケルナッカを殺し、着替えを済ませてジェダイの後ろから現れるということが、そもそも物理的に可能なのだろうか。また、カイミールがマスターなのであれば、あれだけのフォースの力を持っていながら、なぜ第2話でジェダイに抵抗しなかったり、メイにあっさり捕まったりしたのだろうか。
マスターは操り人形?
カイミール以外にも、ミスリードである可能性がある点は二つある。①本当に“マスター”なのか、②マスターはシスなのか、ということだ。①については、メイは“マスター”のことをマスターだと思っており、ジェダイ側もそう思っているが、“マスター”もまた駒に過ぎず、まだ黒幕がいるという可能性はあり得る。②については、『アコライト』ではここまで「シス」という言葉は登場しておらず、ジェダイマスターの会議でもメイを訓練したのは自分たちの分派ではないかと指摘されているだけだ。
これはあくまで仮説だが、第4話に登場したマスターは、捕らえられたカイミールが黒幕によって遠隔操作されただけの操り人形だったという可能性はないだろうか。メイやオーシャの出身の魔女の部族はフォースの力を“糸”と呼んでおり、遠隔から人を操り人形のように扱えるのかもしれない。第2話の回想で放火したメイも、大人の魔女から操られていたとすれば合点がいく。
第4話ラストのマスターが上空からゆっくりと降りてくる演出も、“操り人形”として見ることもできる。それに、マスターが顔を急にこちらに向ける少々大げさな演出も、人形っぽさの演出だったのかもしれない。
後押しする三つの発言
操り人形説を後押しするのは、カイミールの発言だ。カイミールは第4話でマスターが「人を集めている」と話していた。これはマスターと弟子という関係の話ではなく、遠隔で操作できる操り人形、駒にするための人を集めているということなのではないだろうか。もしそうだとすれば、“マスター”が複数人いる可能性も考えられる。また、カイミールがマスターとの取引について「俺はしてない」と言ったのは、黒幕に一方的に操られることがあると自覚しての発言だったのかもしれない。
第2話では、ジェダイマスターのソルらと対峙したカイミールが、「記憶を消すとか、君らがいつもやるようなことはやるなよ」と牽制している。カイミールが普段から黒幕に操られ、操られている間の記憶を失っているとすれば、同じようにフォースの力を操るジェダイを警戒していたとも考えられる。
また、第4話のジェダイ会議の後のシーンでは、ヴァーネストラ・ロウがメイがマスターによるマスタープランの一部でしかない可能性に触れていた。“マスター”もまたマスタープランの一部だった、という展開も十分にあり得るだろう。
ポスターにヒントが?
そして、マスター(本体)の正体のヒントになるかも知れないのが、第4話の配信日に公開された第3話インスパイアのポスターだ。ブンタの木の前に幼い頃のメイとオーシャが映っており、右側には当時ブレンドクにいた4人のジェダイの姿が確認できる。そして、左側には“マスター”の姿が。その背後には火と黒煙があがっている。
Art inspired by episode 3 of #TheAcolyte has arrived. Artwork by @MarkoManev.
The Acolyte, a Star Wars Original series, is streaming Tuesdays on @DisneyPlus. pic.twitter.com/oAs4fr5nn3
— Star Wars (@starwars) June 17, 2024
つまり、マスターの本体は、第3話で描かれたあの16年前のブレンドクにいた人物なのではないだろうか。となれば、怪しいのはマザー・コリルだろう。幼いメイはコリルと散歩に出かけた後にブレンドクに火を放った。コリルはオーシャの扱いをめぐってマザー・アニセヤと対立していた上に、安全のために魔女の存在を闇に葬って秘匿する必要があった。
そもそもブレンドクが混乱に陥ったのは4人のジェダイがやって来たからであり、コリルが4人のジェダイへの復讐を進めていてもおかしくはない。一方で、遠隔で人を操り、強力なフォースを使わせるような所業が魔女といえど可能なのかという問題もある。アニセヤが生きていたという展開だってあり得るだろうし、まだまだあっと驚くような捻りが準備されているような気もする。
果たして、マスターの正体とは。そして、その裏にある計画とは。『アコライト』後半戦も目が離せない。
ドラマ『スター・ウォーズ:アコライト』はディズニープラスで独占配信中。
『エピソード1』の200年前を舞台にした正史小説「ハイ・リパブリック」シリーズは講談社より発売中。
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