ブラック・ノワールの正体は? 『ザ・ボーイズ』シーズン4と原作コミックの違いを解説 | VG+ (バゴプラ)

ブラック・ノワールの正体は? 『ザ・ボーイズ』シーズン4と原作コミックの違いを解説

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シーズン4で登場するブラック・ノワールは何者?

ファイナルシーズンであるシーズン5に向けて、過激な展開を見せている『ザ・ボーイズ』シーズン4。注目すべきキャラクターが多くいる中で、興味深い動向を見せているのがセブンのメンバーであるブラック・ノワールだ。ブラック・ノワールは『ザ・ボーイズ』シーズン3で衝撃的な形で正体を明かしたキャラクターでもある。

本記事ではドラマ版『ザ・ボーイズ』でのブラック・ノワールの正体について解説するだけではなく、原作コミック『ザ・ボーイズ』のブラック・ノワールとの違いについて、制作者であるエリック・クリプキの発言と合わせて考察していこう。なお、本記事は『ザ・ボーイズ』シーズン4第3話までのネタバレを含むので注意していただきたい。なお、本作は視聴対象が18歳以上の成人向けコンテンツになっている。露骨な残虐描写や流血描写、性描写が含まれるので、注意していただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、原作コミック版『ザ・ボーイズ』とドラマ『ザ・ボーイズ』シーズン4第3話までの内容に関するネタバレを含みます。

『ザ・ボーイズ』でのブラック・ノワールの正体を解説

ブラック・ノワールの軌跡を振り返り

ドラマ版『ザ・ボーイズ』のブラック・ノワールの正体は、アーヴィングという名前のピーナッツアレルギーを持つ黒人青年だった。アーヴィングは黒人という人種でもヒーローとして有名になれることを夢見ていたが、その夢はヴォート社CEOのスタン・エドガーとソルジャー・ボーイから否定されてしまう。

ペイバックに所属し、顔を隠して言葉を離さない忍者という設定だったアーヴィングはペイバックの仲間と協力してリーダーで暴君のように振る舞っていたソルジャー・ボーイをソ連に引き渡す計画を立てる。計画自体は成功したが、ソルジャー・ボーイの激しい抵抗により脳に損傷を負い、アーヴィングは失語症になってしまった。

ペイバックからセブンに移籍したアーヴィングはスタン・エドガーの忠実な部下であり、ホームランダーから信用される数少ないヒーローである。しかし、ソルジャー・ボーイが実の父親だと知ったホームランダーにより、その秘密を隠していたことが知られてしまい、アーヴィングは殺されてしまった。

2代目ブラック・ノワールと原作版ブラック・ノワール

ストームフロントやクイーン・メイブなど、数多くのヒーローの離脱や死亡により壊滅の危機に瀕したセブンは、アーヴィング亡き後もブラック・ノワールを必要とした。そして、ブラック・ノワールの覆面で話さないという設定を活かして2代目ブラック・ノワールを生みだしたのである。

2代目ブラック・ノワールを演じるのはアーヴィング版ブラック・ノワールのスーツアクターを務めていたネイサン・ミッチェルと変わらないが、性格は大きく異なったものとなっている。2代目ブラック・ノワールは口が軽くおしゃべりで、新人であるせいか周りに質問ばかりしている。その陽気な姿はホームランダーが信用できる数少ないヒーローの面影はない。

2代目ブラック・ノワールの性格の違いは、おそらく原作版ブラック・ノワールと設定を区別するためのものだと考察できる。アーヴィング版ブラック・ノワールも含め、原作版ブラック・ノワールの設定はドラマ版ブラック・ノワールと大きく異なるのだ。

原作コミック『ザ・ボーイズ』では、ブラック・ノワールは白人でブロンド、そして笑みを浮かべたホームランダーのクローンとされている。ホームランダーとブッチャーの対立の原因をつくった張本人であり、そういった意味では原作版ブラック・ノワールは原作コミック『ザ・ボーイズ』の諸悪の根源と呼んでも良いかもしれない。

ブラック・ノワールは地に足のついた設定に

このクローンという設定がドラマ版『ザ・ボーイズ』の制作者であるエリック・クリプキは気に入らなかったとのことだ。エリック・クリプキはブラック・ノワールのストーリーラインに興味を持っているという前提で、クローンの設定をドラマ版に持ち込むことに否定的な見解を米Varietyで示している。

コミックでは、ブラック・ノワールは実はホームランダーのクローンであり、恐ろしいことをやっている人物なのです。そしてまた、とんでもない展開になります。でも、私は視聴者が追ってきた『ザ・ボーイズ』の悪役は、本当は悪役ではありませんでしたという結末となることに納得いきませんでした。ファンの皆さんは、私がブラックノワールの正体をクローンという設定にしなかったことに腹を立てていると思いますけど、私にとってはブラックノワールの正体がホームランダーのクローンで諸悪の根源という設定はあまり納得のいくものではなかったのです。だから、原作コミックのブラックノワールがクローンというのがあまり好きではありませんでした。

それに、クローンについてこのような表現をするのはあまりにもバカバカしいと思われるかもしれませんが、ドラマ版『ザ・ボーイズ』にとってホームランダーのクローンという設定はあまりにも魔法のようなものだと感じたのです。ドラマ版『ザ・ボーイズ』では非現実的なのはスーパーヒーローだけで、それ以外はできるだけ地に足の着いたものにしようと心がけています。

『スーパーナチュラル』俳優の再集結

今後、ドラマ版『ザ・ボーイズ』で2代目ブラック・ノワールの正体が明かされることはあるのだろうか。エリック・クリプキは現在、『スーパーナチュラル』(2005-2020)に出演したキャストをドラマ版『ザ・ボーイズ』で再集結させようとしている。

主人公ディーン・ウィンチェスターを演じたジェンセン・アクレスは『ザ・ボーイズ』ではソルジャー・ボーイを演じている。他にもウィンチェスター兄弟の親代わりであるボビー・シンガーを演じたジム・ビーヴァ―はロバート・シンガー大統領を演じている。ボビーはロバートの一つであり、なおかつロバート・シンガーという名前は『スーパーナチュラル』のプロデューサーから取られている。

『ザ・ボーイズ』の分裂能力者スプリンター役には、『スーパーナチュラル』で預言者チャックや神を演じたロブ・ベネディクトが起用された。他にもルシファーの息子ジャックを演じたアレクサンダー・カルヴァートは、『ジェン・ブイ』(2023-)にてサイキックのルーファスを演じている。『ジェン・ブイ』のケイト・ダンラップ役のマディー・フィリップスも『スーパーナチュラル』に出演している。

このように『スーパーナチュラル』の主要なキャストが「ザ・ボーイズ」シリーズに揃いつつある。そんなエリック・クリプキが目をつけている次の俳優は『スーパーナチュラル』のもう一人の主人公サム・ウィンチェスターを演じたジャレッド・パダレッキだ。ジャレッド・パダレッキは『WALKER/ウォーカー』(2021-)で主人公のコーデル・ウォーカーを演じていたが、『WALKER/ウォーカー』の2024年に新シーズンがキャンセルされたため、出演の可能性が浮上したのだ。

現在の白人至上主義傾向の強いヴォート社ならば、ブラック・ノワールの正体としてジャレッド・パダレッキが演じるキャラクターを紹介するという展開もあり得そうだ。2代目ブラック・ノワールの正体が原作コミック『ザ・ボーイズ』と同じようにクローンではないことが明言されたため、ドラマ版『ザ・ボーイズ』ではどう扱われるのか謎が深まった。今後のブラック・ノワールの動向にも注目だ。

ドラマ『ザ・ボーイズ』シーズン4はAmazonプライムビデオで配信中。初回は3話同時配信。

原作コミックの日本語版は、G-NOVELSから第6巻まで発売中。

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『ザ・ボーイズ』シーズン4第3話のネタバレ解説&考察はこちらから。

第2話のネタバレ解説&考察はこちらから。

第1話のネタバレ解説&考察はこちらから。

『ザ・ボーイズ』シーズン3最終話のネタバレ解説&考察はこちらから。

スピンオフドラマ『ジェン・ブイ』シーズン1最終回のネタバレ解説&考察はこちらから。

 

『ザ・ボーイズ』のシーズン5での終了についてエリック・クリプキ監督が語った内容はこちらの記事で。

『ジェン・ブイ』シーズン2についての情報はこちらから。

「ザ・ボーイズ」フランチャイズの更なるスピンオフ展開についてはこちらの記事で。

ホームランダーのクローンについてはこちらの記事で。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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